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"To Sleep with Anger" 招かざる客は家族の不和を増幅する<★3.7/5、2022年9本目>

<映画情報>
"To Sleep with Anger" 『トゥー・スリープ・ウィズ・アンガー』 1990年
監督: チャールズ・バーネット

<1文内容紹介>
招き入れた客は、見て見ぬ振りをしてきた家庭の不和を増幅させ、招かざる客となる

<ネタバレ感想>


二日連続の更新になるが、日本で公開されていない映画を観る機会があったので、記録を残しておきたいと思う。

ギデオンは2人の息子を育て上げ、今は妻スージーと暮らしている。もう何年も会っていなかった古くからの友人、ハリーがある日突然やってきた。これが波乱の幕開けになるとも知らずに、二人は好きなだけ泊まるようにハリーに告げる。

初めは遠慮がちな態度を見せるハリーだったが、他の友人を呼んでパーティーを開くなど身勝手な行動が増えていく。さらに兄ジュニアと弟サミュエルのすれ違いを認めるや、サミュエルに悪い遊びを教えて妻リンダとの関係を悪化させる。

ハリーとその仲間にすっかり影響されたサミュエルは、遂に病に臥せったギデオンを置いて街を出て行こうとする。そんな弟に怒りを爆発させるジュニア。ハリーに渡されたナイフをもつサミュエルはジュニアに歯向かう。必死にサミュエルを抑えるジュニア。そこに入ってきたスージーはナイフの刃を掴んだ。二人はそんなスージーを見て我にかえり、一緒に病院へと向かう。

翌日、何事もなかったかのように振る舞うハリー。しかしサミュエルの息子サニーが床に散らかしたビー玉に足を滑らせ、弾みに心臓発作を起こして帰らぬ人となる。

その日の午後、ギデオンは数週間振りに起き上がれるようになり、家族の支柱として復帰する。サミュエルはリンダに謝り、兄弟仲、家族の絆がより強固になる。まさに雨降って地固まる結果となった。

初めは家族の映画かと思いきや、ハリーが登場して不穏な空気が漂う。快活で親切そうなのに本心が見えないハリー。しかし彼が不和をもたらしたのではなく、彼は不満の「触媒」に過ぎない。

ハリーによって不和が表面化したことによって、家族は感情をぶつけ合い、それが幸運にも結束をより一層強めた。家族の、特にスージーの愛がハリーに打ち勝ったのだ。

90年代ごろのLAなのだろうか、まだ民間療法を行なっていたり、当時の生活を知らない私には興味深いシーンがたくさんあった。

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