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「中古建売プチリノベ」が、わたしたちにはちょうどよかった

2022年10月、思い切って家を買いました。

7月に長女を出産し家族が一人増え、さらに家を買うなど、本当にビッグな出来事が重なる年だったなあと、しみじみしています。

さて今回まとめておきたいと思ったのは、家を買ったことについて。

単に家を買った話ではなく、「中古建売物件を買って、プチリノベした」ことについて語りたいなあと思い、筆をとった次第です。

最初にお見せすると、

はじめはこんな物件だったのが…

こんなふうになったり。こんな場所も

こんなふうになったり……。


新築を買うか、古い物件を買ってフルリノベするか。

その二択だったわたしたちにとって、どこにでもあるような一般的な建売の物件を、小規模でリノベしたことは、意外な発見や良さがいろいろとありました。

ちなみにこのnoteには、金銭まわりのことについてはまったく書かれていません。ローンや契約まわりのことは、夫に全任せでしたので、気になる方はぜひタバタバーに飲みに行って話を聞いてみてください(笑)。

そんなわけでつい数ヶ月前まで、家を買うなんてまったく思っていなかったわたしたち夫婦が、なぜ家を買う決断ができたのか。どんな家を買って、どんなリノベをしたのか。

そんな話を備忘録として書き残しておきたいと思います。

夫婦のプロフィール

夫(33歳)
仕事は父親が経営するコンビニの店長と、地域コミュニティ「タバタバー」の店主。ずっと地元で商売をしている。

妻(書き手のわたし・36歳)
仕事はフリーランスのライター、たまに夫のコンビニやタバタバーの手伝い。現在育児をしながら、少しずつライターの仕事を再開している。

住まいのエリア
東京都北区〜荒川区で検討

購入のきっかけは「この街で生きていく」覚悟ができたから

家を買ったと友人に報告すると、9割以上の人に「え、いつの間に?」と驚かれます。

夫がどうだったかは分かりませんが、わたしにとって「都心で家を購入する」というタスクは、ほとんど他人事のようなものでした。いつかは買うのだろうなあとぼんやり思い描いてはいたものの、具体的な理想像もなく、ただ時間が過ぎていくばかり。

というのも田舎で育ったわたしは、都会のど真ん中で家を買うことに、ずっと懐疑的でした。

家の価格は都心から少し離れるだけで、一千万円以上下がることもあります。もちろん都心だからこそのメリットは山ほどあるのですが、それにしても、我が家にのしかかる金銭的な負担があまりに大きいのではないか……。かといって、土地に根ざして仕事をしている夫を連れ出して、新たな一歩を踏み出すのも、あまり現実的ではない……。実家と同じ庭付き二階建ての物件なんて、夢のまた夢...…。

そんなもやもやを、結婚してからずっと抱えていました。

子どもが生まれることを機に、家を買うことをより現実的に考えたほうがよいかと思ったある日、夫に聞いてみました。

「わたしたちにとって、この街で家を買うことのメリットってなんだろう」
「そもそも都心に家を買う必要があるのだろうか」
「もっとわたしたちにとって、最適な住まい方について考えてみたい」

すると夫から、こんな返事がありました。

「朝子(わたし)の実家の近くに行くとか、思い切って自然豊かな場所で田舎暮らしをするとか。いろんな選択肢を想像してみたけど、今はなんだかイメージできなかった。やっぱり、この街で生きていきたいと思っている」

これまで曖昧な返答しかもらえなかった夫からの、初めてはっきりとした答え。夫の断固たる覚悟に、それならば!と、わたしも腹をくくりました。

そうと決まれば、賃貸に住んでいつまでも家賃を払い続けるのもばかばかしい。少しでも早く買った家に住んで、ローンを払う方向にシフトしよう、と二人で考えを合わせ、決断できたのです。

中古建売物件は、案外悪くない

なんとなく「どんな物件があるのだろう」と見ていたフェーズから、「いいのがあったら問合せする」のフェーズへ。選択肢は、新築・中古の一戸建てか、中古マンションのフルリノベ、でした。できれば新築の一戸建てが良かったのですが、探していくうちにいろいろと現実を見ることになります。それぞれ我が家にとってのメリット、デメリットはこんな感じ。

「新築一戸建て」のメリット・デメリット


メリット:当たり前だがきれい。設備が最新。
デメリット:希望の間取りや立地の物件は、予算オーバー。予算内のものはすぐに売れてしまったり、希望の間取りがなかったり。

「中古マンションフルリノベ」のメリット・デメリット


メリット:おしゃれ、オリジナル性が高い、希望の間取りにアップデートできる
デメリット:我が家は希望する立地がかなり限定されているため、その中で問合せ可能な物件がほとんどなかった。(あまり調べていないのですが、有名なリノベ会社のサイトに掲載されている物件の中に、わたしたちが住むエリアのものはほとんどなかった)
あと、センスがないと使いこなせない気がした。(まわりのフルリノベ系の人たちの様子を見て、勝手にそう思っています……)

さて、そうなってくると現実味を帯びてくるのが、中古の一戸建て。正直個人的には、前の住人の方の使用感が残るので、それまで中古物件には心惹かれませんでした。

が、忘れもしない、出産二週間後のある日。

突然夫から「内覧に行かないか」と誘われました。あなただけ行ってきてよ、と言いかけましたがそうもいかない。聞けば、築10年ほど。当時住んでいたところから徒歩5分ほどの距離だというので、子どもは親に預け、一緒に見に行くことに。

中古建売一戸建てに対するイメージが相当悪かったのか(笑)、初見で中に入って思ったのは「思ったより悪くないじゃん」でした。

もちろん壁紙の黒ずみや、フローリングの傷など、気になる箇所はいくらかあります。ただそれらは張り替えたり、隠したりすればなんとかなる誤差の範囲。わたしが一番大切にしていた「日当たり」の条件も、まずまずというところ。前の方がとてもきれいに使っていらっしゃったのが分かります。

それ以上に良かったのは、これまで住んでいたところよりもJRの駅に近くなるところでした。

以前の部屋の最寄り駅が通る日暮里舎人ライナーは、都市部の鉄道路線で混雑率が一番高いと言われる沿線。将来子どもが近隣以外の学校に通うことになったとき、そんな電車に乗せるのも不安だとずっと思っていました。JRの駅であれば本数も多いし、満員電車と言ってもそこまでひどくないだろうと。

間取りや設備など、似たような物件はいろいろあるけれど、希望する立地の物件はなかなか出てきません。

極端にいいところがあった!わけではないけれど、極端に嫌なところもなかった。

一言で言うと、これがわたしたちの家探しの落としどころでした。

後で分かったのですが、わたしたちが決めた物件は問合せや内覧者がとても多かったのだそう(現に内覧終了直後に、次の方と外ですれ違うくらい……)。いちばん初めに見に来たからという理由で、不動産会社の方が優先度を上げてくださり、無事に契約成立。やはりこの値段でこの立地、というのがなかなかなかったんだろうなあ。決断力、大事!

さっそくプチリノベ

さて、無事に家は決まったということで、いよいよ内装をきれいに整えることに。

中古の建売を買ったら、壁紙を替えたり、老朽化した設備を替えたりする程度のリフォームが一般的なようです。わたしたちも当初はそのつもりでした。

ただ夫と話し合い、「どこまでできるか分からないけれど、せっかくだったら得意な人に相談して、プチリノベをしてもらおうか」ということに。

建築事務所を営む知人に相談したところ、快く動いてくれ、予算の範囲内でいろいろとリノベ案を提案してくれました。

それがこちら。

キッチン&ダイニング

キッチン、ダイニング、リビングが縦に連なったタイプの間取りです。ダイニングの壁にはオーク材の板を打ち付け、あたたかな印象に。また壁の少し下に同系色の長い板を渡すことで一体感を見せ、天井を広く見せる効果もプラスされました。テープライトをつけて、調光可能な間接照明も設置してもらいました。

キッチン背面にはカップボードも増設。調理器具や食器だけでなく、飾り物などをのせることもできます。

キッチン

システムキッチンにも濃い紺色のシートを張り替えました。これだけでだいぶイメージが変わります。

他にも細かいところですが、ベースとなる白い壁紙はもちろん、各部屋にアクセントクロスを選んで張り替え。

ワークスペース
トイレなど

壁紙はそれぞれの部屋にテーマを設けて、選んでいきました。Pintarestなどを参考に、カタログと格闘すること、3時間!まとめて時間をとって、一気に決めていきました。意外と疲れる作業だったけれど、自分で決めたからどの部屋も愛着を持てています。 

キッチン側からみたリビング&ダイニング

そうそう。大きなところでいうと、リビング(和室)とダイニングの間にあった襖を取っ払い、その分天井高を上げました。これを取っ払うことでリビングダイニングに抜け感が生まれました。(この選択肢は、新築じゃできなかっただろうな)

他にはトイレ、水栓、畳、エアコンなど、老朽化が目立つところは一式交換。

またリノベの引き渡しが終わったあと、タオル掛けのバーを真鍮のものに付け替えるなど、自分たちでできる箇所は、少しずつ手直ししていっているといったところです。

ふつうの家に、「わたしたちらしさ」が加わった

こうしてわたしたちの家選びは、いったん落ち着くことになります。振り返って思うのは、変に知識のない二人だからこそ、えいやっで決めることができたのではないかということです。

当初はほとんど選択肢に入れていなかった「中古建売」は、ほんの少しのあしらいを加えるだけで、「自分たちのもの」感が増します

それはわたしたち夫婦の、物を買う際の選択基準に、図らずも合っていたのです。

まだまだ改善しなきゃな~、このインテリアほしいな~、などなど。絶賛手直しの真っ最中ではありますが、賃貸のころと比較して、自分たちの判断で何をしてもいい、という安心感があります。

それに急いでインテリアを決めなくてもいい。本当に気にいったものを、ゆっくりゆっくり探していって、よりわたしたちらしさがにじみ出る家になっていったらいいなあと思います。

最後に。わたし一人では絶対に手に入れることのできなかった暮らしをさせてくれてありがとう。夫に最大級の感謝を!


ちなみに今回の素晴らしいプチリノベ案を提案してくださったのは、勝亦丸山建築計画のお二人。

もし中古建売プチリノベがいいな!と思った方はぜひ相談してみてください!

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