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忘却の力


外山滋比古氏の著書「こうやって、考える。」を読むと、忘却の意外な力に気づかされます。多くの人が忘れることをネガティブな現象と捉えがちですが、この本は我々に忘却が持つポジティブな側面を教えてくれます。忘れることによって、過去や他者に縛られず、自己を更新し、創造的に生きることができるのです。

確かに、すべてを忘れてしまうのはつらいことです。しかし、忘却には過去の束縛から自由になり、新たな自分を創造する力があります。変えることのできない過去や、他者の期待に振り回されるよりも、忘れて前に進むことが、時にはより良い選択となり得るのです。

忘却を通じて自己を更新することは、過去の失敗や後悔から学びつつも、それらに囚われずに現在を生きるということです。これは、過去を否定するのではなく、過去の経験を糧にしつつも、過去に囚われずに現在を最大限に生きるというバランスの取り方を示しています。

また、忘却は創造的な生き方を可能にします。過去の常識や制約に縛られずに新たなアイデアや表現を生み出す自由を与えてくれるのです。これは、アートや科学、ビジネスなどあらゆる分野で新しい創造を生み出す上で欠かせない要素です。

忘却の力を理解し、上手に活用することで、私たちは自己を更新し、より高い自由の感度で創造的に生きることが可能になります。外山氏の著書は、忘却がもたらすポジティブな可能性に光を当て、過去や他者に縛られずに前に進む勇気を与えてくれる一冊と言えるでしょう。

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