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4年かけて、仕事は「誰かを幸せにするための行為」と考えるようになった

■ 書こうと思ったきっかけ 
・会社を通して大学生・新卒1,2年目向けメディアのインタビューを申し込まれた 
・仕事に対する姿勢とか価値観とかを話して、と言われた
・でも直前で年齢制限があることに気づき、しかもそれに引っかかり受けられず
・ただ、伝えられることはあるし、役に立つ話ができると思った
・だったら自分でやっちゃおう
・ということでこの記事を書いた

仕事はつまらない。終業時間を待ちわびる。金曜日は飲んで帰る大手出版専門商社時代

4年制の大学を卒業し、僕は大手出版専門商社に入社しました。

この会社の採用面接を受けた理由は、本が好きだから。この会社に入社した理由は、内定をもらえた唯一の会社だったから。

これといった強い意志がないまま、新卒で入社する会社を決めました。

就職活動でいわゆる自己分析らしきことはしました。でも、こうなりたい、みたいな目標は見つかりませんでした。みんなが言う自己分析が僕にはよくわからなかったです。

もしかしたら本当はなりたい姿があったのかもしれません。ただ、本当になりたい姿を見つける労力を割くほど、エネルギーが湧き出てきませんでした。自分のことなのに。半分、人生を諦めていたのかもしれません。

でも面接では、あれこれ聞かれます。だからそれなりの志望動機などを考え、そして語り、面接をこなしていきました。そして唯一内定をもらった会社が、新卒で入社した大手出版専門商社。

入社して配属など聞かれても、正直どこでもよかったです。そしたら北海道に配属されました。一人暮らししたかったし、転勤ならとことん遠くまで行きたかったので、ラッキーでした。社会人なりたての頃はこういう考えです。学生気分が抜けてなかったと思います。

仕事で小樽に週2で行くことが楽しみでした。嬉しくて友達に自慢していた気がします。

この時期の僕は、先輩と一緒に仕事の愚痴を酒のつまみにしていました。金曜日が待ち遠しかったです。ジャンケンで負けたやつが隣の席の女の子をナンパしてこい、という社会人らしいこともやりました。なんだかんだ楽しんでいた自分がいたと思います。

社会人1年目が終わる頃、仕事が急に忙しくなりました。業務内容が突然変わったんです。

早く帰りたい、その一心で仕事していたのに帰れないという現実。仕事から逃げる理由を探しました。そして実際に逃げました。上司には

「何かできるようになっていないし、コロコロやること変わって何かのプロになれる気がしない」

と伝えました。それなりに筋の通った辞め方をした、と当時の自分は思い込んでいましたが、結局やりたくない仕事から逃げたかっただけだと、振り返ってみれば思います。

在籍は約1年半。今振り返ると、よくしてくれた北海道支店のみんなには、本当に申し訳なかったです。でもきっと当時は申し訳ない、とか思っていないはずです。思っていたとしても表面的なはずです。

いまどき風の会社に入り、「周りと違ってかっこいいだろ」という自意識を持っていた医療系ITベンチャー時代

出版専門商社を「何かのプロになれる気がしない」と言って辞めたので、何かのプロになろうと考えました。

正直に言うと、「言葉で誰かを救える人」になりたかったです。多分それって編集者、とか、記者、とかの職種になると思います。僕の今までの経験から、本は人を救うことができる、と信じているので、多分編集者になろうとするのが良かった気がします。でも、できないって思っちゃったんでしょうね。挑戦しませんでした。

そこで選んだのがエンジニアです。当時はいろいろ筋の通った理由を考えてたけど、結局流行っていたから選びました、昔の自分はきっと。YouTubeの広告がプログラミングスクールだらけだったので、しょうがないです。いや、しょうがなくないけど。

そして、創業してから5年目の医療系ITベンチャーにエンジニアとして入社しました。

エンジニアになろうとしたのは良いものの、「ITでこんな課題を解決したい!」みたいなのがなくて困っていました。自分の過去の経験からこんな意志持っていそうだな、と一貫性を持たせた理由を考えるのは相変わらず得意だったので、その得意技を発動。医療系ITベンチャーへ入社しました。

日常のやりとりはSlackで、予定管理やドキュメント管理はGoogle Workspaceで、とITツールを使いこなす、いかにもいまどきなベンチャー企業。僕の周りは大手企業に勤めている人ばかりで、その中でITベンチャーに勤めているのは異質で、よくわかんないけどちょっと誇りを持っていたと思います。

大企業みたいに上から言われたことばかりじゃなくて「医療費の高騰」という社会の課題に向き合って仕事してるぜ!みたいな。

で、この頃の自分は仕事をどう捉えていたのか、というと、あまり覚えていないです。

仮説としては、医療系ITベンチャーに入ったことで満足だったのかな。こういうことに取り組んでいます、っていうだけで実態は伴っていませんでした。

ここから考えるに、仕事を自分の飾りだと、心のどこかで認識していたと思います。

もしかしたらある意味あっているかもしれません。仕事をしている自分も自分の一部だし。でも自分の場合は上っ面だけの仕事でした。

「医療費の高騰」という社会の課題に向き合って仕事している自分格好良いだろ!!!みたいな痛いやつです。そんな痛いやつの文章をここまで読んでくれてありがとうございます。まだもう少し続きます。

ただ、上司から階級あげる、と言われるくらいには頑張ってました。これを聞いたときは嬉しかったし、もっと頑張ろうと思えたのですが、実際蓋を開けてみれば、階級はそのまま。期待を反故にされたのが嫌でした。そしてまたしても辞める理由を外部に見つけてしまったのです。

元々不満もありました。エンジニアとして育つ環境ではなかったです。このままじゃ何かのプロになる、という目標が達成できません。

そして当時運の良いことに、エンジニアが今よりもたくさんいる会社からお声がけいただきました。技術系の記事をブログに書いていたおかげです。外部へアウトプットしておいて良かったです。学んだことは積極的に外部に公開していきましょう。ここまできてようやくアドバイスらしいアドバイスができました。

そして転職。3社目へ。医療系ITベンチャーの在籍は約1年。

仕事に対する意識・価値観が大きく変わった現職

成長したい、もっと学びたい、と思って入った今の会社。で最初の三ヶ月は本当に天国みたいでした。

社内でもトップクラスの技術力を持ったエンジニアがつきっきり(リモートワークだけど)でプログラミングを教えてくれたし、成長を加速させる仕組みを作ってくれる人事がいたし。望んでいた環境でした。

で、その三ヶ月が終わり、晴れて開発部に配属されたのですが、ギャップがすごくて。

何かを学ぶ環境では一切なくなったし、みんな夜遅くまでめちゃくちゃ働くし。

僕の思い描いていたイメージは、周囲のエンジニアから技術を学んだり、新しい技術に挑戦しながら開発に取り組んだり(もちろん優秀なエンジニアにいつでも相談OK)、でした。

でも現実は、そんなことないです。

新しいことは学ばず開発を行ったり、読みづらいコードを追ってなんとか解読して1行修正したり、よくわからないバグの調査をしたり。

配属されてから、何かができるようになってる実感がなかった。

そんな僕とは反して、周囲の方々はほんとなんでもできるし、よく働くしで「すごい」と思ってました。

能力が天と地ほどの差があるのに、自分は何かができるようになってない。この遅いペースで成長して、自分は周囲にいつ追いつけるのだろうか、と不安になりました。で、成長できないことを、環境のせいにし始めたのです。

ある日、その日中に直さなきゃいけない開発中のバグが直せず、ちょっと投げやりになっていました。チームの誰もその原因を特定できず。でも自分が直すしかなく。時間はすでに夜の11時を回っていました。

もう一人じゃどうしようもできない、と思ってその時間まで残っていた、何でもできて「すごい」と思っていた人の一人に泣きつきました。

正直夜11時に誰かに泣き付かれると考えると、自分だったらうんざりしちゃうかも。その人は違います。自分の仕事の手を止めて調査に協力してくれました。そして結局深夜2時半まで一緒に調査。でもその日は解決できず次の日に持ち越しになった。

次の日、申し訳ないと思いながら睡眠をそこそこに朝はやく出社したら、その人はもう出社していたのです。そして何事もなかったかのように他のMTGに出ていました。

そのとき、自分の思っていた「すごい」が違うような気がしてきたんです。

それまでは能力がある、仕事ができる、できることが多い、どんな問題でも一瞬で解決できる、だから「すごい」だった。僕が目指していた何かのプロのことですね。

でもその日僕が抱えていた問題は解決できていないし、まだ調査は続けなきゃいけませんでした。ただ、その人に対しての「すごい」という感情は変わりません。

と考えると、どんなことでも本気で自分ごととして捉えるから「すごい」なんじゃないか。誰かの何かの役に立つために行動するから「すごい」なんじゃないか。って思いました。もちろん能力があるという前提です。

同じ時期に『夢をかなえるゾウ』を読みました。ざっくりまとめると、人生は喜ばせ合戦なんだと。まずは人に喜んでもらうための行動を取ること。そうしたらきっと後から良いことがやってくる。そんな内容だったと思います。

きっとこの頃から、

仕事は「誰かを幸せにするための行為」

と考え始めています。

それまでは、自分がどう成長するか、にしか焦点が当たってなかったです。それでも全然成長できた実感がありませんでした。でも仕事を「誰かを幸せにするための行為」と捉えてからは、自分の行動が変わりました。自分から面倒くさそうな資料の翻訳作業やったり、困ってそうな人に夜9時でも自分から話しかけにいったり。

そしたら、良いことがちょっとずつ増えてきました。

自分の知識が増えました。できることが増えました。望んでいた成長です。
上司からは「エッジの効いたこと言ってくれて、チームを活性化してくれる」と言っていただきました。ちょっぴり恥ずかしく、とっても嬉しかったです。
お給料が上がりました。これがいわゆる棚ぼたというやつです。

仕事の捉え方が変わってから、良いことがあったし、成長もちょっぴりできました。でもやっぱり今の会社の周りの人たちは自分よりもっと「すごい」です。みんな誰かを本気で喜ばせるために働いています。追いつける気が全くしません。

でも諦めずに僕は僕なりにちょっとずつできることを増やしていこうと思います。僕は人よりものを覚えるペースが遅いし、結構考え込んじゃいます。でも、できることが増えれば、きっと誰かを喜ばせることができるはずです。だから遅くても、歩みは止めません。

仕事が「誰かを幸せにするための行為」ってもっと早くに気づけたら、きっと今頃はよりたくさんの人を喜ばせられたんじゃないかって、ちょっと悔やんでいます。

だから同じ後悔をしてほしくない、と思いを込めて書きました。

これを読んだ、誰か一人でも、明日からの行動に良い変化があると良いなって思って書きました。

多分変わることって大変です。そのままでいる方が楽です。

でも良い方に変わるんだったら、変わった方が良いと思います。

ゆっくりで良いから、これを読んだあなたが、他の誰かを喜ばせる人に変わっていけたら良いな、って密かに願っています。

僕もまだまだこれからなので、一緒に頑張っていきたいです。

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