光太郎と青一（せいいち）の前に現れた、新たな暗号。

阿刀田高
ヌルハチ
宇野宗佑
石川さゆり
東てる美
織田信長
伊藤博文
伊奈かっぺい
荒木大輔
伊東四朗

「これ、全部人の名前……なのか？」
青一が困惑している。
「激しく違和感がある人名が一つあるけどな」
光太郎は言いながら、各人物を頭の中で分類していく。
歴史上の人物や政治家、文化人、タレント、スポーツの選手もいる。これはどういうことか。
「ヌルハチって何？」
青一がのんきに聞いてくるので、仕方なく光太郎は答える。
「清っていう国を作った人だよ。世界史で習っただろ」
しかし光太郎も、ヌルハチの時代はまだ清という国号ではなかった気もしていて、実はあまり自信がない。
「5番目の人、ひがしてるみ？」
「あずまてるみだ。女優さんだ」
こんな会話を交わしながらも光太郎は考える。たしかにヌルハチはこの中では違和感がある。
ヌルハチをこの中で、そしてこの順番で持ってこなければならない理由があるはずだ。
はたと、思い当たることがあった。
「青一、さっきの紙だ。おばあちゃんの最初の暗号。41とか数字が書いてあるやつ。あれを見せてくれ」
「あの暗号はもう解いたじゃねえかよ。それに数字ばっかりだろ、あの紙」
「いいから見せてくれ！」

（つづく）