おじいちゃんの山

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最近の記事

番外編~イタリア旅行~

イタリア旅行記  6月の台湾旅行のあと、夏、浜名湖に魚釣りに行った折、K氏から「今度海外旅行に行くならどこに行ってみたいか」と聞かれ、「イタリアかな」と答えた。ローマを中心に中世代の世界経済、文化の中心であり、その名残を感じさせてくれそうだと思ったからである。九月に入ってすぐ、K氏から9月1日の静岡新聞の広告欄に「富士山静岡空港発着 7つの世界遺産を巡るイタリア8日間」が載っているというメールが入り、すぐに飛びついて申し込んだ。静岡銀行で四日前、700ユーロ(500€キャッ

    • 番外編~台湾旅行~

      台湾旅行記  三月にK氏から富士ツーリスト企画の中国「雲崗石窟の旅」に行かないかと誘いがあった。雲崗に関心はあったが、私は中国のホテル設備、食事、対日感情の面で不安があったので、親日的と言われる台湾はどうかと提案したら、即、良いと言われ「人気五都市を巡る台湾周遊四日間の旅に出掛けた。(帰りの便の遅れで実際には五日間の旅となる。) 6月19日(火) 出発  早朝四時に起き、セントレア行き東名バスの浜松北5:38発のバスに乗るため、遠州鉄道の始発では間に合わないので、軽トラで

      • 番外編~ベトナム旅行~

        ベトナム旅行記  終戦70周年記念事業洋上慰霊の旅で知り合った袋井市のA氏(浅羽ベトナム会の世話人)の誘いで浅羽佐喜太郎公碑(ベトナム独立運動家ファン・ボイ・チァウが日本に亡命中世話になった浅羽佐喜太郎を偲び建てた石碑)建立100年記念事業の一環として「ベトナムとの交流の歴史を訪ねる」七日間の旅に出掛けた。 12月12日(火) 早朝四時半に起き、5:40発の遠州鉄道に乗りセントレア行き東名バスに乗り換え8:25中部国際空港に着いた。ところが10:15発ハノイ行きは強風の

        • 山便り (39)

          トイレの修復 2019/12/20  バーベキュウハウスの台風被害を修復した後に残されている仕事は、トイレの修復だ。トイレを作る際、便槽を設置するのに大きな穴を掘らねばならず、どこを掘っても大きな石にぶつかるので、路肩に便槽を設置することにしたのだが、このことが今になって大きな難題になっている。造成時に路肩側には伐採木や根株が埋め込まれ、十年してそれが腐り地盤沈下してきたため、トイレ小屋が傾いてきたのである。  小屋の傾きは2.6度。柱が傾けば床も傾く。トイレに入ると傾

        番外編~イタリア旅行~

          山便り (38)

          左手の悲劇的宿命 2019/09/30  左手は、割の合わない宿命にある。仕事中にけがをするのは何時も左手だ。今日も右手が持つのこぎりで、一生懸命角材が動かぬよう支えていたのに、節の硬い部分で刃が滑り左手人指し指が切られ出血した。こういうことは、今日に限ったことではない。これまでに何回、金鎚でたたかれたことか。右手はのこぎりを持ち、金鎚を握る。左手は釘を持ち、板を支える。ちょっとしたズレが生じると左手はたたかれ、切られることになる。この右手と左手の役割りは不動である。右手

          山便り (37)

          台風24号被害の修復 (2) 2019/03/29  台風24号で隣の山の木が倒れてバーベキューハウスを直撃し、そのままの状態で放置していた。ただ放置していた訳ではない。理由の一つは、生木の重さだ。ログハウス用の材の皮剥きをやった時に骨身に浸みるほど解っている。結局半年放置して乾燥するのを待った。今回も急いでも始まらないと考えていた。もう一つの理由は、倒れてきた木を勝手に切ってしまっていいものか考えあぐねていた。この木の所有権は間違いなく隣の山の所有者のものだ。  公道

          山便り (36)

          台風24号被害の修復 (1) 2018/11/20 台風24号で林道が塞がれ小屋までの道の修復に取り掛かった。  林道を作る際、路肩部分は土留めに木株や伐採木を使う。木はだんだん腐ってきて地盤が沈下し、崩れてくる。そのまま放置すると、雨が降るごと侵食されてひどくなる。今回の台風で道に溢れた石を使って、路肩の補強も行った。

          山便り (35)

          台風24号の被害 2018/10/08   9月30日夜半和歌山県に上陸した台風24号は日付が変わるころに静岡県を直撃、66万戸が停電するほどの被害が出た。幸い、我が家は停電せずに済んだが、車庫の屋根部分が割れて、穴が開いた。山の被害が気になったが、奥地はまだ停電が続いており、行ける状態ではないと思っていたが、3日、意を決して行って見た。途中、道の脇に電線がぶら下がっていた。電線の修理車両の横を通り抜けて、山までたどり着いた。予想通りの惨状が待っていた。  作業道の入口

          山便り (34)

          山仕事再開 2018/04/01  冬の寒さを跳ね返す気力、体力の衰えた私は、二年前から冬は山仕事を休んでいる。暖かくなった3月下旬から山通いを始めた。山仕事の手始めは、冬の間に塩ビの水道管が水が凍って割れた箇所の修理からだ。次が林道の掃除であるが、総延長680メートルの道一面に散らかっている杉の枯れ枝を掃除するのは結構な労力が必要となる。左の写真が掃除前、右の写真が掃除後である。  杉の枯れ枝掃除に加え、山側の土や石が霜柱に押し出され崩れたり、カモシカが沢まで水を飲み

          山便り (33)

          里の春、山の春 2018/03/29  里は春爛漫、桜は満開のときを迎えた。船明運動公園の桜も満開で桜の下にシートを敷き、弁当持ちで桜見物にきている家族連れや、仲間のグループで賑わっている。  ところが我が山の桜ときたらこの有様だ。植えてから10年以上経つというのに一枝に二、三個の蕾がついているだけだ。日当たりがよくないのは同情するが、里の桜の木は、全ての芽が花を咲かせているというのに、我が山の桜は一枝のほとんどか葉芽だというのは情けない。加えて、里の桜は満開だと言うの

          山便り (32)

          季節はずれの真夏日で蛇の交通事故多発 2018/03/29  まだ、3月だというのに最高気温25度を上回り六月下旬並みの夏日になった。掃除程度の軽作業でも汗が滲んでくる。林道の掃除に区切りをつけ、昼食をとるため、山小屋まで向かう途中、軽トラで棒切れを撥ねたと思ったがカタンとせず、ちょっと違和感があったので車を止め、振り返ると棒だと思ったものが丸くなっている。蛇かな?と思い車から降りて確認すると、やはり蛇だ。赤のまだらがあるのでヤマカガシだ。それにしても、まだ3月だ。冬眠か

          山便り (31)

          秋の終わり、冬の始まり  山の秋と言えば、紅葉が決まり文句だ。だが我が山は十二月に入らないと紅葉の盛りとはならない。だから我が山では紅葉は冬の始まりの代名詞だ。私のお気に入りの場所に立つモミジの木は少し紅葉したかなと思っているうちに10日も持たずに落葉してしまう。だから紅葉を楽しむのではなく、一面に敷き詰められた落ち葉の風情を楽しんでいる。紅葉が楽しめるのはキウイフルーツの木だ。山肌を赤く染める木にウルシの木があるが、かぶれると嫌なので生えても切ってしまう。昨年ナナカマドの

          山便り (30)

          10年経つと  山に行くと、私がお気に入りの沢沿いの椅子に座り、煙草に火を着けコーヒーを飲みながら辺りを見回す。以前に比べ、辺りの景色がしっくり落ち着いた感じがする。山を買ったのは平成17年の夏だからもう11年経つ。10年の月日が経つうちに、削られた山肌は削られなかった場所と同化し何の違和感もない。他人が見てもなんともない景色だが、私は、山肌右上方に信州の道の駅で買って植えたワラビが胞子をつけ、落ちて一人前に成長した株があるのを知っている。どこに目を移しても、この10年に私

          山便り (29)

          空手部同窓会  山で空手部同窓会を開催することに決まったのは、6月16日に名古屋で開催された前回の同窓会であった。3月に空手部同級生八人のうちの一人、大阪在住の T がガンで亡くなった。追悼の会だった。前年の9月5日に来春の再会を約していたのに、半年で亡くなってしまった。大学時代毎日顔を合わせ過ごした友の他界は、ショックが大きい。会は T を偲んでの話題で終始した。終わりに次回同窓会の話になり、秋に我が山でやることになった。  三重県、愛知県からはるばるこの山奥まで来ても

          山便り (28)

          水遊び場  沢は子供の遊び場だ。沢蟹やアブラハヤを捕まえたりして遊んでいる。夏、長女の次男が素足で沢に入って遊んでいたとき、尖った石を踏み足を切った。それからはゴム草履を履かせて沢にはいらせるようにしていたが、それ以降、孫が水遊び山に来るという時は、前もって、小砂利や砂を撒いていた。今年も夏が近づいてきたので、川底にセメントを打ってもっと安全な水遊び場にしようと考えた。絶えず水の流れている場所にセメントを打つのは結構大変である。まず水の流れを川幅の半分に寄せてコンクリートを

          山便り (27)

          カモシカ無残  この写真を撮ってもう四、五年経つ。山便りに載せるのは相応しくないと考え、そのままになっていた。だが記録として残すことにした。写真の左側部分は、皮だけになった部分、右に見えるのは骨だけになった身体の部分である。  当時、私はこの現場を見てしまってから、半月ほど怖くて山に行けなかった。人間に鉄砲で撃たれたのではないことは、現場を見た時、確認している。カモシカを襲う動物は何か。イノシシが襲う訳はないし、鷹も考えられない。考えられるのは熊しか思い当たらない。ここの地