寒い冬の布団の中には、本当に好きな人だけがいればいい
朝、聞き慣れたアラームに叩き起こされてもカーテンの外にじっと暗闇が潜んでいると、ああ、冬なのだなと実感する。
足の指先が床に触れるより前から、ひんやりとした空気が張り詰めている。靴下を履かなくちゃ。
目が醒めるほど、キュッと冷えた水が白い洗面器を叩く。じんわり頬に痛みのような温もりを感じて、12月の朝が始まった。
JR新宿駅南口を出ると、いつものようにルミネの前に何層にもなって人が溜まっている。そこから小田急線へと続く通路の脇に、その花屋さんがある。
あの人とはよくそ