現代詩「俺は空調風神」

サンエス社に改造されて俺は一匹の空調風神となったのだ

リチウムをハートに繋ぐと俺の扇風機が目を覚ます
体内を猛烈果敢に風が吹くのだ

鬱屈に塗れた自律神経よ
ヘドロのような鬱屈を
気化しろ気化しろ
俺は一匹の空調風神

太陽に挑め
汗をかけ
リチウムの心臓を滾らせろ
気化熱と陣風で
この鬱屈を吹きとばせ

俺の扇風機よ
風力を上げて
放熱しろ放熱しろ

君たち
何か言いたそうな目で俺を見ておきながら
目を逸らすのは止せ

言いたいことがあるなら言ってみろ
どうせ陰口を叩くなら
今この場で言ってみろ
いや やっぱり言わなくていい
聞くと凹むから聞かせてくれるな
それよりも言いたいことなど
忘れてしまえ
目を逸らせて
秘して黙せる程度の憤懣ならば
この風に流して忘れてしまえ

そう言ってやりたいけどよ

ああ失敗した失敗した失敗した
ああやんなっちゃうなやんなっちゃうな

嫌な汗をかいてるぜ
人間関係に失敗した冷や汗は
コールタール
臭うぜ 本当自分が嫌になる

まあいいさ
扇風機を回せ
忘れてしまえ
イッツオーライ
ノープロブレム
あんた誰だよ


ホッホーウ
ホッホーウ
俺は空調風神
吹き飛ばすぜ
俺とお前達の間を流れる鬱屈を

(現代詩「俺は空調風神」村崎カイロ)

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