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野球の競技特性を捉えて、チームを強くする(1)

あくまで教育とコーチングを切り離した上で私の現在の考えを書こうと思います。

私自身、名古屋在住していた頃は、高校野球に関わっていました。
その後、NPB、現在はMLBで働いています。
アマチュアからプロ、そして世界トップを見てきたトレーナーはあまり多くはないのではないでしょうか?

教育的な側面を重視して指導されている方は、それは理想だよとまずは拒絶せずに自身がどのように今教えているのか、教えている情報が子供たちに対して本当に有益な指導なのかを常にアップデートして欲しいと思います。

以前、子供の運動能力を高めるために何させる?(1)という記事を書きましたが、これは、幼少期にスポットを当てた内容になっています。

今回はどちらかというと、それ以降、中学生後期から高校生に当てはまるかなと思います。

まずは、運動量の把握です。
前後はありますが、ほとんどの高校は平日4時〜7時ごろまで練習をします。
休みの日は、9時〜12時、2部練習の場合は13時〜16時ごろまでですかね。

特に練習後に個人練習がある場合があるので、練習時間がそれ以上になっている場合があります。

以前、サポートをさせて頂いていたある高校ですが、
冬場に全員で声を合わせて素振りをするという練習がありました。
そのチームに関しては、私は思ったことをアドバイス出来るポジションを頂いていたので、素振りに関して助言をさせていただきました。


皆さんに問います。
素振りってなんの為にするのでしょうか?


私は、自分自身のスイングを確認する意味合いが大きいです。
なので、自分がどの部分を確認したいのかを把握していないといけません。
それがないまま、数多くのスイングをするのは意味がない場合が多いです。

よく、私は算数に例えることが多いのですが、
小学生で、数字を数え、足し算、引き算、掛け算、割り算を習います。
それの応用として、因数分解や、2次関数などを学習していきます。

数字を数えるのがスイングだとしたら、ずっと数字を数えてはいないでしょうか?

私が助言をした内容は、
素振りから、ティーバッティングにグループ分けをして実施することでした。
チームで保持しているボールの数は限りがあります。
なので、ボールの他にバドミントンのシャトルでのティーバッティングも用いました。
野球のバッティングの中では、投手が放ったボールをどう上手く打ち返すかという競技です。
練習時間とその中の練習内容を考えると、子供たちが効率よく上手くなる余地があると考えました。
通常のバッティング練習を全員ができる環境があれば一番良いですが、場所も費用もかかるため、出来ることを逆算して考えます。

また、ボールを打つためのスイングも、どうしたら一番ヒットになりやすいか、ホームランを打てるのかを理解していないといけません。

メジャーリーグにも、そのスイングでヒットはなかなか打てないでしょ?という選手もいますが、現にメジャーリーグで何年も過ごしている選手がいることも事実です。
ですが、ほとんどの選手は共通しているスイング(例えば、インサイドアウト、コンタクト面を手首で返さない時間を長くする)は引き出しとして最低限持っているような気がします。
これは、メジャーリーグ選手に限らず、NPBで活躍している選手にも言えます。

しかしながら、昔からのスイングの教え方ではそれらのスイングを覚えさせるのはかなり難しいです。断言できます。スイングに関する考えの根本が違うからです。

日本の良さも知っている指導者が、それらも教えることができたら鬼に金棒だなといつも思います。

上達するアドバイスを適切に、的確に教えることで、反復し体に覚えさせる回数も減らすことができます。

常に練習時間いっぱい練習しなくても良いのです。

筋肉量が多いほど、スイングスピードが速いことはすでに証明されています。

また、ホームランを打つために必要な条件(打球スピード、角度)もわかっています。

学校生活と練習でヘロヘロになっていては、体は大きくなりません。

自分の経験と、現在までにわかっている情報をアップデートしていってはいかがでしょうか?

こんなに野球というスポーツが分かってきているんだと驚くとともに、指導することにワクワクが止まらなくなると思いますよ!




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