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短夜

逢いたいと願う時
夜は私の背中を押し
私は夜に注ぐのです

炭酸を抜くように
氷に当てて注いでく
忘れた素振りをして
ウイスキーを注ぐのです

陽炎がグラスに浮かび
世界が渦巻く
氷も水も全てがぼやけて
グラスに雫を創るのです

そうして
私の顔にも創るのです

今日も私は
空っぽの何かを埋める為
失った何かを代わりにして
静かに煽るのです。

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