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【短歌エッセイ】春はカーブを打つように

カーブボールを打つ時に
気をつけるように春には浮き足立たずに

みなさんはカーブって見たことあります?
一般的にカーブは、斜め下に曲がりながら落ちる軌道を描く変化球を指す。

でも、本当にすごいカーブって、投げた瞬間、浮き上がってくるんです。まるですっぽ抜けたかのように。

すると構えている私は文字通り、浮き足立ってしまうんです。足が浮くと、視線が動く。

人間は動いているものを捉える際、自分が静止していた方が、動いている時より圧倒的に物体を捉えやすくなるんだそうで。

春。

バタバタして忙しなく、浮き足立ってしまう度、私はあのカーブを思い出す。

つんのめって、頭にボールが当たるんじゃないか、これは暴投だ!と思ってしゃがんで避けたら、するりと動いてストライクゾーンに収まる、あのカーブを。

あの驚きと一抹の恥ずかしさを。

春。

私は今も姿勢を崩しているけれど、あの頃よりはカーブを捉えられるようになっているだろうか。

【あとがき】
短歌エッセイ、お試しで作ってみました。
個人的に短歌の説明は書きたくない、短歌は短歌のままで、あとは読む人が煮るなり焼くなりして欲しいと思うタイプなので、細かい説明はつけたくないんです。けど、たまにはいいかなと。
あまり短歌の内容を制限させない、読む人の遊びを邪魔しないように、短めに仕上げてみましたのでお口(耳?目?)に合いますと幸いです。
にしても春はもう賞味期限ギリギリじゃない?と思ったあなた。私もそう思います。

晩春ってことで許して。

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