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三歳神話はもう古い!愛情のシャワーは、必ずしも母親からの母性愛である必要はない

子どもに習い事をさせている家庭の調査データを見てみると、最も多いのが3歳からスタートしたと言われています。3歳から習い事を始める子どもは20%程度いるとされていますが、その前0歳から2歳の間にスタートしている子供も3割を超えます。合わせれば5割の子ども達が3歳までに習い事をスタートしているということです。

その中でも3歳に始める子どもが最も多いとされており、3歳に特別な意味を感じている親御さんが多いという事がわかります。

幼稚園など集団生活をスタートさせる前に、少しでも子どもや先生同士の触れ合いに慣らしておきたいなどの理由で始めさせる家庭もあるでしょう。しかし、多くの親御さんの中は、三歳神話を気にし、3歳までにとにかく何か習わせなければ!と、意味のない神話を信じているようです。

今でもよく耳にする三歳神話の正体とは?

三歳神話とは母親が主体となった育児を推奨する育児方法です。三歳神話は、もとは三歳児神話と呼ばれていました。これは、イギリスのとある精神医学者が「3歳ころまでは母親が育児に専念した方が、幼児の心身の発達のためによい」という報告書を発表したことに端を発すると言われています。

実はこの報告書は、今から70年近く昔の1951年のことです。しかも、イギリスの精神医学者は「養護施設で両親の愛情を受けることなく育っている乳幼児の発達が遅れがちなことの理由」を研究しており、その結果「母性的な養育の欠如」という結論を得たと言われています。

その結果、まだ父親が働き母親は専業主婦というスタイルが一般的だった日本にもすんなりと取り入れられ「子どもは3歳までは母親が育児に専念した方が良い」という意味の分からない考え方が定着することにつながったと考えられています。

70年も昔の養護施設は、今のホスピタリティーとは比べものにならなかったことが容易に想像できますよね。また社会も大きく変化し、日本では女性が結婚後や出産後も仕事を続けることがごく当たり前になっています。

また三歳児神話は、子どもの成長において、特に脳の発達において3歳までの時期が非常に大切であるという説も含んでいます。

確かに3歳までの子どもは、その時期に視覚や聴覚など5感を著しく発達させ、言語によるコミュニケーションや、立って歩く、走るといった身体の動かし方を学びます。その点で、成長における非常に重要な時期であるという説は間違ってはいません

しかし「3歳までの発達は非常に重要である」という説が、「3歳までにあらゆる可能性の芽を育んでおかなければ、将来身につかない」といった、行き過ぎた考え方に発展し、広まってしまっているという現状です。

結論から言えば、三歳児神話、三歳神話はもう古い考え方と言わざるを得ません。働くママの子どももスクスク育ちます!アメリカでは、実際に1万人以上の子どもを対象に調査をした結果「2歳以前に母親が職場復帰し、保育園などでの養育を余儀なくされた場合でも、5歳時点の発達において関連は認められなかった」というデータが発表されています。

つまり、母親が働き、そのために3歳までの子どものお世話を保育園などにゆだねたとしても、そのことが子どもの発達に悪影響を与えるとは限らない、ということです。

必ずしも母親からの母性愛である必要はない

確かに3歳までの子どもには、周囲からの愛情のシャワーが必要不可欠です。大昔の調査では「母親にもともと備わっている母性愛」が必要だと言われていたそうですが、今ではその考え方も古いとされています。

母親にはもともと母性愛が備わっていると言われてきましたが、それは女性が「産む性として出産・授乳能力を備えていること」が、そのまま「我が子を無条件に愛し、我が子のためにすべてを犠牲にして育児すること」にすり替えられてしまっているのではないかと思います。

母親であるまえに、女性は個性を持った一人の「人間」です。強いバイタリティをもって仕事に専念したいと考えたり、子どもには働く自分の姿を見せたいと考えたりする女性もたくさん存在することは当然です。

男性は育児に関係なく仕事を継続することが普通で、女性は赤ちゃんへの愛情のために仕事をある程度犠牲にするのは当たり前という考え方自体がもはや神話レベルだと個人的には思っています。

母親だけでなく周囲の人々みんなで育児をする

女性によっては、仕事に復帰したいのにできないイライラを育児シーンにぶつけてしまうこともあると思いますし、経済面で仕事を始めたいのに許されない焦りで、育児に愛情を感じられないこともあると思います。

しかしそれをすると、お母さんにとっても赤ちゃんにとっても家庭が、愛にあふれた安全で平和な場所ではなくなってしまいます。

子ども達に必要なのは、間違いなく愛情のシャワーですが、それは必ずしも母親からの母性愛だけである必要はないのです。父親だって、子供の親です。父親だけではなく、祖父母や親族、地域の人々、先生など、周囲の人々から愛情をたっぷり受ければ子どもの心を育む愛情は問題なく育つと思います。




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