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　ここ最近のSNSでは、LGBTについて話題になる時、大体が政治的な話題で特に「賛否を問うもの」や「分断が深まるもの」が目立つ。（同性婚法制化の賛否や政治家の発言に対する支持・不支持、同性間での性加害問題やトランスジェンダーの権利関係など）

　また政治的なニュースだけでなく、一部の当事者の言動が取り上げられることもあり、それもまぁまぁ波風が立つようなことばかりで、日々穏やかでない。

　つい最近でも深夜の街で裸を露出しているゲイ男性が逮捕された件についてSNSでは炎上が引き起こされ、「これだからホモは」「ホモやばすぎ」「LGBTは世に出しちゃダメ、こんなのに権利とか与えちゃダメ」的な論調も見られた。

　悪いのは露出であってゲイであることじゃねぇだろとは思ったけど、犯罪者が同性愛者であることを煽った方が特殊性があってインプレッション（注目度）が高まるというインセンティブが働くので、SNSにおいてそれはキャッチーに利用されるのだ。（もちろんあたいが出版や作家デビューできたのもLGBTの特殊性が良くも悪くも大いに関わっているだろう）

　こういったことで特殊に取り沙汰されることが多い世の中なので、当事者においても「LGBTの政治的な話題は見たくない」「目立つ当事者（活動家）や、悪目立ちする奴（モラル的に危ういことをする人）ばかりでない。一緒だと思われたくない」「注目されずにひっそりと過ごしたい」と考える人も多い。

　というかむしろそう言い表す当事者が増えてきたようにも感じる。だってそうでも言ってキチンとマジョリティ（多数派）への迎合の表明と自浄作用的非難をしておかないと、“同じLGBT”として一部とその個人を同様の存在だと単純視して受け取る人もいるからだ。だからそうやって表明することがある種の処世術となり、自分の身を守る手段になるのは致し方がない。

　ここら辺のムーブメントは分断というより「どこにでもダメな奴も変な奴もいるよな」ってことと、「ただLGBTと一括りに言っても当事者間の意識や立場は違うよね」という単純な話だし、それを理解していない人間の十把一絡げな批判や差別に応対するための抵抗だと思っている。

　だけど一歩引いてみると「それぞれが違うのに、それでもセクシャルマイノリティの連帯や、当事者が集まる場所があるのは何故か」という内容を考えることにも繋がると思う。

　まず当たり前だけれど、属性一つでまとめてもそこに属する個々人が別の属性や主義思想を持っているってのは前提ではある。簡単に言うといろんな奴がいる。それでも一つの属性によっての集い（連帯）があるのは、背負うマイノリティ性を考えたら流れが少しづつ理解できると思う。

　要するに、“普通“として生きてたら出会いも少ないから労力をかけて集うし、存在を顕在化（カミングアウトなど）できない社会では共通する課題もあるから、ちょっと立場や背負うものが違ってもとりあえず数が必要で連帯することもあったのだろう。そういう流れでできたのがLGBTって感じなんだろうなと、あたいはそういう風に受け取ってる。

　社会を変えるには有能な一人の声かけより、多数で訴えかける方が成功率も上がる。だからとりあえず“LGBTQなどなど“って感じで集まり続けるんだろう、今も昔も。だからLGBTと一口に言っても、背負ってる問題や当事者性が違うって声も分かるし、だけど共通点もあるし連帯しようって声の背景も分かる。

　まぁとにかく伝えたいのは、あたいの周りのLGBT当事者でも様々な人間がいるし、主義思想が違っても一緒に酒を飲んで楽しめる仲もあれば、考えが似通っていても別につるんだりしない存在もいる。人間関係はシンプルな入り口で繋がってても、中で複雑に絡み合うものなので、周りから簡単に納得できるものじゃない。他人に納得できるよう説明できるものでもないし、させる義務も無い。それは多分セクシャルに関係無く、誰だってそう。どこであってもそう。みんなそう。

　唯一言えるとしたら「人は誰だって誰かとつるめば安心するし、社会で不安を抱えやすい属性ほど、重なる部分を見出してちょっと違っても連帯しやすいこともある」ということだ。ひとりぼっちこそ、ひとりぼっち達で集まる場所や仲間意識だって生まれたり、生まれなかったりするものじゃん？

　だけど、何も知らない人から見れば同じマイノリティの人だし、何も知ろうとしない人から見れば、全員が連帯責任で嫌悪や非難を引き受けるべき存在にもなってしまうのだと思う。

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　最近、トランスジェンダーの友達がやってるミックスバーに訪れた時、その友人が「そういや店アカ（店舗アカウント）以外のツイッター消したんよ。だからこれからはインスタでDMしていい？」と話してきた。