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Passing

クリスマスがやってくる。もうすぐ2023年も終わり。早かったような、のんびりだったような。海端ドロシイです。

さて、今日はこちら。

「Passing パッシング 白い黒人」
2021年 Netflix アメリカ
監督・脚本:レベッカ・ホール
原作:ネラ・ラーセン
出演:テッサトンプソン/ルースネッガ/アンドレホランド

1929年の小説の映画化。

Passing = 通り抜ける

比較的色の薄い黒人が、白人のフリをして生きる。片方は、黒人としての自分を守るため。片方は、白人としての人生を手に入れるため。

1920年代。アイリーンとクレア。幼少期は同じ黒人社会で育ち、大人になってそれぞれの人生を過ごしていた。
ある日、高級ホテルのラウンジで出会う。そこから、それぞれの不安、寂しさ、安心さ、恐怖が少しずつ変わっていく。変えていく。変わらないために、少しだけ動く。

モノクロのまま進む映像が印象的でした。ピアノも印象的に、光と影のシーンを奏でてくれる。静かで、静かなのなすごく感情が見えてくる。苦しい瞬間、優しい瞬間、楽しい会話と、駆け引きのような会話。少しずつひび割れる天井と、落下していくいろんなもの。登る階段。降る瞬間。静かなのに、比較的短い映画なのに、ずっと苦しくて目が離せませんでした。
最後の曖昧さが、こちらに問いかける。それは、今も続く問題を、見られているような。


「やっとひらめいたわ。こわしてしまえば楽になるのだと」

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