Muchaku Saoh

*横浜市民、男子 *木彫その他造型美術愛好家 *文芸愛好家 *アマチュア・ナチュラリス…

Muchaku Saoh

*横浜市民、男子 *木彫その他造型美術愛好家 *文芸愛好家 *アマチュア・ナチュラリスト *引退以前は化学系エンジニア *趣味はカービング(主にバードカービング)音楽鑑賞、短歌、俳句、詩の鑑賞と詩作

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お茶好きの隠居のカーヴィング作品とエッセイ-昔ばなし

内部リンク: 記事2、タイサンボク:https://note.com/muchaku_saoh/n/nc2928cbe20a2 記事3、オシドリ:https://note.com/muchaku_saoh/n/n348e2cd9e37d 記事4、キツネ、:https://note.com/muchaku_saoh/n/n477f9e0127bf 記事5、スズメとセミ:https://note.com/muchaku_saoh/n/n081b74f52912 記事6、

    • お茶好きの隠居のカーヴィング作品とエッセイ-昔ばなし

      22 ニワトリ 庭鳥に寄せて* バードフル 殺処分の100万羽 哀れ悲しき家禽の運命(さだめ) * 銀シャリの上の玉子と生(なま)しょうゆ いろどり美し簡素な朝餉 * 朝ぼらけ時つく鶏(とり)に起こされる 子供時代の僕の追憶 エッセー鶏が「庭鳥」だった頃、それは私の少年時代です。 当時は、東京の普通の勤め人でも、卵を目的に庭で鶏を飼っている人が少なくありませんでした。 そういう庭鳥達は、昼間はケージから出されて、庭を歩き回り、花壇でミミズなどの虫を探して啄んでいましたし、

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        21.  チドリ 千鳥に寄せて 茜さす朝の砂浜歩みゆく浜昼顔の茂れる中を さくら貝探し歩める我ひとり千鳥の声と潮騒の中 浜昼顔の茂れる中にシロチドリ擬傷を以て我を惹きつく 我は知る近きにその巣があることを擬傷せざれば気づかぬものを 二羽の雛伏せて動かず石の如浜昼顔の茂れる中に 母鳥の思い知りたる我なれば欺かれたる振りして去りぬ 茜さす浜昼顔の砂浜に思い起こすは可愛ゆき偽傷 腹痛を上目遣いで訴えて我が気遣いを欲しがる君を Injury Feigning In

        • 未来のためにできること(2)

          昔のアメリカ映画に年齢を重ねるごとに肉体的に、若くなる男の話があったと思います。 そんなことを考えたのはこの映画の作者が初めてではなく、芥川龍之介は「河童」の中で、同様のキャラクター(河童の)を登場させています。  その延長のようなことですが、人は馬齢を重ねた後で、その人生経験を保持したまま20代に戻れたら、ずっと良い人生をやり直せるだろう、などと阿呆なことを考えるものです。 勝海舟のような偉人ですら、若い時は目立ちたがってダメだった。 今の俺だったら、もっとうまくやれただろ

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        お茶好きの隠居のカーヴィング作品とエッセイ-昔ばなし

          未来のためにできること(1)

          人類が直面している深刻かつ根本的な問題は、I. 主義/主張、宗教、民族/人種の相違を事由とした殺人/戦争、 II. 物質文明の飽くなき追求に起因する環境破壊、この二つです。 I. は人類の文明に常に随伴し、人の属性の一部と考えても良い程のものであり、完全な解決は不可能と考えた方が良いでしょう。 ただ、今日の戦争は核戦争の現実味を否定出来ないが故に、II. と共に人類滅亡の引き金となり得る事、そして、特に、II.への対策に費やし得る時間が殆ど残っていない事を深く憂慮すべきです。

          未来のためにできること(1)

          お茶好きの隠居のカーヴィング作品とエッセイ-昔ばなし

          20. ニューファウンドランドのお化けヤギ ヤギさん ぼくとママがかんこうぼくじょうについたとたん あめがふってきたんだ。 ママはぼくにプラスチックスのレーンコートをきせたよ。 けいたいようのとてもうすくてフワフワかるいやつよ。 はなしがいのヤギさんたちがぼくにちかづいてきたんだ。 あっとおもうとヤギさんはぼくのレーンコートをたべてたよ。 ぼくは、あわててにげようとした、でも、おそかったんだ。 もう、ずいぶんたべられて、ぼくはなきべそかいちゃった。 ヤギさんたちはわら

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          19. キジ 短歌 タラの芽を 摘み集むれば にほひ立つ 春のかほりの 爽やかな風 いきなりの 雉子(キギス)の声に 驚きて 顧(かへ)り仰げば 六甲の山 青々と 山肌ひかる 六甲の 峰より高く 鷹一つ舞う 六甲の やま中ほどに 立ちどまり ふりさけみれば 神戸の街並み --------------------------------- 神戸、我が町 えきぞちっくな町、神戸 はいからな町、神戸 はいせんすな町、神戸 美味の町、神戸 港町、神戸 怪しき町、神戸 犯罪の

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          18. タヌキ 創作狂言、茶の湯狸: このあたりに住む狸でござる。 今日(こんにった)も人を誑(たぶらか)さんと存ずる。 これにある橋のたもとにて誑(たぶらか)されやすき者を待ち付けむと存ずる。 主:これはこのあたりに住まい致す茶の湯を嗜む者です。 明日(みょうじつ)は茶会をもよほすによって、菓子を誂(あつら)えむと存ずる。 太郎冠者あるか。 太: はあ。 主: いたか。 太: お前に。  主: 念なう早かった。 汝を呼びいだすは別(べち)なることでもない。汝も知ると

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          17. バイカウツギとアオジ、ホオジロ 箱根路ホオジロの小雨の中に鳴く朝に 老いたる母の或る日おもほゆ 今は亡き母の問ひたるその鳥の 遠くに聞こゆる宿にとどまる 幾年(いくとせ)も昔になりぬ箱根路の 湯を喜びし母のおもかげ In HakoneA meadow bunting was singing, That awakened memories of my mama. She liked the song of the bunting. I remember

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          16. コゲラ雨あがり吾(あ)を覚ます板戸の間(ま)より射す朝日 夜来の雨の止みたるを知る 輝ける青葉の中にキツツキの 叩く音(ね)のみぞ聞こゆる静けさ After the rainI woke to sunshine and knew The rain was over at last. Last night the wind stiffly blew. It has dropped and the weather has passed From harsh to g

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          15.ノスリ 長歌:知床地の果つる 北の荒磯(あらそ)に 降る雪は 乾きて軽く 吹きまどひ 昇り落ちつつ 舞ひて散る 荒磯に積もる その雪に 凍え(こごえ)すくむは 野擦り鷹(のすりだか) 翼つぼめて 眼(まなこ)閉じ 耐えて忍びて え啼かずも ただ流木(ながれぎ)に 留(とまり)おり 春を夢むも 長冬(ながふゆ)は いまだ初めの 師走かな 彼(か)を待つ運命(さだめ) 誰や知る また戻りたる 冬将軍 迎え撃つほか なかれども 飢えと寒さの 生き地獄 再び三度

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          14.カワセミ翡翠(ひすい)青き弾丸一つ、青黒き水面(みずも)を打つ時、 魚(いお)ひとつこの世より消ゆ。 水辺の恐怖、ターミネーター翡翠号ここにあり。 但し、魚(いお)の身命は姿を変え、新たな翡翠を生成す。 元素は消ゆること無し。 悠久の流転あるのみ。 はるけき時空よりこの星屑に漂着したる原形質は我につながる。 Hērakleitosよ、貴方は正しかった。 我が身命も又、異なることやある、姿を変え悠久の流転を続く。 灰よりよみがえる phenix のそれとなりて。 長歌:

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          13.ツグミとシジューカラ つぐみとしじゅーから寒さ厳しい庭先で 口をつぐんだ無口鳥 おしゃべり鳥の一団を 迷惑顔で見上げてる よくもまあしゃべること 何がそんなに楽しいの あきれ顔した冬の鳥 それに気づいたおしゃべり屋 なんてまあ気難しいお隣さん 寒さを紛らす術(すべ)もなく ひとり寂しく立ち尽くす お可哀そうなお人だね。 何でそんなに孤独なの あきれ顔した冬の鳥 ------------------------ チッカディーと戯れ笑う幼子の 姿に写る吾子(あこ)のお

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          12.コウノトリとシュバシコウ 御承知のように、元々日本で繁殖していたコウノトリは、一度は絶滅(1971年)してしまったのですが、ロシアのハバロフスク市から豊岡市に贈与された同一種の鳥を使って行われた再生・復活活動の結果、今ではほぼ心配ないまでに着実な増殖途上にあるようです。 日本各地での飛来報告もかなりの数に上るとのことで、私の住む神奈川県でも2018年には「相模川に飛来」とのニュースもありました。 今、我が国で観察されるコウノトリは豊岡市が人口繁殖させたロシア産の鳥の子

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          11. ツバメツバメに寄せて 見てごらん 今日もツバメが宙返り トンボ相手に空中戦 真っ青お空に、お日様ニコリ だけど、こちらは大変だ だって、僕らは生きてるもん 家には赤ちゃん待ってるもん 生きるって、 こうして毎日過ごすこと 今日も一日過ぎてゆく あしたはあしたの風が吹く ---------------------------- 帰り来しつばくらめ鳴く梁の上 我も声掛くお帰りなさい 雛鳥のかそけき声を待つ我は 父つばくらめと同じ心地ぞ 我が街のつばくらめ皆飛び去り

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          10. マガン 淡海の海 眺むれば水の面(おもて)に 落つる雁(かり) 鳴きとよみつつ浮きて漂う 葦原を見わたしたれば 漁(いざ)る火の はるかに見ゆるほのぐらき湖(うみ) 見あぐれば冴ゆる月影 あかあかと そぞろ寒かる淡海(おうみ)海べた かりがねの旅は終わりぬ 光る湖(うみ) 心静かに汝(なれ)は漂う Wild Geese O wild geese, at this pond, your long journey will cease, And you wil

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