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感想 騎士団長殺し 全4冊  村上春樹 村上さん、ついに中二病?。エロエロエロ災夢。

賛否両論の本作ですが、僕は楽しかった。
だから、それで良いのですが、かなりぶっ飛んでいます。

僕は、この作品は村上さんが中二病にかかってるのではと感じました。
支離滅裂なのです。

後半の核となる部分。
それは、主人公の絵のモデル秋川まりえ13歳の失踪だ。

彼は、イデアである騎士団長の助言に従い他県にある病院に入院していた日本画の大家雨田具彦を見舞いに行く。

そこで騎士団長を殺害し他界に落ちるのだった。
そこは地下迷宮みたいになっていて、三途の川を想起させる川にいるカオナシに導かれ
その川を渡る、さらに進むと女が後を尾行してくる
まるで古事記の昔話のような場面
それが妹となり
最終的には、他県にある自宅の奥にある穴にたどり着き
鈴を鳴らし助けを求めると友人の免色が助けてくれ
秋川まりえも助かっているという話しだ

わけがわからない。

この妄想、中二病にしか思えない。

さらに、僕がそう感じた証拠をあげようと思う。

妻が不倫をし、彼は離婚することになる。
旅先で女と寝る。

夢を見る。
その夢の中で元妻をレイプする。
すると、元妻は妊娠し、それも付き合っている男の子ではないというのだ。
そういう確信があるという。

彼の思いがイデアとして降臨し形をなしたのが娘だという解釈

絵画の中の人物、騎士団長もイデアだ。

イデアとは、プラトン哲学で、時空を超越した非物体的、絶対的な永遠の実在と言われている
それが具現化したというのだ。

これが本作を中二病と評する理由です。

エロエロエロ災夢なのである。

エロい夢を見たら妊娠させたとかありえない。

村上春樹は、現在、70代半ばだ。
つまり、お爺さんだ。

純文学の書き手は、部分的に主人公に自己を投影させることがあると言われている
村上の小説には、よく人妻と寝たり、知り合ったばかりの女と寝る場面がある

本書も旅中に女と寝る。
田舎での隠遁生活でも二人の人妻と寝ている。

性描写も生々しい。

セックス依存症のようにも思える。

決定的なのは、絵のモデルである秋川まりえ13歳の胸を気にしすぎることである。
デッサン中に、乳首の話しをしたりする。

13歳の女の子に対してだ。
これはロリコンの変態的志向である。
村上さんからすると、孫みたいな年齢の女の子を性の対象としているのである。

この会話にはドン引きした。

そして、謎の人物免色(めんしき)さん。50代の男性、法外な報酬で「私」に肖像画を依頼してくる。谷を隔てた豪邸に住む男、秋川まりえ13歳を覗見している男。彼の元恋人がまりえの母で死の間際に意味深な発言を残したため、まりえを自分の子だと妄想しているのだ。

これもイデアのような気がする。
これは願望であり確認はしていない。

本当に、彼とまりえの母はセックスをしたのか。
それも夢ではないのか。

この謎の人物は放置される。

もし、本作がミステリーなら伏線を出しっぱなしの駄作になる。
回収が必要である。

「私は要するにイデアなのだ。場合により、見る人により、あたしの姿は自在に変化する」


と騎士団長は言った。
この言葉がやたらと気になる。

この物語のモチーフはそういうことではないのか。

あなたにとっての正しい思いをつかまえて、次々に貪り食べてしまうもの、そのようにして肥太っていくもの


免色なのではないか。
彼もまた、イデアであるのかもしれない。

2023 7 23



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