同じ会社じゃなくて良かった - 日記 231209
何も予定のない土曜日に、昼から店舗の閉店時間までシフトを入れた。
夜の最後の一枠、写真指名40分のお客様がスーツを着用されていたので「今日はお仕事でしたか?」と質問した。
「普段は土日休みなんだけど、今日はね」
「もしかして、バグ対応……?」
お客様がとても驚いた顔をなさっている。
「わたし、本業がそういう業界なんですよ」
わたしの本指名様の中には、わたしの本業と同じ業界業種で活躍している方が、結構いらっしゃる。
お店で同じ本業の子がいると聞いた経験は一度もなく、その業界業種の辛さを分かち合う需要は、わたしが独占できるといっても過言ではない。
「すっごくよく笑うよね?会社で言い寄られたりしないの?」
「会社では笑わないし、眼鏡かけてるし、全くないです!」
「この子のメンターだったら毎日ごはん奢っちゃうわ……」
同じ業界業種のお客さまと楽しい時間を過ごすたびに、このお客さまが同じ会社の先輩じゃなくてほんとうに良かった、と思う。
同じ会社の先輩だったら、この楽しい時間は存在していなかったか、何らかの規定に引っかかっていたかもしれない。
「また絶対に来るね」
「わたしがいつか転職したら、会っちゃうかもですけどね~!」
その日は不敵な笑みでキスをして、お客さまを見送った。
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