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コーンポタージュを押せば

 云うて、他人となんて、てきとうに付き合っていればいいのである。云うて、親友など少年+学生時代を通して1人としていなかった記憶。少なくとも大人になっても付き合いのある小中高の友達は、1人もいない。私が歓迎されない人間だったわけではない。そりゃ遊び仲間はいた。なんというか、私から裏切ったりバイバイをしてきたんだと思う。無敵の人ではないが、私には冷酷な一面がある。
 高校時代に一番印象に残っている出来事。学校の帰り道、一緒に歩いてた級友が自販機で飲み物を何を買おうかと選んでいる横からコンポタージュのボタンを私が押した。そりゃ、級友は怒るよ。くだらないことだけれども。ようするに、そういうことです。で、そんな私から両親が消えた。

 18歳の一年間はとにかく真面目に働いた。地元の福岡市で。錆びれた自転車で通勤していた。中学高校時代の友とよくすれ違った。彼、かの女たちはとてもきらきらしていた。私にはそう映っていた。自転車を漕ぎながら朝のおにぎりを食べた。それを笑っていたやつ。死ねばいい。ホントに他人なんて死ねばいいんだ。19歳を迎えたある日、保険証を偽造して6社から300万円のお金を借りた。当時はまだ夜行列車が走っていて、博多駅を出て東京駅まで。沢山のレコードや本、家族の写真とか、ほぼ全てを捨てて、300万円のお金と一緒に夜行列車に乗っていた。かなり、簡単に〆ておくけれども、他人に気遣わなくても、どうにかなるものだ。

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