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公開前のIMDb☆9.8という期待に「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」は応えられるのか?

 映画を観るとなるとチケット代の他に二時間強の時間。ドラマシリーズにいたっては膨大な時間を費やすわけである。それだけ時間を費やし至高の時を与えてくれる作品も多いのだが、たまに「この時間を返しくれ!」と叫びたくなる程、がっかりさせられる事もある(どんな作品でも観て無駄な作品は一つも無いと日頃から思ってるわけですが、ここでは言わせて下さい(^ ^;)ゞ )しかも今や自宅にいながら数万本の作品の中から選べる時代だ。
 そんな時、私が参考にしてるのがIMDb。そうInternet Movie Databaseである。

 IMDbと双璧をなす価値基準に批評家たちの評価を参考にしたRotten Tomatoesがある。Rotten Tomatoesは400人ほどの批評家が登録していて、その批評家たちのレビューの何%が好意的評価だったかで表示される。(最近はオーディエンススコアも併記するようになった)それに対してIMDbは、宝玉入り混じった数千人から数十万人以上の一般視聴者が10段階評価の☆を付け、その平均が評価となる。1990年に設立されて1998年にAmazonの買収されているが、今のところはAmazon studio作品が優遇されているといったことはなさそうだ。
 自分はよく、既知の作品の評価が何点なのか気になって照らし合わせながら見ているが、IMDbの評価は自分の評価と著しく外れることはないという事からも信用している。映画に関しては8.0以上だと期待しても大丈夫だろう。(ドラマやアニメは、アンチがあまり見ないために実写映画よりも得点が高くなる傾向がある)そして、そのIMDb☆9.0という数字は劇場映画にとって大きな壁なのである。
 とりあえず、私が知るところだと今の段階の9.0以上は、ショーシャンクの空にの9.3、ゴットファーザーの9.2、そして9.0がゴットファーザーPartⅡとダークナイトの二作。それのみである。(これも日々刻々と移り変わっていく)数々の名作は8点台にひしめき合っている。
 そんな中、ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドの☆9.8である。

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 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド。タイトルだけで22文字。小学生の読書感想文ならこぞって題材に選ぶタイトルだ。ワンハリとか略されてしまうのだろうか?
 クエンティン・タランティーノ監督でレオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットが主演というだけで期待値が高い上に、第72回カンヌ国際映画祭に完成直後に駆け込みエントリーし、上映後には6分間続いたというスタンディングオベーションを受け話題をさらっていった。しかも上映前にタランティーノ自ら「観客のためにどうか映画のストーリーを明かさないでほしい」と告げて上映が始まっただけに詳細は謎に包まれたままだ。

 1969年の女優シャロン・テート(マーゴット・ロビー)をカルト集団マンソン・ファミリーが殺害するという事件と、ハリウッドで成り上がろうとするTV俳優リック(ディカプリオ)とそのスタントマン、クリフ(ブラピ)のドラマが絡み合いながら進んでいくという、タランティーノお得意のマルチタスクストーリーらしい。
 タランティーノ曰く、今までの8作を全て詰め込んだような作品と言っているらしい。

 IMDb☆9.8という数字。5,000人近くの人が投票してるわけだが、そのすべての人がカンヌでこの映画を観たとも思えない。ただ、観た人のほとんどは☆10を付けているのは確かだ。それに反発して☆1を付けている人によって0.2点マイナスされている。

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 アメリカでは7月末公開。日本では8月末公開である。これだけ期待値が高いと観客のハードルもかなり高くなってくる。タランティーノはそれを軽々と飛び越えてくるのだろうか?

 ちなみに25年前にパルプ・フィクションでパルム・ドール賞を受賞したタランティーノだが、今回受賞したのはパルム・ドック賞(映画祭参加作品の中で一番優秀な演技をした犬に与えられる賞)が、ブラピ演じるクリスの飼っているピットブルテリアの”ブランディ”が受賞している。タランティーノ的には一番シャレの効いた賞かもしれない。

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