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まなび~馬in鳥取 訪問

鳥取市内にある週5日のフリースクール「まなび〜馬」を訪問しました。
まなび〜馬は基礎学習と体験学習をベースにした学び場です。

大阪の箕面こどもの森学園のマナビープログラムに参加した際、まなび〜馬のスタッフの方とお出合いして、お話を伺う中で、
今年度から週5日のチャレンジをされていると知り、試行錯誤のプロセスを体感したいと思いました。

1日のおおまかな予定は以下の通りです。

①ハッピータイム
 朝、集まってハッピーなことを伝え合う。
 司会を立てて、2分間で話をする。
②朝の対話
③基礎学習
④体験学習
⑤ふりかえり

体験学習は、子どもたちがやりたいことをやる時間です。
午前、午後とたっぷり、体験学習の時間が確保されていました。
当初は、その日に、きている子どもたちがやりたいことを決めてやっていたそうですが、週の計画を立てて、月から金までやりたいことをやっていくことに変えたそうです。
そうすることで、みんながやりたいことがどこかの日にはできるから納得感もあるようです。
カレンダーに「お買いもの」「クラフト」「七夕かざり」「プール」「図書館」「ととろの森」と予定が書かれていました。

私が訪れた日は、買い物の日。
買い物に出る前に、何を買って何をするのか話し合いがが行われました。

「どこに買い物に行く?」
「私は○○がほしい」
「○○を僕は買って○○をする」
「○○に行ったら、全部揃うからそこに行こう!」
子どもたちが自分のやりたいことをスタッフに伝えます。

中には、スッとその中に入りづらい子どももいて、さまざまな方法で気をひいたり、「納得していない」の意志を示していました。
公立の学校で傷ついた子どももいます。
まなび〜馬では、対話を大切にされています。

「○○はどうしたいの?」
対話を促し、じっくりと待ちます。
こういう状況で、大人の姿勢が試されます。
自分だったら、この状況でどう子どもと接するのか。
そんなことを考えながら、成り行きを見守っていました。
子どもを守る最後の砦はどこなのでしょうか。

計画が立ったら買い物に行きます。
私は畑に植える苗を買いたい子どもと一緒に行動しました。
予め、予算が決められていて、その予算を考えながら、買い物をします。
数の計算をして、店員さんとコミュニケーションをとる。
買い物には複数の学びの要素がつまっています。

まなび〜馬に帰ってからは、早速、張り切って畑を耕して苗を植えていました。
室内では、割とがちゃがちゃとした雰囲気の子どもだったのですが、外で活動している時に、実に穏やかな表情をして、
生き生きと作業をしていました。
環境でこんなに変わるんだなあと、子どもの変化を面白く感じました。
机に座った学習以前に、こういったことを徹底的にやり尽くす必要のある段階の子どももいるということを感じ、そのことを改めて考えさせられまし
た。

まなび〜馬で過ごす中で、少しずつ変化をしたり成長をしたりしているということをスタッフの方から伺いました。子どもの成長を信頼する。その姿勢が大切なのだと改めて気付かされました。


まなび〜馬の運営母体が、活動25年のNPO法人ハーモニーカレッジです。

https://www.harmony-college.or.jp/

馬2頭を購入し、馬と触れ合う教育プログラムからのスタートだったそうです。不登校・ひきこもりの中・高生が住み込みで馬の飼育の世話をして、生活リズムを整えたり、馬に癒されたりしてきたそうです。


企業研修、乗馬体験、カウンセリング、プレーパーク、キャンプ、こども園と複数の事業を展開されています。
ハーモニーカレッジの敷地内では、幼児が外で思い思いの時間を過ごしていました。
馬とこどもが一緒にいて、のびのびと過ごしている。
私は、「楽園だ」と思いました。

この日、ご好意で乗馬の体験もさせていただきました。
私は「エルダ」という名前の白馬に乗りました。
スタッフの方に丁寧にリードしていただき、乗馬体験を楽しみました。
馬と人は通じ合っている。
そんな感覚が得られて、感動を味わいました。


翌日は、月1回、開催されている「もりたね」という対話の会があると聞き参加をしました。
ロシアの教育を実際に受けた若いスタッフの方が話題提供をされました。
対話のサークルには、スタッフの方だけでなく、子育て真っ最中のお母さん方も参加されました。
お母さん方の感度の高さや問題意識を聞きながら、我がごとであるということは大きいのでしょうが、場がある強さを感じました。
鳥取は森の幼稚園やサドベリー、森のコミュニティーなど、教育環境が充実している印象があります。
地域にそういった場があることで、教育や子育てに対する発想がより柔軟になるのではないのかと感じました。
月1回、こんな風に対話をしたり学んだりすることも非常に価値のあることだと感じます。
地元でも、こういった場があるといいし、作ってみたいです。

見学させていただき、大変、感謝しています。
ありがとうございました。

文責:森田 千尋


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