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夏休みの自由研究に取り組んだ話

取り組みスタート

 例年夏休みの自由研究に取り組んでいる。昨年は「くわがたの研究」で科学的構成について学ばせて、その観察により夜行性であることを導き出した。次は夜行性であることをもとにさらに発展させた内容が理想である。夜にまた近所の神社にいってみる。何故か、木にカタツムリが大量にいる。蛇もいて嫌になったところで、たまたま遥か頭上に何かとんできた。カブトムシだ。虫取り網をもった長男を肩車して捕らえようとするが、届かない。止むを得ない。長男を妻に変更して、もう一度網をふる。何とか虫に網が当たって下に落ちた。妻も落としそうになったが、何とか堪える。長男が落ちた虫を走って取りに行く、次男がカゴを開ける(虫を触ることはできない)。4人の連携で捕らえた、立派なオスのカブトムシである。帰りにホームセンターによってゼリーなどを買い込む。
 

カブトムシを繁殖させる

 さて、これをどうするか?考えた末、今年は繁殖に挑戦してみることにした。メスが必要であるが、そう都合よく捕まえられない。オスを捕まえたからという大義名分を子供達に再三確認して、ホームセンターでメスを買ってきた。いつもは虫はおもちゃじゃないから簡単に買うのはよくないといい聞かせている。先日はデパートでヘラクレスオオカブトのつがいが1万円で売られていた。このいい聞かせがないと誕生日プレゼントに、などといいかねない。真偽は定かではないが、長男の友達は買ってもらっており、次男の友達も買ってもらう予定だという。うちは国産を繁殖させよう、と張り切ってつがいにした。ホームページなどで調べると、カブトムシは繁殖能力が高く、つがいにすると結構簡単に卵を産むらしい。1週間様子をみる。卵を産んでいる気配がない。夜に覗いても何故か虫かごの対角線上にオスメスが別々にゼリーを食べている。いわゆる草食系か?あるいはあまりタイプではないのか?夏休みも半分ほど終了し焦ってきたので、もう1匹メスを買ってきて入れる。やはり変わりがない。立派な角をもったオスだが、と考えるが、こればかりはどうしようもない。「あんまり仲良くないみたいやね」と子供達に説明し、飼育は継続するものの他のテーマを探すことにした。ゼリーだけが夏休みが終わった今も減り続けている。

次のテーマを考える

 植物、動物などの生物もののテーマでは残された3週間ほどの期間では限界がある。そう考えて機械ものを今回扱うことにした。観察から測定にシフトすることになる初めての試みだ。新しいものを買い与えるのではなくて、今のあるもので考える。ちょうど家には去年の誕生日に買ったミニ四駆のコースがある。30年ほど前の記憶であるが、モーターを変えると随分とスピードが違ったことを思い出した。同じ車、電池でモーターをデフォルトのものと別売りのハイパワーのものでコースを走らせてみる。タイムを測定すると明らかにハイパワーの方が速い。モーターの性能について何らかの測定、考察をしてみるのはどうか。

モーターの性能を測定する

 まず、前述のコースをそれぞれのモーターで3周走らせてタイムを測る。平均や検定という概念がまだないので、グラフにプロットさせて明らかにハイパワーの方が速いことを視覚的に訴える。次に、それぞれのモーターに30cmの糸を取り付けて重りを持ち上げる時間を測定する。電池とモーターをホームセンターで買ってきた電線で繋いだ。電線のビニール部をニッパーで履いで銅線を出す。昔、初めて1人暮らしをした時にテレビの接続が出来なくて、夜な夜な電線を剥いてどんどんコードが短くなっていったことを思い出す。今の子供たちがそんな経験をすることはもうないのかな、と考えながらビニールを履いでみせた。重りを持ち上げる時間をコース走行と同じように3回測定、重りを徐々に増やして同様の測定を行い、グラフに結果をプロットさせた。

1番大切な考察

 さて、肝心の考察である。モーターの違いによって、軽い重りの時は持ち上げる時間はあまり変わらないが、重たくなってくると時間の差が出てきて、さらに重たくなるとデフォルトのモーターでは持ち上げられなくなる。その結果の解釈を示して考えさせた。結果が何を意味するかがピンときていない。「モーターに大きな力がいる時はどんな時?」とヒントを出す。「車が重たい時とか、坂道を登る時」と答える。じゃあ、その時にはモーターのパワーの差が出やすいんやね、と理解させて考察とした。
 

仕上げと来年に向けて

 紙にまとめる。何故かタイトルは「ミニ四駆を速く走らせよう」というものを自分で考えていたようだ。背景として、普段遊んでいるミニ四駆を速く走らせたい、どうしたら良いか?という問題提起をしている。方法はモーターを変えることでの実際の走行タイム測定、モーターのパワー測定を行なった、というもの。結果、上述のように負荷が大きい時には差が出やすいという傾向が分かった。その結果について考察を展開する。そして背景での問題提起について今回の実験から導き出した回答を提示する。内容、分量共に2年生としてはまずまずであろう。しかし、どの家庭もおそらくそうであるが、ほぼほぼ親の仕事となっている。来年は次男が1年生でそちらに手がかかるので、ヒントは出すが、骨組みは考えなさいよ、と長男本人に確認、念押ししてこの夏を締めくくった。

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