尿路結石治療体験記~ステント交換

それからステント交換までの3ヶ月、恐怖が頭にこびりついて離れませんでした。気がつくとステントを入れた時の恐怖のことを考えている。嫌だ嫌だやりたくない。何とか回避できないか。寝ても覚めても恐怖が頭にこびりつき、陰鬱な日々を送っていました。もうほとんど痛みはなくなってはいましたが、トイレに行くたびに激痛を思い出す。日に何度もトイレに行きますから、日に何度もあの激痛を思い出すことになります。私には、ステントを入れるのがすっかりトラウマになってしまっていました。

まだ先だから忘れて過ごそうと思っても、いつの間にか考えてしまっている。そして、まだ先だと思っていたステント交換の日がいつの間にか近づいてきている。結局3ヶ月もの間暗い気持ちで過ごしてしまった私は、交換の1週間前ついに耐えられなくなり病院に行きました。そこで医者に、恐ろしくてしょうがないから何とかできないかと訴えました。

医者は、ステント交換はやらないとダメ。やらないと癒着して、手術で腹を切って取り出さないといけなくなる。今回は、私が交換を担当する。ゼリー状の麻酔の他に、事前に腕に気分が和らぐ注射をしてからやると提案してきました。私は、状況が分からないと怖いので、何をやってるのか説明しながらやって下さいとお願いしました。

交換の日、覚悟を決めながらもびくびくしながらまず腕に注射を受け、あの恐ろしいレントゲン室に行きました。2回目と言うこともあり流れが分かるので、心の準備もできた状態で入っていきました。見知った医者であること、前回の医者よりベテランであることの安心感、また何をやるか説明してから始めることで前回より恐怖心は薄らいでいました。それでも痛いものは痛い。腕への注射は、全く効いた感じがしません。それでも、今から前立腺のところを通るから痛いよと教えてくれるので身構えできるし、それ以外はちょっと力を抜けるし、知ってる医者だから痛い時は痛いと遠慮なく叫べるし、前回程恐怖心を持たずに交換を終えることができました。おしっこする時も、最初の2回くらいはやはり激痛が走りましたが、それ以降は痛みも薄らぎ、血尿もじき止まりました。

だいぶトラウマも薄まりましたが、いよいよ本番の手術が怖い。何より背骨に麻酔の注射を打たれるのが怖い。とても痛いらしい。痛みへのトラウマの残る私は、何とか手術を回避しようと、ステント交換後の医者との面談で手術は止めて衝撃波で砕くことはできないか相談しました。医者は、衝撃波だって痛いんだ。1分間に数十回衝撃波を当て、それを50分くらい続けるという。衝撃波だから、身体の表面に痛みが走る。耐えられなくてもう止めてくれと言う人もいる、ようなことを言われ、どっちにしても痛いのかと諦めて手術を受けることにしました。

<つづく>

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