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山便り (1)

ログハウスに挑戦

  完成した作業道脇には、伐採された丸太が積まれていた。この丸太を使ってログハウスを作ろうと思い、まず皮むきから始めた。むいた杉皮は屋根にふく予定なので、丁寧に作業しなければならない。杉皮の長さ1mごとに丸太の外周に切り込みを入れる回し鎌を二俣の刃物屋に買いに行ったら、「回し鎌を売るのは30年振りですね」と言う。杉皮の需要も造園屋から時々注文が入る程度だそうだ。杉皮を取るには、9月末から10月に伐採したものが良いが、立ち木のままで皮をむくこともあるそうだ。3月末に伐採したこの丸太は比較的むき易かったが、中にはなかなかはがれず、薄皮が残ってしまうものもあった。生木の重さは想像以上で3m、4mの丸太を動かすのに苦労した。生木状態で木材加工するのはとても無理なので、半年間放置し乾燥させ、10月から取り掛かることにした。それまでは皮むき、林道整備、鮎つり、夏休みは孫の相手、そして9月4日から15日まで、釣竿を乗せて車に泊まりながらの北海道一周旅行に出かけた。


10月に着工し、雪がうっすら積もっている寒い日も山行きは欠かさなかった。

丸太を井桁に積み上げていくには、組口を加工するため4mの丸太を上げ下げしなくてはならない。一人で持ち上げることの出来る高さは1m少々で、それ以上積み上げるのは諦め、柱を組むことにした。屋根は杉皮ぶきとした。壁は漆喰塗りで、小屋の中は、囲炉裏を作り、二段ベッドをつくった。ようやく完成したのは、翌年5月だった。次いで便所が8月完成、11月にバーベキューハウスが完成、翌年2月に物置小屋が完成した。


小屋(左上)、便所(右上)、バーベキューハウス(左下)、物置小屋(右下)

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