いい娘に逢ったらドキッ

(タイトルの元ネタ分かる人いますか? 笑)

 極私的嗜好によるnote内のお気に入り小説について。
 ネット上の作品て紙の本より忘れ易い気がする。すべては四次元ポケットの中みたいな感じだから。
 ということで、読んだら覚書ぐらいは記そうかと。
 飽くまで好みだけに基づいた素人の食べ歩きブログみたいなもんです。頓珍漢なことも言っているかと思いますが何卒御容赦のほど。
 リンクは貼りませんので気になったら検索してみてくださいませ。

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<近況(書くことに纏わる)>
「小説は文頭でスペース空ける」というのを長年忘れていた(スマホをどう転がしても反映されなかったから。ブログでもnoteでも)が、夏に機種変したところ、出来るようになっていた。嬉しいけど少し面倒くさい。

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◆そるとばたあ『ジュリエット釣り』
『毎週ショートショートnote』という企画にこの夏参加していた。毎回突拍子ないテーマで、気づけば己から出てきたと思えぬ話を他人事みたく投稿しているのが、愉快だった。
 読む側としては、テーマゆえかコメディーに針が触れた作品の方が好きだったかな。名人は数多くいらっしゃるが敢えていま選ぶならこれ。
 シュール落語のような柔軟さ、400字と思えるようで思えぬ濃度、不意打ちでくるギャグワード(最後のセリフの意味にすぐ気付けなかったのが口惜しい)……著者は音楽もされているようで、「突拍子ない」話を変拍子で奏でていく様子が、かっこいい。

◆穂音『赤い鯨(改稿)』
 小説って文字の整列だから固体というイメージを単純にもつけれど、穂音さんの掌篇は、たとえば水滴の連なり、雲の形とか、宇宙の塵とか(見たことないが)、常に流動的で、危うくて、匂わぬようで匂うものだ。序盤・中盤・終盤と場面が分離しているが、同じ成分で描かれているから、流麗な文芸寄りの少女漫画みたいに相を崩しそうで崩さない。ラストの畳みかけは圧巻。
 ときに、只の偶然なのですが。拙作にも「縁側の籐椅子」の出てくるツイッター140字噺があり。きっと『赤い鯨』の主人公と別の日の同じ宿に相違ない、と勝手に感動している。

◆六井象『タイプライターと地下室の夜』他
 本来、小説ってこういうものでないか、なんて思う。
 すぐ出版できる態勢にとか、コンテストに合わせてとか、それでなくとも読み応えある量とか……竹取物語の時代より書き手は考えていたのかもしれないけれど。
 戦略を練り書いたっていいが、書かなくたって別にいい。内より生れたものを書く、それだけで。
 六井さんは毎日書かれているらしい。知る限りでは1行、或いは数行、時に原稿用紙1〜2枚ぐらい。過度でない狩猟か採集みたいに。空間を刃で撫でるような作風、に固執するとも限らず、ユーモラスだったり、稀に温かかったり。それで良いのだ、と教えてくれる。否、教えてなどいない。三味線草の如く只、あるのだ。

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