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ボクは王様

ピンクのライオン
ミルクを飲むよ

青いこぐまは
かけっこしてる

ボクは世界の
王様なのに

誰も蜜を分けて
くれない

黄色なカラスが
ピアノを弾いた

緑のオオカミ
詩を作る

ボクは世界の
王様なのに

自由に空を
飛べやしない

みんな嘘を
信じてる

ボクの本当を
信じない

どうして世界は
ひとつなの?

向こうでリンゴを
食べるのは

素知らぬ顔の
赤いハト

冠なんて
いらないよ

何の役にも
立ちやしない

花の上の
ボクを見る

無口な
黒いフラミンゴ

ことばはこころ。枝先の葉や花は移り変わってゆくけれど、その幹は空へ向かい、その根は大地に深く伸びてゆく。水が巡り風が吹く。陰と光の中で様々ないのちが共に生き始める。移ろいと安らぎのことばの世界。その記録。