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直観力

 人間には思考と感覚の世界と交流する二つのツールがある。思考は五感から物事を捉え、目に見える物理的な世界のツールであるのに対し、感覚は見えない世界、または意識の世界と交流するツールである。そして、この目に見えない意識の世界と交流する能力を直観力という。

 直観力が高い人は、日常的に閃きやインスピレーションを得やすいのが特徴的で、創造力が高い。このような人は仕事、生活、人生において画期的なアイディアを生み出して、大きな成功を収めることができるので、物質的な豊かさに恵まれやすい。

 そして、直観は五感で読み取れない情報を収集できるので、人に精神的な豊かさももたらしてくれる。人間は身体、心、意識から成り立っており、直観はこの三つの部分と会話するツールにもなっている。身体には自己調整システムが備わり、生活において必要な情報を収集し、それを脳に送り込んでいる。しかし、残念なことにその情報はほとんど五感で感じ取れない。直観力がある人は、その情報をキャッチし生活の中で活かせば、身体は高い免疫力と自然治癒力を維持できるため健康につながる。心には人の本当にやりたいことや望みがあり、直観力が高い人はそれを正確に読み取り、周りに左右されずに自分の生きたいように人生を送ることができる。このような人の多くは、情熱的で、自信があり、楽しんで生活を送ることができる。直観力が更に高い人は、意識(霊)の世界に入り込み、自分の人生や宇宙の真実を知ることができる。そうすると、意識が拡大し時空間にも縛られなくなり、本当の意味での自由を得る。身体が健康で、好きな生き方が実現でき、意識(霊)の自由が保たれていれば、人は自ずと精神的な豊かさを得る事ができる。このように、直観力は人に物質的な豊かさだけでなく、精神的な豊かさももたらしてくれる。そしてこの二つの豊かさは、人の幸福度と関わっている。

エネルギー、気、場

 直観力は個人だけではなく、社会にも根本的な影響を及ぼす。直観は五感がキャッチできない情報を読み取るので、その取り扱える世界はもっと広くて、深い。五感で捉えられる世界を4次元とすれば、直観はもっと高い次元の世界と繋がっていることになる。そのため、五感と直観では、物事への見方が全く異なってくる。文献では、直観について「推理によらず、直接的・瞬間的に、物事の本質をとらえること」と定義している。より良い社会は何かと考えた時に、直観力は我々にもっと創造的かつ、多次元的な社会づくりを教えてくれる。

 直観力は人により差はあるものの、誰にでも備わる能力である。

 多くの人は思考が邪魔をしてしまいそれが感じられにくくなっており、またキャッチしていてもスルーしてしまう人も多い。では、どのように直観力を鍛えるのか。その方法はいたってシンプルで、“心身ともにリラックスをすること”のみである。

ただ咲く

 こんな簡単なことかと感じられるかもしれないが、完全にリラックスまたはその状態を維持することは実は非常に難しい。それは、人は何かを考えたり、感情の起伏があったり、常に思考や感情の世界にいるからである。私は、この状態を一種の緊張状態と呼んでいる。思考や感情は自分で意識できるものもあれば、無意識的な、自分が気づいていない緊張状態も沢山ある。普段の習慣、価値観、固定観念などが強く影響していて、さらに心の傷や前世の出来事が影響を及ぼし根強く残っているものもある。特に、心の傷や前世に影響されている時は高度な緊張状態だと言ってもよい。

 それでは、どのような状態が完全にリラックスしている状態なのか。フロー状態はそのとても良い例であるといえよう。フロー状態とは、時を忘れ、一つの対象に完全に集中した状態をいう心理学用語である。人は、フロー状態に入り完全にリラックスしていれば、直観力は高まる。フロー状態を作り出すには様々な方法があるが、その中でも自然と交流することが有効な方法の一つだろう。

 自然に人間の原初状態があり、それが雑念のない状態ともいえる。人は自然と交流することで、抱えている負の感情、エネルギーが体から消えてゆき、そして新たなエネルギーがチャージされ、身心を完全なリラックスした状態に導くことができる。私が働いている百名馬場でのホースセッションでも、同じような体験ができる。私が馬は動く自然と言っており、自然と同等な影響を人に及ぼすのと、何よりもその影響が短時間で行われるということが大きな特徴である。ホースセッションに参加する人は、見るみるうちに元気が増していき、表情も変わり、自分への理解が深まると同時に、身心共にリラックスした状態に入る。参加後の状態は、元気、スッキリ、奥深いという三つの言葉で表せる。これらを味わうと、心地良い状態に包まれ、フロー状態と似たような体験ができる。実はこの心地良いリラックスした状態が、直観力が高まっている状態であり、自分の内側に深く入っていることにもなる。

ありのままで

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