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意外なところに猛禽類

私は都会の公園近くにあるマンションに住んでいる。
正月明けの薄暗い早朝、騒々しいカラスの鳴き声で目が覚めた。
またカラス同士のケンカか、うるさいなあと寝ぼけ眼をこすりながら、寝室の窓から空を見上げた。
マンションのアンテナに、明らかにハトでもカラスでもないものが留まっている。のび太並みの視力の私にも、いつもと違うことがわかる。

・・・猛禽類だ。慌てて眼鏡をかけ確認。
バードウォッチングであちこち郊外の公園に行っているが、憧れの猛禽類になかなか出会えないなあと思っていたところ。
まさかこんな市街地の、寝ていたベッドの真上に留まっているとは。
気づかれないようにそーっと、カメラを取りに行く。
そうか、さっきのカラスの騒ぎは、これを縄張りから追い出すためだったのかと思いながら。

冬の朝日に照らされるハイタカ(多分♀)

彼女はカラスの集団から隠れるように、寒さに身を縮めつつマンションの影にあるアンテナに止まって朝日を見ていた。そして、間もなく公園とは反対の市街地へ飛び去った。

人が作ったコンクリートジャングルは、彼らにとっては止まり木の一つに過ぎない。人が自然を壊していく中、彼らはうまく適応し、たくましく生きている。

一方で猛禽類を見つけると皆で、全力で縄張りから追い出そうとするカラスたち。彼らは本能的に行動しているだけなのだろうが、個々で勝てないならと集団で立ち向かう姿、その結束力にも感心する。