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野球は表と裏のあるスポーツだけど、どちらにも同じように物語があるものだ

野球好きが、野球について思いっきり語るという先日のイベント「 #BaseBallTALK 」。

最所さんの三大事件⬇️

発起人の最所さんは(自称博愛主義の)ヤクルトファン、対談させてもらった私も(わるいおとこに騙されかなり身動きが取れなくなった状態の)ヤクルトファンなので、来てくださったゲストもヤクルトファンが多い、という普段(神宮ですら)味わうことのできない稀有な状況を堪能した。

そう、巨人ファンの5倍のヤクルトファンである

なのでここぞとばかりに・・・・

勧誘しておいた

ただし、勧誘の仕方が「傘、二段になりますよ…」というあまりに地味なものだったため、巨人ファンのお二人に「やっぱりヤクルトファンの方は誘い方がなんというか・・・控えめですね」と言われた。

まあそんなわけで、「ヤクルトあるある」でヤクルトファンのみなさまと共に深くうなずき、他チームのファンの方のスライドで「2019年シーズン、セ・リーグ順位の変遷グラフ」を見るたび、話の流れに関係ないはずのヤクルトが、シーズン途中に突然息だえる図に、一緒にため息をついた。

一方で、普段、特にシーズン中にはあまり聞く機会のない、他球団ファンのみなさんの「偏愛」を聞くのがとてもとても楽しかった。

例えば、ジャイアンツファン藤本けんたろうさんのこの事件。

坂本勇人「おれになにしろって話だよ」事件

以下、藤本さんのnoteより。

番組スタッフが坂本に対して、坂本がキャプテンに就任して以来、巨人が優勝してないことを触れたときに、坂本の放った言葉が『実際おれになにしろっていう話だよって思うこともあるからね』でした。

(中略)

一見、すごい無責任な言葉にも聞こえるんですが、実は日本ハムの栗山監督も、著書『稚心に去る』で、同じようなことを言っていました。

どうやって勝てるのか、どうやって優勝できるのかを考えに考え抜いて、徹底的にやりきった人しか口にすることができない言葉だなと思いました。

坂本も栗山監督も、共通して言っているのは『野球はそんな単純なものではない』ということ。

これを聞きながら私は、「ああ巨人だって同じなんだなあ…」と、思った。たぶん、生きてて初めて思った。

というのも私も一度、noteの観戦記でこの栗山さんの本と言葉を取り上げている。

この日はたぶん、先発は試合を作れず、ミスが出て、とるべきチャンスで取れず、という、まあ、いつものヤクルトの試合ではあったのだろう。

こういう日、つい誰かを責めたくもなる。だけど、その試合に明確な「戦犯」なんて、本当はいないのだ。栗山さんも、坂本も、きっと同じことを言っている。

私たちヤクルトファンから見れば、坂本なんてイケメンだし、ショートだし(それだけでレベルが高い)、ゴールデングラブだし、それなのに40本もホームラン打っちゃうし、モテるに決まってるし、キャプテンだし、全くもって非の打ち所なんてないように思える。

悩みなんてないんだろうなこんな完璧なオトコには、と、わるいおとこに引っかかったヤクルトファンであるところの私は思う。

だけど私からは見えないだけで、坂本だって、苦悩やプレッシャーを抱えているのだ。「キャプテンになってから優勝していない」なんて言われてしまったりするのだ。それはもしかすると、「山田が打っても勝てない」と言われたてっぱちと同じような苦悩かもしれない。そんなこと、こちら側は考えたこともなかったけれど。

何度も言っているけれど、野球は表と裏のあるスポーツだ。こちらから見る景色と、あちらから見る景色は180度違う。

こちら側のチャンスはあちら側のピンチで、誰かにとってシーズン最高の試合は、誰かにとってのシーズン最悪の試合だ。

だけど、あちら側に立ってみれば、あちら側の苦悩がやっぱりある。シーズン中は、そんなことを考える余裕も一切ないし、坂本が打席に立つたびに、ああいやだいやだ坂本だ、と思うけれど、オフになって一息つくと、そうか、坂本だって大変だったんだな、と、ハッと気づく。

なんか、そういうことに気づけたイベントだったな、と思う。

中日ファンの、ほりそうさん( https://note.mu/horisou ) の三大事件にて。

「嫌いだと思っていても、本質的に嫌いな選手っていないんだなあと再確認」

ああ、これなんだなあ、と、思った。

あの日の中日ファンからの拍手は、私も忘れられない。あの時のレフトスタンドは、信じられないくらいあたたかい雰囲気でいっぱいだった。

「あちら側」と「こちら側」の景色はいつも全く違う。なんだかんだで私が「あちら側」に行くことはきっとない。私はたぶんずっと、ヤクルトが好きだから。

それでも、「あちら側」にもしっかりドラマがあって、それに涙する人がいる。そして、偉大な功績を残す選手がいる。

その人たちに最後はいつも、敬意を持っていたい。それがきっと、スポーツという、エンターテインメントでの「戦い」なのだ。

他にも、阪神ファンの方が「まさか阪神が3位になれるなんて!!」というテンションで話していたのにものすごく親近感が湧いたり、ソフトバンクファンの「お金でいい選手を集めているように思われがちだけど、育成選手をしっかり育てている」という話に「・・・・・・・ですよね!!!!!」と、ひれ伏したり、見所が本当にたくさんあった。

野球を通して、笑うことも、涙することも、こうして共有する時間があるのは最高だな、と思う。年齢も、職業も、性別も違う人たちが、あらゆるバックヤードを飛び越えて、ただ「野球が好き」というだけで集えるというのは、やっぱりとても、ハッピーなことだ。

最後になりましたが、スタッフとして企画を考えてくれたり、当日スムーズな運営をしてくれたNFBの皆さん、お声がけいただいた「福ちゃん(ならびにスガノ)の話をするときだけアホになる」けれどもとっても聡明な最所さん、noteという素晴らしいプラットフォームと、場所を提供してくださったピースオブケイクさん、偏愛溢れる素晴らしい発表をしてくださった発表者のみなさんと、日曜日に足を運んで下さった参加者の皆さん、本当にどうもありがとうございました!

そしてnoteをいつも読んでくださるみなさんがいてこそ、こんな機会にもつながったのだと思います。いつもありがとうございます。

みなさんと野球への愛を込めて!


ありがとうございます…! いただいたサポートは、ヤクルトスワローズへのお布施になります! いつも読んでいただき、ありがとうございます!