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【物語に見る信じ込み】ワンダーウーマン1984

第1次大戦の時代を舞台にしたワンダーウーマンから60年以上の時間が経過した1984年に焦点を当てたワンダーウーマン1984。この中に、様々な「信じ込み」の情報が埋め込まれています。最近の映画に特徴的でもありますが、同時に情報開示的な面もあるので併せてご紹介します。

*ネタバレを含むので、作品をご覧になってから読まれることをおすすめします。

ーあらすじー
欲望と世情不安が渦巻く1984年のアメリカ。主人公ダイアナ・プリンスはその知性を活かしてスミソニアン博物館で働きながら、一方でワンダーウーマンとして悪と戦い続ける日々を送っていた。
ある日、FBIに摘発された密輸業者の盗品が博物館へ届けられ、その中に奇妙な「石」があることにダイアナは気づく。ダイアナの同僚である鉱物学者バーバラ・ミネルヴァの鑑定ではその石は当初シトリンで出来た胡散臭い紛い物と思われたが、台座にラテン語で「何でも一つだけ願いを叶える」と彫られており、ダイアナとバーバラが願いをかけてみたところ本当にその願いが叶ってしまう。
それと前後して、著名な事業家のマックス・ロードが現れダイアナ達に接近、隙を突いて「石」を館外へ持ち出してしまう。石をまんまと手に入れたマックスはその仕組みを逆手にとって願いを叶える力を自らのものとすると、会社の拡大を皮切りにその権勢を際限なく拡大、やがて全世界を巻き込んだ果てしない暴走へと突き進み始める。
「石」が持ち出され悪用されていることを察知したダイアナは、ダイアナの願いで復活を遂げたスティーブ・トレバーと共にマックスの追跡を開始。願いの代償で弱体化しながらもマックスを追い詰めてゆくダイアナだったが、そこに叶った願いが喪われることを恐れて寝返ったバーバラが立ちはだかる。

現代人の病理を象徴するバーバラ

スミソニアン博物館で働くダイアナの同僚としてバーバラが登場します。博士号を持っていますが平凡な見た目、大人しい性格と服装に眼鏡という研究者然とした雰囲気で、周りの研究者からも相手にされません。

「石」にダイアナのようになりたいと願ったことで、バーバラは周りの人からちやほやされるようになり、パーティに呼ばれてドレスを着るなどすっかり様変わりし、更にはダイアナのようなスーパーパワーまで手に入れます。

その代償として、ホームレスの人にまで親切にしていた心優しい素晴らしい性格が一変し、彼を差別し邪険に扱うようになったりします。

マックスの野望を止めようとするダイアナに最初は協力するものの、折角手に入れた素晴らしい力を手放したくないと思い、「チーター」となってダイアナの邪魔をするようになります。

バーバラの中にはどんな痛みが隠れているでしょうか。人から相手にされたい、ちやほやされたいという自己承認欲求、自分の凄さを示したいという自己顕示欲などが見て取れますね。

更にはダイアナと自分を比べる比較の意識や、ダイアナのようになれないことに対する嫉妬などがあるというのも分かります。これらは物質文明偏重になっていっている現代人に特有の病理を象徴しています。

「自分はそのままではいけない」という心理が、メイクしたり次々と流行りの服を買ったり、エステに行ったり、整形したり、新製品にどんどん乗り換えたり、派手なことをやろうとしたりと次々とキリのない欲を生み出しています。

人々がそう思うように、CMなどの宣伝がバンバン行われ、時代遅れになってはいけないという思いにさせるように恣意的な誘導がなされています。これによって地球の資源は余分に浪費され、いつまで経っても満たされない人々で溢れていくということが起きています。

最終的に「チーター」という獣に姿を変えてしまったバーバラが、人間性を失った人を象徴しているようにも見えますね。

マックスは集合意識が投影された姿

マックスは、CMにも出演する程のやり手事業家として石油会社を経営しています。しかし、その実態は殆ど投資詐欺に近いような状態にあり、それを打開するために、願いをかなえる「石」を手に入れようとバーバラに近づきます。

「石」は願いを1つ叶える代わりに自分が一番大切にしているものを失うことになるのですが、マックスは自らを「石」にするということを願います。それによってマックスは、人の願いをじゃんじゃん叶える神様のような存在になっていきます。

しかし、人々の持つ願いは必ずしも幸せに繋がるものばかりではなく、最終的に世界を征服できる数の核兵器を願った大統領のせいで、米ソは核戦争状態に陥ってしまいます。

世界中に向けてテレビ放送を発信できるシステムを使って世界中の人々の願いを叶えようとするマックス。しかし、核戦争で我が子を失ってしまうことを知ったマックスは、ギリギリのところで願いを取り消し、世界は救われ子どもと無事再会します。

最後のところでマックスの幼少期の回想が出てくるのですが、家庭内暴力で母は苦しみ、自分も叱責され、学校では人種差別を受けている姿が描かれます。そういった痛みの中で、見返してやりたい、子どもには成功した姿を見せたいという思いがマックスに上のような行動を取らせたんですね。

しかし、願いを叶えていく過程の中で仕事に忙殺され、子どもとは距離が出来ていきます。本当は父親と一緒の時間を過ごしたいという息子の願いを受け入れることができない状態になってしまっていました。

マックスを手助けするバーバラの様子からも分かりますが、二人は同じような痛みを抱えています。上にある自己承認欲求、自己顕示欲、比較の意識、嫉妬などですね。同じ痛みがあるので共鳴しているということです。

願いを取り消し、子どもと再会した時にマックスは自分が嘘をついていたこと、偉大ではないダメ人間なこと、間違いを犯したことを告白し、愛しているから帰ってきたと伝えます。息子は、「誇りなんて関係ない、大好きだよ」と応えます。

本当はただ愛し、愛される関係だったのに、色々な信じ込みがあることでそれが見えなくなっていたことにマックスは気付かされるのでした。こうやって盲目になっているのは、マックスに限った話ではないですね。

今の社会がこうなっているのは・・・

マックスの行動を見ていると、彼はすべてを自分の思うようにしたいというコントロール欲も象徴しています。現代社会が、一握りの人がその他大勢を支配するというピラミッド構造になっているのは、この「支配・被支配の意識」が我々の集合意識に色濃くあるということの反映に過ぎません。

「支配」に同意していないと言う人もいるかもしれませんが、お金のために働くという行動を取っているとしたら、それは結果としてこのピラミッドの維持に加担していることになります。

この「支配」と闘っていると言う人も同様です。反対するという意識は、反対される「支配」というものがなければ成立しないからです。正しい・間違っているの二元論ではなく、そんなものはそもそも無かったというところに立てるかどうかが重要です。

ダイアナは、マックスと対峙した時に言います。「この世界は美しかった、ありのままで。すべては手にできない。でも真実は手に入る」「周りをよく見て、あなたの願いの代償は?」「ヒーローはあなた。今日を救えるのはあなただけ」

これは、マックスに対してではなく、放送を聞いている世界の人々に向けてのメッセージです。「ワンダーウーマン」でも書きましたが、ヒーローが一人いるだけで世界が救われるようにはなっていません

このお話の中の世界の人々は、イコール現代を生きる我々の事を指しています。本当に世界が変わるかどうかは、外側の出来事がどうのではなく、我々一人一人が自分の内面に抱えた痛みに気付き、それを消化することにかかっているということを伝えてくれています。

この映画のように、「石」を使って外側で起こることを変えようと思っても変わりません。痛みのない意識でいられる状態に内面が整った時、初めて外側で起きることが変わっていくのです。

今日を救うヒーローになっていきたいという勇気のある方、その入り口となるセッションのお問い合わせは下記まで。

musuhi17_gmail.com        _を@に変えてください。

(おまけ)WW84に埋め込まれた情報とは

お話の後半でGBS(Global Broadcast Satellite)という世界放送システムが出てきます。マックスはこれを使って世界中に願いを言うようにテレビ放送で呼びかけます。

これは、いわゆる緊急放送システムのことであるようにも見ることができますが、実際に劇中で起こっていることはテレビの放送を介した集団催眠、マインドコントロールですね。

これは支配者層がそういうことができる技術を持っている、ということを暴露しています。具体的に使用されるのは〇Gの通信システムと人間の体内に投与されるある物質なのですが、そのことに気付かれた方はいらっしゃるでしょうか。

今の社会で起こっているある大きな問題に警鐘を鳴らすために2020年末に公開されていると言えば、ピンとくる方もいるのではないでしょうか。そして、タイトルにある1984というのがジョージ・オーウェルの小説を指しているということもすぐに分かりますね。

つまりはそういう世界にしていく準備が着々と進んでいるので、引き起こされる事件には意図があるので注意してくださいというメッセージなのです。このことに気付く方が一人でも多くいれば良いなと願っています。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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