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ブレワイでMMO、それが8年越しの夢の正体だった ― PSO2:NGSのすゝめ

本記事の各種ゲーム内画像・映像は、明記がない限り『ファンタシースターオンライン2 ニュージェネシス』クローズドβテストにおいて、実機で撮影されたものです。開発中のため、正式版とは異なる内容であり、今後改良される可能性があります。
『ファンタシースターオンライン2 ニュージェネシス』公式サイト:https://new-gen.pso2.jp

『ファンタシースターオンライン2』(以下「PSO2」)が、セガの『ファンタシースター』シリーズの最新作、『ファンタシースターオンライン』の正当後継として鳴り物入りで登場したのも8年以上前。自分も当時ニコニコ生放送で沢山の生主達がオープンβに湧く中、PCスペックが足りなかった自分は指をくわえて見ていたのを覚えている。
アップデートによる阿鼻叫喚のHDD全削除、衝撃の小林幸子本人が登場するコラボコンサート、強力すぎる新クラス「ヒーロー」実装で盛り下がる界隈。βテスト開始から今まで、良くも悪くも話題には事欠かない作品であり、サービス開始以来、日本国内でのセガの稼ぎ頭を務め続けてきた。
そして、昨年夏、長年重ねたアップデートにより、様々な所に粗が目立ち始めていたこのタイミングで、PSO2は『新たな創世』を迎える事が発表された。

『ファンタシースターオンライン2 ニュージェネシス』だ。

追って公開された情報で、プレイヤー間に激震が走った。「今までのPSO2のクライアントにそのまま追加され、二つの作品を自由に行き来できる」、「今までのPSO2で使ってきたキャラクターをそのまま使う事ができる」。オンラインRPG界でも類を見ない形で公開される続編。しかし、それはとてもセガらしい破天荒さだった。

そして、その後何度かの情報公開を経て、第一回のクローズドβテストが行われた。無数の応募者から抽選された約1万人の参加者の中に入る事ができた幸運な一人として、このゲームを語らせてもらいたい。

βテスト当日にTwitterトレンド入り。やはりPSO2は話題には事欠かない。

簡単に『ファンタシースターオンライン2 ニュージェネシス』(以下「PSO2:NGS」または「NGS」)を説明するなら、『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』のオープンフィールドを取り入れたオンラインRPGだ。
各地にファストトラベル用の塔や、オープンフィールドから切り離されたチャレンジ要素が点在し、プレイヤーはグライダーや崖登りで自在にフィールドを駆け回る。それは確かに『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』(以下BotW)が定義したものだ。

任天堂Switchの20本の同時発売タイトルの一つとしてこれまた鳴り物入りでこの世に降り立った『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』が、アクションゲームにおけるオープンフィールドを定義したと言っても過言ではない事は、『幻神』『Immortals: Fenyx Rising』のような後追いのゲームが現れた事を見ても明らかだろう。
歴史的に、海外における『DOOM』、日本における『モンスターハンター』など、比較的真新しい要素を持ったゲームの人気に火が付き、その後「〇〇のパクり」と呼ばれるゲームが乱立する事は珍しくない。しかし、それはその要素が何らかの形で優れているという証明でもあり、その後のゲームデザインの一つの基準点になる事も珍しくない。

しかし、NGSはゼルダの伝説BotWでもガチャゲーの幻神でもない。ファンタシースターであり、PSO2であり、真っ向からオンラインRPGなのだ。
デジタルのRPGは歴史的に、広大な世界を舞台にした物が多く作られてきた。そしてオンラインの世界においても、MMORPG(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game:大規模多人数同時参加型オンラインRPG)の数々が人気を博してきた。

広大なフィールドに集まる大勢のプレイヤー。一人で戦っている所に突然現れて助けてくれる他のプレイヤー。ゲームを初めたプレイヤーはそういった光景に出会っていく。それがMMOの原体験だ。

元々ファンタシースターオンラインは、元々そういったMassiveな要素を持たないMORPGだったが、PSO2では大人数が集まれるロビーや、同じクエスト(インスタンス)にいるプレイヤーとランダムにマッチングする要素で、MMOに似た体験を作ろうとしてきた。
しかし、インスタンスをベースとしたシステムやエリアの仕様故に、最終的にはプレイヤー同士がパーティを組んでプレイするのとそう大差ないような、一本道のクエストが主体になってしまった。
NGSはそのMO要素をよりMMOに近づけた上、8年以上ものPSO2の歴史を元に再構成された濃厚なアクション要素がある

そう、アクション要素だ。普通、MMORPGは多数のプレイヤーが集まる性質上、負荷の制約上アクション性が控えめになりがちだ。『ファイナルファンタジーXIV』のようにボス戦に力の入った物も多いが、それでも「大縄跳び」などと形容されるような、スキルの管理やプレイヤーの移動のパターンを淡々とこなしていくようなものになる。

しかし、PSO2は『デビルメイクライ』な『ディアブロ』と説明できるように、根っからのアクションRPGだった。そしてもちろん、続編であるNGSではさらにそれがパワーアップしている。

最大4人のパーティを遥かに超える数のプレイヤーで寄ってたかって大ボスを叩く、「レイド」の本来の意味を表した光景。しかし、普通のMMOとは違って3Dアクション。旧PSO2は様々な制約によりPSOのインスタンスとMMORPGのフィールドを折衷しなければならなかったが、NGSにはそれがほとんどない。
人数制限こそあるが、限りなくMMOに近い。8年前のプレイヤーが、開発陣が夢見たゲームがここにある。
PSO2:NGSは、ハードウェア、ソフトウェア、そしてゼルダの伝説BotWによるゲームデザインの進化がもたらした、旧PSO2の開発期間を考えれば10年はくだらないであろう年月を越えた夢の結実であり、「真の冒険が今、始まる。」というキャッチコピーは、単なる売り文句ではないのだ。


今この記事を書いている時点で、第二回クローズドβテストの募集開始は既に間近に迫っている ― 第一回の熱狂も未だ冷めやらぬ、2月2日だ。

第一回は旧PSO2のプレイヤーに絞られた物だったが、第二回はプレイしたことのないユーザーも募集対象になる。セガは初見のプレイヤーの感想も求めている ― シリーズや旧PSO2でお馴染みの要素がどう目に映るのか、慣れたプレイヤーがつまづかない所でつまづいてしまうかもしれない。旧PSO2は「初心者バイバイ」と言われた要素が多々あっただけに、できるだけ多くのプレイヤーの意見を聞きたいようだ。

前に旧PSO2をプレイしていてやめた人も、ファンタシースターの事を何も知らなくても、ここで読んで興味を持った諸氏は、是非応募して、運良くば参加してもらいたい。

そして、本当にNGSが開発陣の夢見たPSO2であり続けられるかどうか、少しずつ迫るサービスインを待ちながら、静かに見守りたい。

それでは、この記事を読んだあなたと、生まれ変わったPSO2で共に戦える時が来ますように。

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