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感想 メインテーマは殺人 アンソニー・ホロヴィッツ 老婦人は自分の葬儀を申し込んだその日、何者かに絞殺されてしまった。ラストで一気に伏線回収。


ミステリー小説の中には、意図的に印象操作をしてみたり、卑怯な手口で読者に判断材料を隠すケースが少なくない。
本書は、そういうことは一切なかった。

探偵はホーソーンという変人だ。元刑事で、今も警察のために働いている。
助手に任命されたのが、本書の作者であるホロヴィッツだ。
ホロヴィッツは、この事件の顛末を小説にして発表することになっている。

ホーソーンは、最初に言う。
できるだけ正直にすべてを記述してくれと。

つまり、騙しや印象操作を禁じたのだ。

この態度はとても読者にとって公正だ。
読者は安心して、犯人捜しに没頭できる。

だが、最後まで僕は犯人がわからなった。

犯人と目星をつけていた男は、第二の殺人の犠牲者だったのだ。
真っ向勝負で負けたと感じた。

この小説の面白さは、その公正さにあると思う。
それでも犯人はわからないという点が素晴らしい。

老婦人は自分の葬儀を申し込んだその日、何者かに絞殺されてしまった。

さて、犯人は・・・

彼女は過去に事故を起こし子供を殺害している。
しかし、重い罪には問われていない。
息子が有名な俳優だ。

色んな疑惑が次々に浮かんでくる。
犯人らしき人物がたくさんいる。

第二の殺人事件が発生し
物語は加速する。

ここで新しいステージに入る。
この二番目の殺人で誰が殺害されたのかが大切になってくる。

そして、怒涛のラスト。
伏線は一気に回収される。

見事なミステリー作品でした。




2024 4 28



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