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日記はじめました。 第0週(2/22〜29)


ごあいさつ


 読者の皆様ご機嫌よう。
日記開始宣言から数日ぶりとなるMTKです。
なんと!わたくし!珍しくちゃんと毎日日記をつけております!本当に素晴らしい!天変地異の前触れかもしれない。なんちゃって。

 というわけで22日〜29日までの日記を第0週分として記したいと思う。(※日記の中で映画や文学作品のネタバレが微妙にあるかもしれないので注意してほしい)


2/22(木)

 雨。雨の日はトイレの床が余計に汚い気がしてトイレに行きたくなくなる。
 職場のAさんがにこやかに(?)話してくれるようになった。やっぱりデカい声でハキハキ楽しそうに話しかけると相手も心を開くのかもしれない。書類もちゃんと出した。偉すぎる。

 休憩時間にwikiの寺山修司についてを読んでいたら、影響を受けた人/与えた人に芥氏の名前があった。
もしかして、と思ったら『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』(Amazon prime video、DMMtv、Netflixで配信中)で東大の900番教室にて三島由紀夫氏と圧巻の討論を繰り広げていたあの芥氏だった。

作中で藝術関係のお仕事と言っていた記憶はあったが、天井桟敷のメンバーでご自身も演劇分野でご活躍されてると知った(恥ずかしながら存じ上げていなかった)。現在はホモ・フィクタス ACT & AOI 劇団の主宰をされているとのこと。映像と情報が結びついたことで、時代の雰囲気と、人間の関係とを一歩深いフェーズに落とし込んで理解できた気がする。ここのつながりを発見できたの、今年一嬉しい。

 夜は⬛︎⬛︎⬛︎でステーキ定食を食べた。
肉は矢張り美味い。孤独のグルメの気分になる。帰りに買ったヤクルト1000、いつもとフォルムが違った。今まで自分が飲んでいたものとは、一体─。
猫の日なのに見た猫0。


2/23(金)

 雨。寒い。⬛︎⬛︎⬛︎で注文していたブロックが届いたので開封、作成。母と一緒に作った。久々に説明書を読んだり手を動かした。意外と出来んじゃん。楽しかった。クリア素材の黒薔薇(金の茎)可愛すぎる。部屋に飾った。部屋がまた美しき脅威の小部屋(ヴンダーカンマー)に一歩近づいた。薔薇の入れもの買わないとならない。

 『小さな悪の華』(1970)鑑賞。
音楽が良い。フランスぽい少女愛とフェティッシュさが詰め込まれた作品だなと思った。下着に革ブーツ(しかも履きかけ)とか、丸い尻〜脚にかけてをセクシーと思うのだろう感性とか。バタイユの眼球譚でもミルク皿に尻をつける話があったし、ちょっとサドを思い出したりして(サドが尻について言及していたかどうかは知らない)尻の丸さと白さが好きなのだろうか。
やけに記憶に焼きついた。最後の終わり方(2人が選択した終わらせ方)が素晴らしかった。完璧。 
アンヌ(ブルネットの少女)の少し内向き、前髪短めの髪型が素敵だった。

 悪の華といえばボードレールだが、検索して出てきた詩が良すぎたのでちゃんと詩集を買いたい。


2/24(土)

noteで日記開始宣言をした。
日記帳が届く。日記書記者の友人に色々聞いたのち、こだわりを反映しL!FEの日記帳に決定した。黒いマットな厚い表紙に銀の箔押しがたまらない。

L!FEの日記帳。

2/25(日)

 伊豆・熱海旅行1日目。
雨風で河津の桜はほぼハゲ散らかしていた。
去年も雨と風が吹き荒れていて、河津桜と相性が悪い?? めじろはふくふくで可愛い。そしてまた『伊豆の踊り子』を読まないまま来てしまった。河津駅に『伊豆の踊り子』レンタルスペース(?)のようなものがあるのを発見。地元の人や電車の待ち時間が長いお客さん用だろうか。なんかいいな、と思った。『伊豆の踊り子』に限らず、もっと文学グッズ増えてほしい。駅の売店にてちいかわのいちごとみかんキーホルダーゲット。愛い。
お昼ご飯のしゃけいくら丼、しゃけが滑らかで生臭さも全くなく美味しかった。一生分のしゃけを食した。

唯一撮れた桜の寫真
しゃけいくら丼、ドーン。

2/26(月)

 伊豆・熱海旅行2日目。
昨日の天候が嘘のように快晴也。
朝ごはんはビュッフェで豪華に始まる一日。
パン・オ・ショコラが美味しかった。
タクシーでMOA美術館へ向かったが、運転手のおじさんがめちゃくちゃ話すタイプの人だった。母のコミュ力に感謝(沈黙し続けた人)。

 MOA美術館へ到着。
宗教団体が作った美術館だったと初めて知った。
中の建築は鯨のお腹の中のような天井アーチがあり、幻想的なブルーの光に照らされて「昭和期に思い描かれた近未来感」があった。展示室前のスペースからの借景も見事。

MOA美術館の幻想的なエレベーター


 尾形光琳の『紅白梅図屏風』や、野々村仁清の壺等、国宝・文化財もある。個人的には能楽堂の静謐さと、鎌倉時代の仏像の本当に木造かと疑いたくなるような滑らかさ、優美さが良かったなと思う。
 日当たりの良いカフェでシフォンケーキを食す。
シフォンケーキって大きいしふわふわで軽くて好きだ。
東京戻ったらシフォンケーキの美味しい喫茶店を探して行きたいと思った。

尾形光琳『紅白梅図屏風』(国宝、江戸時代) 156.0×172.2
MOA美術館HPより 
(URL:https://www.moaart.or.jp/?collections=053)


能楽堂のシン、とした空間美。味わい深い。
抹茶味。



 熱海駅に戻り商店街をぶらぶら。
少し細い横道を入るとレトロでディープな感じのフォントや看板や路地裏があって、こういう昭和感を探して熱海に来るのも楽しそうだな、と発見があった。
というか熱海って秘宝館あったよな。死ぬまでに一回行っておきたい、と思うなどした。

なかなかお目にかかれないディープなレトロ感だと個人的には思う。



 熱海といえば尾崎紅葉の『金色夜叉』だが、chabaccoのパッケージデザインの一つに、海外沿いにある金色夜叉の像みたいなデザインのものがあり、嬉しくなり購入。お土産買うのって楽しい、旅行の目的お土産選びという時すらある 笑。
 帰宅後、檸檬祭壇(自室の近代文学棚にあるディスプレイスペース)に飾ったら、檸檬キャンドルの黄色と馴染んでなんだか良い感じになったので大吉。


2/27(火)

 快晴。新企画の予告来た!!(趣味の話)
雰囲気的に和風そうなので新規のキャラクターを練る。
文学×能……? 鬼が出る話ぽいので鬼の出る能がいいか? 鬼能、四番目物、五番目物(切能)というと、『黒塚』『紅葉』『葵上』『大江山』『羅生門』『道成寺』などがあるが(他にもいっぱいある)、どう結びつけと解釈をキャラクターのイメージと結びつけるか…。ソースをいくつか絞って関連付けと肉付けをしてから独自のキャラクターにしていくのが面白い瞬間だよな〜と思う(超個人的な見解です)。というか能の『羅生門』と芥川龍之介の『羅生門』て全然関係ないことを初めて知った。
芥川龍之介が『隅田川』を見た話を書いてはいたが。
能の流れで高村光太郎の『能の彫刻美について』読了。彫刻の静寂と変化の美が、能面、能舞台、そして演者の舞と類似している、というのは興味深く、何だかわかるような気もした。夢野久作も能好きだったんだって。知ってました?? 他にも能に明るい文豪がいたら知りたいので、誰か教えてください。

秋葉原まで歩く。
ビリー・バリバリー先生のFANGSの3巻とこふで先生のノッぴきならぬ、を購入。
萌えすぎて死ぬかと思った。きっとわたくしは死ぬ時の死因、萌だと思う。オタク冥利に尽きる。
(以下オタク丸出し感想失礼します。)
スギ…幸せになってほしい。けど新しい恋に落ちる=幸せでも多分なく、かといって今のままではなんか、なんかさあ…!!FANGS、絵柄やキャラデザやファッションもおしゃれで好きだが、生と死や孤独、愛、慈しみ、逃れられない過去や贖罪がベースにあり、考えさせられる…から好きヤ‼️‼️になった。
ノッぴきならぬは、色っぽすぎる表情やふとした一瞬の美しさ、手を伸ばしたくなる瞬間の描写が無茶苦茶に良すぎる。2巻もあるの〜!?ありがとうございます(冬発売やって!生きよ!)。生きる目標すぐできるから単純なオタクやっててよかった〜と思った。

 家帰ったら頼んでたネイルパーツとアロマストーンが届いており、誠にハッピーな一日となった。好。サンキュー神様。

これは全く関係のないいぬのぬいぐるみの写真。

2/28(水)

 快晴。今日は一日も家から出ず。省エネモードの日。
久々に描く気起きたのでイラストを描いた。
次のキャラデザモチーフ、横光利一の『春は馬車に乗って』にしようかな。透明感があるイメージだし、優しい愛の話だと個人的には思っているため。
去年は春×死の文学だったから今年は春×光か??

『帝都大戦』(1989)を視聴。
マジで何の話??いや、話はわかるが、想像以上にガッツリ戦争描写があり、それはいいとして、その割には呪い○すみたいななんて??という作戦もあり、全体的にガチャガチャした印象を受けた。加藤vs雪子さんのはずなのに術者?や失明した女の子やら政治やら人体実験?やらバックが濃すぎてどの視点からストーリーを見たら良いのか混乱した。


2/29(木)

 快晴のち小雨。
休憩中に青空文庫で『赤い着物』(横光利一)を読了。
ゾッッとした。可愛らしい少年と少女の微笑ましい話かと思いきや、突如の死!!ぐったりと母の胸に横たわる、青い死体の顔が見えてくるようであった。友人曰く『春は馬車へ乗って』が異色であり、横光作品は怖いらしい。

確かに日常の中に突如降りかかる死、そしてその後に何もなかったかのように描かれる情景等、虚無感や、死を隣に見たはずなのにいつのまにか元に戻っているかのような日常の無情さにゾッとするものを感じたが、一方で横光利一の情景描写は何処迄も細かく、滑らかで、美しいと思う。ボディーブローを喰らわすような死と、澄んだ自然の景色の対照的なイメージの共存、ぞわり、としつつもとても好みな感じである。

 日本橋まで歩いた。hontaカードを作りに丸善迄。
カードを作るため何かいい本ないだろうか、と見ていたところJ.A.シーザーの『J.A.シーザー黙示録』を発見。
購入。hontaカードも無事貰えた。
まだ読み途中だが、幼少期に身を置いた環境や、見たものが彼の世界観に強く影響を与えているのを想像するのは想像以上に容易かったし、その時代だからこそ、きっと今はもう見れない景色、人々、スキャンダル、などもありそれも含めての唯一無二性なのだと感じた。
彼が言葉を好まず、本などを読むのではなく、流し見して目に留まったキーワードからイメージを連想するのが好きだった・よくやっていた、というのを知り、イマジネーション力を自然とそうやって培い、その楽しさであったり方法を失わなかったことがまた、作品作りに繋がったのだと感じた。自分もそういった感性やイメージ力(連想力)を失わずに生きていきたい。どうしたら失わずに生きていけるのだらうか。


 というわけで第0週はこんな感じであった。
毎日何かしら考え、騒ぎ、何かを読み、をしていることがわかり、まあまあいい感じではないか、と自分で思う。この調子で次週も記録していけたらいい。
 大した何があるわけでもない凡人の平々凡々とした日常をここまで読んで下すった皆様ありがとうございます。次週も読んでくれたら嬉しい。


2024.2.22-29
MTK


読んだ文学作品一覧

・芥川龍之介『金春会の「隅田川」』(青空文庫)
・高村光太郎『能の彫刻美』(青空文庫)
・横光利一『春は馬車に乗って』(青空文庫)
・横光利一『赤い着物』(青空文庫)

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