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「給与・設備」は投資せず、「配当金」ばかり増やす企業の成長を科学する

こんにちは #金曜日はカネ曜日
ファイナンス担当のけんたろです。

今回は、企業の成長について書いてみます。
植物の成長には水が、動物の成長には食糧が、
我々の成長にはほどよいストレスと学習・経験が必要だと思います。
では企業の成長には”何が”必要なんでしょうか。
ビジネスモデルによって回答は異なるでしょうが、総じて、社員と設備への投資が不可欠と確信しております。

過去にnoteでも失われた30年について触れましたが、国家単位で見ると日本はこの30年間成長できていない国家なんですよね。

1990年代から30年続くGDP成長の成長停滞
低成長の背景?!「国家財政支出」のGDPとの相関性

上記noteでは、国家の財政支出の鈍化がDGP成長鈍化に寄与しているかも?として触れました。
今回は企業の成長にフォーカスするため、もう少しミクロに視点を移してみようと思います!

ビジネスで稼いだキャッシュの使い道

企業はお金を預かりビジネスを行います。その利益を再投資or資金拠出元へ戻しながら成長していきます。
再投資もせず、債権者や投資家の資金拠出元へも戻しもしない経営をすると、企業内の現金が増えていく=内部留保の増加につながります。
今、内部留保への課税有無が話題になってますが、話題が逸れるので別noteへ解説は委ね、話題を戻します。

コーポレートファイナンスの概念図:リターンにフォーカス

この図の矢印に沿って、企業は稼いだリターンをどのような割合で振り分けているのか、観てみようと思います。
内訳のいいデータがなかったのですが、各項目の成長率を見て取れるデータが出てきたので以下通り掘り下げてみます。

1997年から「配当金6.2倍」「経常利益3.19倍」「役員給与1.32倍」「売上高1.07倍」「従業員給与0.96倍」「設備投資0.96倍」の成長

この図を観てみると、GDPにあたる売上高(厳密には異なる)は1.07倍とほぼほぼ横ばいの成長となっていますが、経常利益は3倍以上まで成長してます。
企業は様々な経費を削りながら、成長しない売上の中で利益を生み出してきたんだと想像できますね。

そしても最も目立つのが「配当金」ではないでしょうか。これは株主に対する利益還元になります。
配当金は20年で6.2倍にまで成長しています。
一方で、成長の源泉であろう、従業員給与と設備投資についてどちらも0.96倍とまさかの20年前よりも減少傾向にある状況です。
これらトレンドから何が言えるでしょうか。

僕は配当金とは、これ以上の株価UP(キャピタルゲイン)に大きな期待をさせれないので、利益の一部を直接還元(インカムゲイン)する企業スタンスとも受け取っています。(アマゾンは創業以来ずっと無配当)
一方で、従業員への給与UPは恒久的な支出増加になりますし、設備投資も同様です。これらの投資については成長への確度が経営者の意思決定を後押しするものでもありますよね。
つまり、成長のドライバーである従業員給与や設備投資を行わず株主にばかり還元してきた経営者の意思決定に問題があったと見えませんか?

これまでは売上が停滞する中(1.07倍)、利益は増加(3.19倍)しており、その背景として経費を削ってきたことが読み取れました。
一方、従業員給与や設備投資はずっと低いまま停滞しており、削る部分がなくなってきた企業はどのように利益成長するのでしょうか。
失われた30年は40年-50年ともっと長期化していくのでしょうか...。

そしてそんな中、1.32倍と増加する役員給与。
彼ら経営者は1.32倍も給与UPを正当化するほどの正しい意思決定をしてきたのでしょうか。
皆さんも家計の貯金を増やそうとしたら、真っ先に電気代とか娯楽費などをどう削るか考えますよね。
経費を削った成長は誰にでもできる意思決定だと思っています。

さて、次の成長に向け、
経営者に求めるものは何でしょうか。

彼らからの「経費削減令」を聴きながら、彼らのみ給与UPしていく構図を維持することでしょうか。
もしくは成長ドライバーへの適正な投資でしょうか。


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#まいにちMBA #金曜日はカネ曜日

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