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聴くこと、まずはそれだったのか

伝えること。
そればかりに必死になっていた。

どうしたら伝わるの?
なぜ、伝わらないの?

あの本も、この本も読んだ。
ポッドキャストだって聞いている。
何なら子育てコミュニティに入って、本気で学んできた。
半年かけて。
ただ、子供に寄り添いたくて。
このままの接し方をやめたくて。

なのに、なんで…。
なんで、いっつも怒鳴っちゃうんだろう。
なんで、寄り添えないんだろう。
なんで、こうなっちゃうんだろう。

私は疲れて、口をつぐんだ。
その間中、娘の暴言や文句は止まらない。
発端は、しょうもない兄弟喧嘩だったのに。

どうしたらいいものか。

この問いの答えは、未だ出ず、いつもうやむやになる。
そんな自分がいつも嫌になる。

しかし、昨晩は少し違っていた。
暴言攻撃に口をつぐんだ私は、ただただ娘の話に耳を傾けた。
傾聴とは程遠く、ただただ疲れ果てただけだったのだが、視線だけは娘から外さなかった。

すると、最後にこんな言葉が娘から出てきたのだ。

「いつも、たいちゃんばっかりかばってずるいやん。
ミーの表情が曇ったら、気にしてよ。
ちょっとはこっち見てよ。
ミーだって、ミーだって、ほんまはギューしてほしかったの、ずっと。
ずっと我慢してたんやもん。」

この言葉でハッとさせられた。
いつも伝えること。
自分が話すこと、方法論、解決すること。
そればかりに必死になっていたけれど、そうじゃなかったのだ。

聞く。
これだったのだ。
相手の話を、ただ黙って聞くこと。
子育てに関する専門家でも、カウンセラーでもなく、娘が私にしてほしかったこと。
母である私にしか出来ないこと。

まずはこれだったのだと気付かされ、頭でっかちになってた自分を、少しばかり恥じた。
「ごめん、ミー。聞こうとせんでごめん。」
それだけ伝え、私は少しづつ娘に手を伸ばした。
娘は、涙を流しながらも私の手を取り、ギュッと抱きしめることを私に許してくれたのだった。


最後に、この記事を書くにあたり参考になったPodcastのご紹介


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