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「子育て×経済学」経済学者の育児テクニック紹介:自発的に学ぶ子供の育て方

こんにちは #金曜日はカネ曜日
ファイナンス担当のけんたろです。

今回は”子育て×経済学”に関するnoteです。
経済とは人間の様々な活動を分析する分野なので、政策や金融の状況により人がどう動くのか、を考えることは経済学者の十八番ですよね。
そんな彼らが、自身の子育てに経済学の知見をフルに取り入れた事例が大変勉強になるのでご紹介します。
今回のケースは実は僕も、自分の子供の教育方針に参考にしていて、
この前のお父さん世代と飲み会の時に紹介したらすごい共感をいただいたのでnoteにまとめた経緯です。

飲み会の話題は「勉強しない子供をどうやって勉強机に座らせるか」

オッサン同士で席を囲みひとしきり仕事の話題が終わると次に議論になるのが子育て。
特に「どうやって勉強机に座らせるか」各家庭での悩みとノウハウを共有することもしばしば。
「勉強しなさい!」と大声で子供をしつけるケースもあるようで、皆さんそのあと後悔もしちゃうんだとか。これは日本人の特徴ではなく、グローバルに目を向けても同じ状況のようです。
そんな中、アメリカの資本家・銀行家・経済学者のウォーレン・モズラー氏による教育が大変秀逸なんです。

MMT(現代貨幣理論)の生みの親の一人 ウォーレン・モズラー

モズラー氏の偉業を知るにはまずはMMT(現代貨幣理論)を知る必要があるのかもしれません。
MMTについては以下noteで触れてますので是非覗いてみてください。

れいわ新撰組の山田太郎氏もMMTをベースに、「日本国債は国民の借金ではなく、政府の借金。国債発行が国家成長には必須。」等発言を重ねてますね。経済学者の中でも賛否が分かれているもののグローバルで支持を集めつつある理論になります。

ウォーレン・モズラー。MMTの生みの親とも言われる

モズラーが彼の子供に机に向かわせる教育手段の背景を知るためにMMTの一部を知る必要があります。
それは
「なぜ我々は貨幣の価値を信じるのか」という点です。

物々交換の証や、金兌換など従来は貨幣を裏付ける何かが準備されていましたが、現在は1万円札を銀行に持ち込んでも両替以外何も交換できるものはありません。

お題に戻して貨幣を信じる背景の答えとして、「納税義務の解消手段」という解釈があるんです。
国民は納税という義務を負っており、それを解消するため通貨を集める(納税義務が解消できない場合、暴力などの手段によって一定の不利益を被り生活が維持できなくなる)。
そして、国民それぞれがその行動原理で通貨を集め、交換を行う活動が萬栄することで、貨幣価値を国民間で共有するということです。

貨幣価値を信じるのは納税義務解消手段

政府が発行する通貨の価値を信じる上のSTEPは以下の通り、

  1. 政府は債務などの計算尺度として通貨単位を法定

  2. 租税の支払い手段として自国建ての通貨で支払うことを義務化

  3. 納税者である国民は通貨を集める(通貨価値が認識される)

難しい言葉が並びますが、税金によって人々は通貨の価値を認識するということです。
ではさて、長々と論理にフォーカスしましたが、子育て編です。

子育て×経済学「モズラーの名刺」

先ほど紹介したモズラー氏はMMTの理論を組み合わせ、子育てにあることを取り入れました。
モズラー氏の子供にお手伝いをするように言っても全く聞かずテレビかゲームばかりをやっていたとのこと。
モズラー氏はそんな子供たちにお手伝いに応じて彼の名刺を配布しだしましたどこの世の中に、父親の名刺を集めたい子供がいるのか…。
さてその効用とは。

モズラーの名刺。父の名刺を通貨のように取り扱いだす子供たち

図の通り、モズラー氏は、2つのルールを組み込んでいます。それが「月末に30枚の名刺を父へ返すこと」。そしてもう一つが「返せない場合、家から追い出す」というものでした。

つまり、子どもたちは30枚の名刺を納税するために毎月父の名刺を集めなければなりません。
そして、ただの名刺が彼らにとって生活必需品になっていくんです。更には兄弟同士で名刺の取引(お兄ちゃんが変わりに掃除をしてくれたら妹が1枚名刺を渡す)なども行われ、現在の経済活動に大変似た使われ方が見られるようになります。
これが「モズラーの名刺」という教育システムです。

僕は、この2つのルールが肝だと思っています。
①月末に30枚の名刺を返す=納税
②納税できない場合、追い出す=懲罰

「モズラーの名刺」を「パパの名刺」に変えて...

我が家でもこれを息子の教育に適応しています。
従来は、ドリルを毎日5枚完了するように宿題を課していましたが、時に疲れてサボっちゃったり、5枚全部やる前に集中力が切れたりするんですよね。
次の日に残りを課しても全くやらないんです。

そんな時に、モズラーの名刺を知り取り入れたのが「パパの名刺」です。
・ドリル5枚完了したら名刺1枚
・毎週日曜日に6枚名刺を返還すること
・返還できない場合、返還が完了するまでテレビ・ゲーム・iPadの使用を禁止
・(返還ができなくても翌週日曜日には6枚の名刺回収)
※僕は異動が多いので古くなった名刺を使っています

このスキームのおかげで、息子はサボらず毎日名刺をもらいにやってきます。
旅行などでできない日もあるので、その日のために数枚の名刺を大事に管理もしてます。お小遣いとかご褒美だとインフレしますよね。インフレしないいい仕掛けだと思いませんか。

「勉強しなさい」と言うより、勉強したらお得な(損する)仕掛けを講じたい

モズラーの名刺、いいな、と思ったら是非真似てみてください。各家庭のお子様がどんな反応になるのかとても関心がありますw
感想もお待ちしてます。経済学を教育に取り入れるって、ワクワクしますよね^^


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