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キャラクターを変えてみると

 先日、自分らしくないことをした。背景から述べてみる。

 以前から旅先でトレーニングをしている外人をよくみていた。 朝に走っていたり、夜、ホテルのジムにいたりする。そんな人は大抵夕食時に赤ワインを1杯だけ飲む。僕の場合、おそらく身近な人もそうであると思うが、旅先では飲んで、食べて、翌日は二日酔いでたっぷり朝ご飯を食べて、昼頃本格始動する、といった真逆のスタイルである。旅行に行ってまで、なぜ運動しないといけないのか?とつくづく思っていた。
 
 いつだったか、ハワイのホテルでの結婚式に参加した際、バスルームに「当ホテルのランニングウエア、シューズのレンタルはニューバランスです」といった記載をみたことがある。荷物を減らすためのサービスであるだろうが、旅先でトレーニングをする人がいかに多いかを物語る。そこまでして、トレーニングをしたい人がいるのだ。文化の違いに衝撃を受けた。

 恥ずかしながら、一度やってみたい、実はそう思っていた。しかし、なかなか機会がない。仕事でもプライベートでも出先ではできるだけ荷物を減らしたい、誰しもがそう思うであろう。その壁を打ち破ってみる。大阪に家族で出かけた時、日帰りが十分可能ではあるが、たまには、ということで泊まる予定となった。最近気に入っているodloの上下、ミズノのシューズをバックに入れる。妻は声高に違和感を訴えた。 前日の夜は串カツ三昧、ビール、酎ハイとなり、ホテルに入るなり爆睡した。

 運命の朝、6時前に目が覚める。着替える、ホテルのカードをポケットに入れる。道頓堀川沿いにきた。いつも通りガーミンのスイッチを入れる。そう、いつも通りやれば良い。誰も僕が旅行者だなんて知らないし、ましてや小学校のマラソン大会で最下位だったことなんて知らない。走り出す、途中、上半身裸で走っているシックスパックの外人男性に微笑まれる。「同じ気持ち」を持っているよ、という意味で微笑み返す。ゲイでないことを祈った。川沿いを走る、商店街を走る、GPSは作動している。

 感想、臭い。とてつもなく臭い。全く走る環境ではない。町中がゴミだらけ、浮浪者に吐物をかけられそうにもなった。朝まで飲んでいた若者達が異臭を放ってたむろしている。20年くらい前は僕も同じようだったなと思いながら、見えていないふりをした。街は歩かないと分からないというが、早朝のランニングで強調される光景もある。もしかしたら、この習慣、続くかもしれない。次はリゾート地であればなお良いが、キャラクターを変えてみる心地よさは場所によらず実感できただろう。

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