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日本の外交官、奥克彦さんと井ノ上正盛さんがイラクで殉死して、
今日で20年になる。
昨日、「奥・井ノ上イラク子ども基金フォーラム」が、
早稲田大学で行われた。

フォーラムも、コロナ中止を挟んで20回近くになった。
大隈塾の授業として実施したこともあった。

フォーラムのキーノートスピーチは、
元内閣官房副長官補、国家安全保障局次長の兼原信克さんが講演した。
奥克彦さんとは、外務省同期だ。

フォーラムでは、著書『日本人のための安全保障入門』から、
民主主義ってなんだろう、自由主義ってなんだろう、
そもそも自由ってなんだろう、を考えていった。

「自由」について兼原さんは、

「自由は『自分に由る』もの。つまり、自分の中にあるもの」

仏教の教えでは「自分の中にしか仏はいない」といい、
キリスト教では「汝の中にある」という。

それは、愛であり、良心であり、優しさ、でもある。

奥克彦さん井ノ上正盛さんはまさに、
自由を体現した外交官だった、と。

奥克彦さんは、外交官であると同時に、
ラグビー選手であり、ラグビーをこよなく愛した人だった。
早稲田大学、オックスフォード大学でプレーした。
2019年のラグビー・ワールドカップ日本大会も、
彼が種まき草取りしなければ、
花は咲かないし、実も結ばなかっただろう。

フォーラムの前、清宮克幸さんたちは、奥克彦さんのお墓参りに出かけた。
奥さんのお墓に、女性がいた。
奥さんの奥さんだった。

生前からの長い付き合いの中で、
初めてお会いできた。
「5分、いや1分でもお墓への到着がずれていたら、
きっと会えなかったんじゃないかな」

20年にしてようやく、奥克彦さんが導いてくれたんだな、と。