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山便り (22)

二月は休業

山の寒さは平地よりきつい。山に行っても寒さで手がかじかんで仕事にならない。それでも山に行って、寒ければ囲炉裏で木を燃やし炭火で暖をとっては少し仕事をした。今年は林道のコンクリート打ちをしているが、コンクリートを練り始めると途中で止める訳にはいかない。
 大寒の日に池の水面を泳ぐメダカを見て励まされた。こんな寒いときは池の底でじっとしているのが普通だ。よほど空腹なのかと、メダカの餌をやったが食べる風でもない。根性のあるメダカだと感心した。

 メダカに励まされ一月一杯頑張ったが、二月に入ると寒さは一段と厳しくなった。池の周りや屋根から氷柱が垂れ下がり水溜りは凍っている。コンクリートを打ってもコンクリートの水が凍って膨張しボロボロになってしまう。格好の理由ができて厳寒の二月の山仕事は休業することにした。


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