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心理職地方公務員のススメ 第2章3節~論文の執筆~

割引あり

 こんにちは。むーとです。
 3月、いよいよ別れと出会いの季節となってまいりました。
 
 将来心理カウンセラーになりたい人、心理学部の大学生の人、またはそうしたお子様を持つ保護者の方にお伝えしたい内容を書いていきます。
 浅学な上長いため、読んでいただき心理職に興味を持っていただけると幸いです。


はじめに~前回記事紹介~

 当記事は、以前投稿した「心理職地方公務員のススメ」をお読みになってから当記事を読んでいただけるとより内容を理解しやすいかと思います。
↓最初の記事はこちら↓

↓前回の「心理職地方公務員のススメ」はこちら↓

今回のテーマ「学生時代にすべきこと」

 今回は前回と前々回同様、地方公務員試験の心理職を受験するうえで、私がこれまでにやってきたことを通してするとよかったことについて話していきたいと思います。
 大学生の公務員試験かどうかにかかわらず、大学生の就職活動において「学生時代に力をいれたこと」:通称ガクチカが非常に重要な要素となってきます。
 そこで、私自身の経験を通して、心理職公務員にとって重要でかつ学部生にも積むことができる経験を紹介していこうと思います。参考になれば幸いです。
 私が大学生の間にしていたことで、公務員試験の心理職を受ける上で重要な経験であったと感じたことは、①ボランティア、②塾講師アルバイト、③論文の執筆でした。
 今回は前回の②に引き続き、この③論文の執筆について紹介していきたいと思います。

大学生が論文を執筆するメリット

 大学生活で論文を書いたことがあるという人は少数派かもしれません。書いたことがある人でも、卒業論文が必修単位だったために仕方なく書いたという人もいるでしょう。
 ですが、論文の執筆には、自分の意見や発見を査読者や審査員といった他者が理解できるように、論理を構築し文章を推敲することが求められるので、論文の執筆をすれば就活や日常生活に必要な様々な能力を鍛えることができます。具体的には、論文のテーマを決めるための課題発見力や創造力、論文を書くための論理的思考能力や情報収集能力、期日に間に合わせるための計画力と実行力、査読者や審査員を納得させる発信力などが身につくと思われます。
 これらの力があることは、公務員試験はもちろん、大学院試験や一般企業就職など、様々な面において自己PRやガクチカの素材として用いることができます。そのため、今回の節は、心理学部生だけでなく、すべての大学生にお勧めできる内容となっています。
 しかしながら、論文の執筆は大学院生でも博士後期課程でもなければなかなか経験することがないでしょう。
 そこで、学部生が論文を書きたいと思ったときにどうすればよいのか、紹介していきたいと思います。

学部生が論文を書くには

 人間、誰しもが行動のリソースを割くうえで重要なのがその行動の結果、直接的に利益になるか、ということだと思います。正直、自分の興味関心を明らかにすることだけを目的として論文を執筆してみたり、研究をしようとする方は少数派かと思われます。論文を執筆したら何が得られるのか、それが分からなければ労力を費やして論文を執筆する気にはならないでしょう。
 また、論文の書き方自体が分からない、論文を書いてどうすればよいのかわからないという方も多くいらっしゃるかと思います。
 そこで、論文の提出先によってどのようなメリットが得られるのか、どのようなデメリットがあるかを整理したものをご紹介したいと思います。
 今回紹介する学部生が主に提出できる論文の提出先としては、大きく分けて3種類になります。①学生懸賞論文大会(学内)、②学生研究奨励会、③懸賞論文大会(学外)の3種類です①に近いほど手軽に参加でき、③に近いほど参加のハードルが高いものになります。

①学生懸賞論文大会(学内)のメリット・デメリット

 おそらく、学部生が論文を執筆するうえで最も手軽な提出先であると思います。これは、大学が開催する学生懸賞論文大会のことであり、学生に優秀な論文を募り、画期的な発想を求める大会です。
例:松山大学、法政大学、獨協大学etc…  ※様々な大学が開催しているので、是非自分の大学のHPを確認するか、教務課や学生課に聞きに行ってみてください。


 メリット→1.受賞した賞によって、賞金や賞状がもらえたり、大学が刊行する雑誌に掲載されたりする。 2.知名度が低いことが多く、参加者が少なく受賞しやすい大学が多い。 3.そこまでハイレベルな論文を求められない。
 
 メリット1については説明不要かもしれません。賞を受賞すれば、お金と賞状がもらえることが多いです。お小遣い稼ぎになりますし、賞状や雑誌の掲載があるとやり切った感が得られ、自信につながるかもしれません。
 メリット2と3は、学内での大会であるため、受賞争いは、当然学内の学生同士になります。そのため、参加者が少ない大学では容易に受賞することができるかもしれませんし、そもそも学部生向けの大会であるので、③や④レベルのハイレベルな執筆力を要しないのはメリットであると考えられます。

 デメリット→1.研究実績としてはあまり役に立たないかもしれない。 2.テーマが決まっている場合、自分の専門分野ではないかもしれない。

 デメリット1については、やはり学部生向けのイベントで執筆する論文であるため、その受賞歴そのものを研究実績として語るにはややインパクトが弱いです。将来的に家族や友人に自慢する以外に役に立たないかもしれません。そのため、ガクチカとして語る際には、研究実績としてではなく、受賞にあたってどんな工夫や注意をしたか、何を学んだかなどを踏まえて語るのが良いと思います。
 デメリット2については、大学によって様々ですが、テーマが事前に決められていて、それに沿った論述をする必要がある場合があります。自分の学んでいる専門とは大きく異なるテーマかもしれません。これを0から考えなくていいのでメリットととらえるか、難しいのでデメリットととらえるかは人それぞれかと思います。しかし、専門と大きく異なっても書いてみれば意外と書けます。挑戦あるのみです。

②学生研究奨励会のメリット・デメリット

 こちらも、①に次ぐ手軽さの提出先の一つです。①とは異なり、提出し合った論文や研究の優秀さを競うためのものではなく、学内の研究奨励会が学生がより気軽に研究できるために支援を行う会やイベントのことです。
例:大阪大学「学部学生による自主研究奨励事業」、明治学院大学「白金心理学会 研究奨励事業」、島根県立大学「学生研究奨励事業」etc…※こちらも、大学によって、様々な事業名で実施されたり、学内の特定の学部内の学会が実施する場合もあるので、ぜひご自分の大学にあるか確認してみてください。

 メリット→1.好きな研究ができ、それが形として残ることが多い。2.そこまでハイレベルな論文を求められない。

 メリット1は、基本的にほとんどが計画書を送り、審査に受かればお金が支給されてそのお金でフィールドワークやアンケート、制作などお金のかかる好きな研究ができるということです。疑問に思ったことを形に残しておくことができることは達成感の獲得と自尊心の向上につながるかもしれません。
 メリット2は①と同様の理由です。割愛します。

 デメリット→1.準備が多く大変。2.研究実績としてはやや微妙に役に立たないかもしれない。
 デメリット1は、まず計画書を作成、提出、審査が通れば支援金を貰い、研究や実験を実施、結果をまとめ、事業の指定する場所やタイミングでの研究内容の発表をし、支援金の余剰金を返却するなど、何から何まで準備と後片付けが多いということです。
 デメリット2は、①と同様の理由です。割愛します。

③学生懸賞論文(学外)のメリット・デメリット

 ③は、①,②よりも大幅にハードルが高いですが、その分もし受賞できた時のメリットは計り知れないものになっています。学生懸賞論文の主旨は①と同様であることが多いですが、法人や、企業が主催し、競う相手が学内の大学生だけでなく全国の大学生と大学院生が相手になるというのが①との大きな違いです。その分、受賞した場合の賞金は高額な場合があります。
例:クミアイ化学工業株式会社、ヤンマーホールディングス株式会社、北野生涯教育振興会

 メリット→1.多額の賞金が獲得できる可能性がある。2.受賞歴が自身の経歴として大きく残る。

 メリット1については、①に比べて賞金の規模が大きい可能性があります。①は1万から10万円、高くても30万円の賞金を用意している大学が多いですが、③の例のクミアイ化学工業株式会社は最高30万円(2024年3月13日現在)、ヤンマーアグリ株式会社は最高100万円(2024年3月13日現在)と、高額な賞金を用意されていることが多いです。もし獲得できれば、学費や研究、遊びなど様々な用途に用いることができてよいと思います。
 メリット2については、①や②に比べて知名度が高く、受賞歴が栄誉ある自身の経歴として残る可能性が高いです。就職活動やキャリア形成で自己PRで用いることができるため、チャレンジしてみるとよいと思います。

 デメリット→1.難易度が高い。2.文字数や高い執筆力が求められる。
 
 デメリットは1も2も同じですが、学内の大学生だけでなく他大学の大学生も自信がある学生は皆応募するため、①や②に比べて受賞難易度がぐっと上がります。それだけ多い文字数や執筆力、テーマによっては研究力とアイデアも求められるため、メリットに見合うだけのハードルの高さはあります。

EXTRA:学会誌論文のメリット・デメリット

 EXTRAはこれらの中でもトップクラスに難易度が高い論文の提出先になります。学会に提出する論文にも種類があり、学会の開催する大会発表や、学会の刊行する雑誌に掲載する論文など様々な種類がありますが、今回は主に雑誌に掲載する論文について紹介したいと思います。
 例:日本心理学会etc…

 メリット→研究実績が残る。
 
 メリットは研究実績が残ることです。査読付きの学会誌は研究職になるうえで必要不可欠ですし、研究実績が残ることは就職活動やキャリア形成で良い影響を残すでしょう。

 デメリット→学部生にはほぼ不可能なほど難易度が高い。

 デメリットは難易度が高いことです。そもそも寄稿には学会の会員になることが必要である学会が多数ですが、院生になるまで学会に所属できない大学も多いです。ゼミや研究室の指導教員の先生と相談して、院進学後や、卒業後に学会に加入し、執筆するのがよいと思います。

おわりに

 以上が、大学生が心理職になるうえで重要な経験である「論文執筆」の紹介でした。
 論文の執筆を一度でも経験すると、心理職だけでなく社会人になるうえで必要な様々な能力を身に着けられるので、一度チャレンジしてみることをお勧めします。
 研究者の方が書くような論文ほどハイレベルなものでなくとも、受賞できる可能性はありますし、大学の教授や企業のたくさんの論文を読まれた方に認められたという経験が次のチャレンジを後押しする自信につながるので、大変だと感じると思いますが、とりあえず書いてみましょう。

 ここまで閲覧していただき、ありがとうございました。
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