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その15:万年筆の怪人

男は誰しも少年だった。そして少年は、ヒーローに憧れを抱いて大きくなる。
1966年のウルトラマン、 1971年は仮面ライダー、 1975年には秘密戦隊ゴレンジャーと、 特撮ヒーロー番組のシリ ーズは2023年の現在まで脈々と続き、毎回手を変え品を変え、様々な怪人が地球(日本?)を脅威に晒し、ヒーローたちに都度打ち負かされている。この構図がもう半世紀以上続いていることになる。
怪人もユニークな着想から生まれたものが多く、それこそ未だヒーローを凌ぐ勢いで愛されているキャラクターさえいるくらいだ。
9回目の話題にした付喪神ではないが、 万年筆の怪人なんているのだろうか……と思い付いた訳です。そうしたら、なんと居ましたよ!
2014年から2015年に放映された 『烈車戦隊トッキュウジャー』の36番目(第36駅) の怪人が、万年筆がモチーフの“ マンネンヒツシャドー ”でした。
私もすっかり大人になっていたので本編を観たことがありません。今回を機にネット検索でその姿を目にしただけで、ご興味があれば以下のテレ朝公式サイトのリンクからご確認いただければと思います。

リンクへ飛ぶことない方に向け、その見た姿を言葉で説明してみると、その姿は顔がニブ、万年筆を握る巨大な手のようにも見えるマントを纒い、右肩にそれが握るかのような大きな黒軸の万年筆が乗っかって、手にする武器も穂先がニブっぽい槍みたいだ。
右肩に乗った黒軸の万年筆のペン先は、バズーカだかレーザーでも出しそうな感じで、おそらくこのデザインの重要なポイントだと思う。
マンネンヒッシャドー自体は金と青の配色のデザインで、どこかありそうな感じがするのにまったく心当たりがないという不思議な万年筆の色合いで、これがなかなか秀逸なデザインだと思います。
もしこれが、80年代以前のヒーローものだったら、さぞ不格好なデザインが予想されただろう。幸い平成終盤期でスタイリッシュなデザインに恵まれた。
テレビ朝日公式サイトのキャラクター説明に依れば、
「人間を採点して0点をつける能力を持つ、万年筆系シャドー怪人。 この能力で人々のアイデンティティーや夢などに対して、身勝手に0点をつけることによって闇を集める作戦を運行しようとした。 右肩の万年筆で 「0点」 を書いて飛ばし、 相手を落第させることが可能で
ある。 また、ペン先からインクを噴射したり、クローズを吸収してインク補充することもできる。巨大化後には、吸収した闇をインク霧状に放出して、一時的な超巨大化を行うことが可能である。 」
やはり万年筆は勉学の象徴的なモチーフにされちゃうのだ。万年筆と来れば、そういう設定になるしかないのか。そして、武器はやっぱりインクだ。 毒霧みたいに噴射するのでしょうか。 鋼鉄のニブで相手を切り裂こうなんていう剣士的には行かなかった。 ペンは剣より強し、というのに。
でもまあ、こういう機会から子供に万年筆というものの存在が伝わることは、思ってる以上に大切なんじゃないだろうか。

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