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『何でも見てやろう』

今回は以前読んだ本の話です。

   私は大学時代、とにかく好奇心が溢れていたのか、旅に強く憧れていました。その時に出会ったのが、この『何でも見てやろう』です。

   作者は小田実という方で、自身がハーバード大学の留学生の時に1日1ドルという貧乏旅行をアメリカ、ヨーロッパ、インド、エジプト等の各国を笑顔とバイタリティーだけで実践していきます。その道中の様子をルポライター的な形で書かれています。

  パソコンもスマホもGoogleアースももちろん存在しない1960年頃ですから、今から60年以上前の話です。1日1ドルという決まり以外のルールは、とにかく何でも見るという事。特に今はコロナ感染の影響で外国はおろか、隣の県にも遊びにいきにくい状況です。今より圧倒的に便利ではないけど、何故かうらやましい時代。東京オリンピックもまだ先で多分、東京タワーが完成して、これから日本の経済が発展する予感がする時代だったのかも知れませんね。

 また、作品の中で描かれる各国の様子は今もそうですが、それぞれです。アメリカは人種問題があるし、インドは貧困の様子が生々しく描かれています。しかし万国に共通するのは『笑顔』で小田実氏はその『笑顔』と大阪人特有の『何か分からんけど、おもろそう。』精神で

波乱万丈の旅を分かりやすく描いており、今読み返しても、満足するエッセイです。

  なお、この本は発売当初、大ベストセラーとなり、作家の沢木耕太郎氏が『深夜特急』を書いたきっかけとなったのは知られている話です。

  コロナの影響がまだまだ長引きそうな昨今ですが、本書を読んで、世界を旅する疑似体験をしてもらえたらと思います。

 今回も最後まで読んで頂きどうもありがとうございました。明日から仕事等頑張っていきましょう。



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