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食事に集中しない子ども・ご飯食べない子【後編】

上記の記事の続編です。

食事前にお腹が空いていない原因を知る

そもそも、集中せずに立ち歩くということは、その子どもは食べることに対する意欲が薄いと考えるのが自然です。お腹が空いて本当に食べたい!と思えば、子どもは脇目も振らずに食べます。単純に言えば、食事前にお腹が空いた状態になっていないということです。その原因はいくつか考えられます。
・外遊びなど運動が十分にできているか
・睡眠が十分に取れているか(早寝早起き:食べない子は朝遅い子が多)
・食事の時間は規則正しいか
・食事前におやつや甘い飲み物などを取っていないか

いずれも基本的なことですが、当てはまるものがあれば、そこをまず改善しましょう。

子供の足がつく状態を作る

次に、食事をする環境ですが、食卓と椅子の高さのバランスを見直してみましょう。まず、子どもの足がしっかりと床や椅子の足置きに届いているかどうか、確認します。年齢の子どもに合ったテーブルと椅子で食事をさせるのが難しく、それが遊び食べの原因となることがあります。

年齢に合わせて高さが調整できる椅子もありますし、足がつく状態を作りましょう。足がブラブラしていると落ち着かないので集中しにくく、床に降りたくなったり遊び始めたりする原因になり、噛む力が弱くなりますから、顎の発達や歯並びにも影響があります。

本物を使うことで、集中力が磨かれる

次に食器です。食べやすく、かつ、食事を楽しめる食器がどのようなものかわかりませんが、もしも軽いプラスチック製やメラミン素材でキャラクターのついているものであれば、それが集中しない原因になっている可能性もあります。

ガラスや陶器といった本物を使うことで、子どもは真剣に集中してそれらを扱おうとするようになります。これは、食器も同様で、ままごと道具とあまり変わらないようなものは、大切に思えませんし、何より乱雑に扱っても、音がしたり壊れたりしないので、子どもは当然そのように扱います。

本物は丁寧に真剣に扱わないと、不作法な音をたてたり、割れてしまって悲しい想いをするので、子どもは集中します。キャラクターの食器は、食べるきっかけになるかもしれませんが、遊びと直結しているので、遊びたくなったり、注意が逸れたりすることもあります。シンプルで少し重みのある食器に変えることをお勧めします。

自分でよそっておかわり自由

食事そのものについては、まず分量が重要です。親は子どもにたくさん食べてほしいという願望があるため、ついつい適量よりも多めに盛りがちですが、それがかえって食欲を減退させてしまうことも多いです。3歳以上のお子さんであれば、自分でよそっておかわり自由という方法が良いです。多くの家庭で、ごはんは電気釜からお母様が子どもの茶碗によそったものを出しているはずです。電気釜で火傷をしてはいけないので、子どもの手の届かない場所に置くのは当然ですが、なんでも自分でやらせる事が大切です。大きめの器やボウルなどにいったんご飯を盛り、しゃもじを添えて食卓に出して下さい。

大人が最初にやってみせればそれが提示になりますし、自分で食べられる量に責任を持つことも伝えます。しゃもじですくい茶碗に入れるときには、しっかりと手首を返さないといけませんから、とても良い手首の運動になり、鉛筆を持つ練習にもつながります。

おかずは、各自のお皿につけておいても構いませんが、ごく少量にしておき、余ったものは種類ごとに別のお皿に盛り、おかわり自由にしておく。おかずが固形のものであれば、トングなどを添えておくと、お箸の練習にもなります。

食事は命をいただくこと

お子さんは好き嫌いがないのは、素晴らしいことですが、好き嫌いに悩んでいるという方は多いです。

飽食の時代となり、私も含めて、現在子育て中の世代は贅沢をして育った人が多くおいしくないから、もう食べられないからと言って食べ物を残すのが私たち子育て世代に多いのです。

親が平気で食べ物を粗末に扱っていたら、当然子どもも同じことをしますので、それだけは特に気を付ける必要があります。息子にも、人間は他の生き物の命をいただいて生きているということは伝えています。

食に関わらせること

お勧めしたいのは、食に関わらせることです。子どもが自分で作ったり、切ったりしたものは、食べるようになることが、よく報告されています。玉ねぎの皮を剥く、レタスをちぎる、ゆでたまごの殻を剥く、といったことは1歳児からできます。早い時期から食に関わらせてあげて、できる作業をだんだん増やしておくことが大切です。

4歳くらいになると、配膳や簡単なお手伝いでは、心が満足しないです。昨夜は我が家では、中華ナイトをしたのですが、先日行った中華店で息子が麻婆豆腐をはじめて食べとても気に入ったようで、麻婆豆腐を食べたい!と言うので、麻婆豆腐の具材をスーパーに買いに行き、麻婆豆腐を息子に作ってもらいました。

また、食材になる植物を育てることも有効家庭菜園はもちろん、庭がなくともプランターでミニトマト、バケツで稲を育てること。田植え、稲刈り、地引網を引く、自分で釣った魚を食べる、こういった経験はお金を払ってでもさせてあげたいです。親が、口で、命をいただくことを子供に説明するよりも、ずっと子どもに伝わりやすいです。

特に難しいことをさせる必要はなく、知らず知らずのうちに大人がしてしまっているような、手と五感を十分に使う日々の生活を、子ども自身が自分できるようにしてあげることです。そうすれば、子ども自身が食事のときにはどうふるまえば良いのか、自ら考えて行動できるようになります。親が食事のときにあれこれ言わなくても済むようになり、お腹も心も満足した状態で、親子が笑顔で食事を終えることができます。

1日3回、365日繰り返される食事の時間を、楽しんで行きましょう!


読んでくれてありがとうございます! 頑張っているチームのみんなに夜食をご馳走しようと思います。