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自信をつけるには、美味しいおにぎりだと自覚すること。

「自分に自信がないんだよね……」

店員と客の話し声が混ざった騒がしい居酒屋で、そう言って落ち込む目の前の友人。

こういうときにかけられる「大丈夫だよ、自信を持って!」なんて言葉は、背中を押してもらえる時もあるが、「そんな簡単に持てたら苦労しないんだよ、バカヤロー!」と素直に受け止めることが難しい時もある。


多くの人が知っているように「自信」というものは凄まじい威力を持っている。


以前、AbemaTVの「チャンスの時間」で、お笑い芸人・千鳥の大悟さんが名言メーカーとして取り上げられていたのだが、

「仕事に安定感がないんです。(大悟さんは仕事に)自信持ってますか?」という°C-ute・岡井ちゃんの悩み相談に、彼は「ある」と即答し、「そんなに考えんでいいんじゃない?めちゃくちゃハッピーやろ、今」と続けていた。

悩むことなく秒で放たれたその言葉に思わず笑ってしまったのだが、こういう根拠のない自信を持った人の「周りを巻き込む力」と「人を魅了をする力」は圧倒的だ。

最初は「こいつバカだなあ…」と斜に構えている人さえも、いつの間にか虜にしていたりする。

自信を味方につけた人に、もはや勝てるものはない。

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誰しも「自分なら大丈夫かも」という根拠のない自信を最初は持ちあわせているのでは、というのが持論の1つとしてある。

その「かも」を確固たる自信に育てるには、まず自分の良いところを見つけ、それを磨いていくということ。なんてことは分かってはいるけれど、最初から自分の良いところを見つけるなんてのは至難の技だ。

特に心がヘルシーじゃない時は、普段から自分を俯瞰的に見ている人でさえ、悪い所は目についても良いところを見つけることは難しい。

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そんな時、私は中学生の時によく読んでいた「フルーツバスケット」という漫画を思い出す。

この漫画は、母親を亡くした主人公・透がテント生活を余儀なくされていたところ、「異性に抱きつかれると干支の動物に変身する」という特殊な体質の同級生・草摩家に居候するという面白設定なのだが、決してコメディというわけではない。

幸せとはいえない家庭環境で育ち、傷つき凍っていた草摩家の人々の心を、彼女の行動や言葉が少しずつ溶かしていく優しい物語だ。

2巻のあるお話で、「自分なんか」と自身を卑下する草摩夾に向かって彼女がポツリポツリ、と紡いだこの言葉が今も忘れられない。

例えば、人の素敵というものがおにぎりの梅干のようなものだとしたら、その梅干は背中についているのかもしれません。

世界中誰の背中にもいろいろな形、いろいろな色や味の梅干がついていて、でも、背中についているせいで、せっかくの梅干が見えないのかもしれません。

自分には何もないよう、真っ白なお米だけだようって、そんな事ないのに、背中にはちゃんと梅干がついているのに。

誰かを羨ましいと思うのは、他人の背中の梅干なら見えるからなのかもしれませんね。         


普段、人に相談されることが少ない私だが(自分が悩みがちなため)、時々冒頭のようにぽろっと悩みを相談される時がある。

そんな時は透の言葉を思い出して、私から見える背中の具材の色や形を伝えてみる。そうすることで、相手が少しでも「自分は美味しいおにぎりなんだ」と再確認してもらえたらいい。

私も大きな梅干しがついたおにぎりが選ばれていく姿をみて、羨ましくなる時がある。だけど、もしかしたら自分の背中についているのは梅干しじゃなくてシーチキンかも知れないし、鮭やいくらかも知れない。

真っ白なお米だけでも美味しいけど、誰だってご飯の美味しさを引き立ててくれる具材をその背中に持っているはずなのだ。

落ち込んでいる時は、誰かに背中の具材を見つけてもらい、それをもっと美味しくするにはどうしたらいいかを考えてみるのといいかもしれない。


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