企業のプロモーション戦略に踊らされるというのはあまり好きではない。いやずっとそういう仕事をしてきたんじゃないのか、何なら大学でも「マーケティング戦略論」（だったっけ、忘れた。）を専攻していたんじゃないのか、と思うのだけれども、だからこそなのか、もともとがあまのじゃくだからなのか、そういうのには振り回されないぞ！と、つい身構えてしまう。

だからレディースデーだろうがなんだろうが関係なく球場へ行くし、もちろんそういったものに踊らされたりはしない。

と、思った私は、10時には神宮に着いて５歳むすめとレディースユニフォームをもらってきゃっきゃしていた。ついでにイケメンぐっちパネルと写真を撮ってウキウキしていた。もちろんつばみの初恋サワーも飲んだ。ピンクヘルメット入りのフライドポテトも食べた。イケメンハンガーつきのTシャツを手に持って10秒くらいは悩んだ。（買わなかったけど）つまり、レディースデーは相当楽しかった。ありがとうございました。

しかし天気は雨。降り続く雨。これはいつぞやの横浜戦を思い出す・・

心折れたむすめは、「ひじき（うちのねこ）は今ごろあったかいおうちにいるんだろうなーいいなあーむすめちゃんもひじきとおうちであそびたいなー・・」と、言い出し、オットとむすめは先に帰ることになる。（寒い時というのはねこが恋しくなる。わかる。）

しかしそれだけ雨降り続く中でも、今日は見応えのある試合だ！と、思っていた。８回までは。雨の中でも心折れず、応援してよかった・・！これは応援したことへのご褒美のような試合だ・・！と、思っていた。８回までは。まさか、まさか、まさか、田代のホームランがこの目で見られるなんて思わなかった、まじでうれしい、このために寒い中残っていたんだな・・！と、思っていた。８回までは。

そう、その時の私は、９回表に、それまでの試合の記憶を全てなくすくらいのショックを受けるとは思っていなかった。まじで、まじで、まじで、このチームは一筋縄ではいかない、簡単には帰してくれない。

８回裏に田代のすばらしいホームランがあり、9-1になっていた、気がする。もう記憶は定かではない。違ったかもしれない。でもとにかくかなりの点差があった。

そこで９回、風張の登場である。大丈夫、風張だから。やや、前の横浜戦のことが頭をよぎりはするけれども、大丈夫、風張だから。

と、思っていたら、あれよあれよとヒットを打たれ、きわめつけの３ランを打たれる。「突然」招集されてマウンドに立ったハンサム松岡さんまでが打たれてさらに追加点を入れられる。9-5。なんだこれは。悲劇の前兆か。雨が冷たい。これは滝行なのか。誰か胃薬を・・。

ここで緊急登板のいしやまさまである。あまりの恐怖に（もはやあの時間に抱えていた感情は恐怖と呼べると思う）声もでなくなった私はひたすらに手を合わせていた。もう祈るしかない・・いしやまさま・・。

しかしそこはほんとうにさすがのいしやまさま。いやもうどうやって抑えてくれたのかはあまりの緊張でよく覚えていないのだけれどもとにかくびしっとばしっとしピンチを切り抜けて、最後しっかり抑えてくれたことだけは覚えている。

これに尽きる。

でも時間が経つとだんだん前半の記憶も蘇ってきた。ソフトバンク戦で打たれてしまった中尾くんが、リベンジの今日はしっかり無失点で抑えたこと。

そしてそう、荒木が１打席目にタイムリーを打った時はほんとうに飛び上がって喜んだのだ。思い出した。スタメン起用のチャンス、そして２アウト満塁の場面でのチャンス、個人にとってもチームにとってもチャンスのその場面で、しっかり走者一掃のタイムリーヒットを打つ！えらすぎる、まじで。

ここでもう一度思い出して欲しい、丸ごとスワローズに書かれていた荒木の名言を。（負けた試合のnoteだけれども。）

「失敗したことを、また練習するしかないんじゃないですか？あまりうまく切り替えられないですが、僕は引きずった部分があるからこそ、次に生かせると思っています。」

はい、この言葉、今日は風張に届け。

最後だけ生きた心地がしなかったけれど、何はともあれ連勝した。・・・連勝だなんて。ただ、勝つことが多くなってきたら勝つことに慣れてしまうんじゃないか、とか思っていたのだけれど、いやそんなことはない、さっぱり慣れない。やっぱり今日も、勝てればラッキーの心持である。修行は修行のままだ。

火曜からは、とうとう本物の山賊との対決。何卒お手柔らかに・・・。（そしてどうかどうかぐっちが元気に復帰しますように。）