見出し画像

12.夜中のトイレ介助放棄⁈…した訳ではありません!

泊まり込みの見守り介護初期任務のひとつは、深夜のトイレ介助でした。
一応、小さい電気は点けているけれど、段差もある薄暗い中を一人で歩かせるのは危険だからという理由です。
最初の頃は、母姉妹と私の3人で予定を合わせて交代でやっていました。

しかし、いまだに現役で働く我が父はもちろんのこと、義叔父も当時はまだ現役。
母と叔母が、ばあちゃんちへ泊まると、それぞれの夫の世話が手薄になります。
自分でやらせればという考えもあるけれど、そこは昭和の夫婦なので、まあそういうことです。

交代で泊まる中、娘である二人は、ばあちゃんの世話をする緊張感の他にも、深夜の騒音に参っていました。
それぞれが割と静かな住宅街にある我が家や叔母宅と違い、ばあちゃんちは真裏に県道が通っているため、昼夜問わず車の往来があります。
さらには、ばあちゃんちの塀沿いが近所のゴミ集積場になっているので、早朝から通りすがりの車が、キッと車を停めて、ドサドサとゴミ袋を投げていく音が頻繁に聞こえてくるそうです。

一方、私は割とどこででも爆睡できるタイプ。
「聞こえてくるそうです」と書いたのは、そんな音、爆睡してて聞いたことがないからです。
また、私は独身でもあるので、世話をする家族もいないので、泊まりがけでの見守り介護適任といえました。
それで少しずつ、私が泊まる日を増やしていきましたが、ばあちゃんのか細い声ぐらいでは私は起きません。
叔母が、飾り棚からお土産品の大きな鈴を見つけて、それをばあちゃんの枕元に置いて、私を起こすように伝えました。
その鈴の音で夜中に起こされて、トイレの介助はそこそこうまくいっていました。

ところがある朝、祖母の声に目を覚ますと、すっかり朝になっていました。
ガバッと飛び起きた私は、慌ててばあちゃんに言いました。

「ばあちゃん!トイレは!」

ばあちゃんは、すでに着替えも終えた状態でベッドに腰掛けています。

「はー、夜中も朝も一人で行ったよ」

「ダメじゃん!なんで起こしてくれないん?」

ばあちゃんは静かに言いました。

「むーちゃんな、鈴鳴らして起こしたって、呼んだって、起きねぇんだもん」

そうなんです。
最初の数日は起きたものの、すっかりその鈴の音に慣れてしまった私は、ばあちゃんが鳴らしても全く気付かず、朝まで爆睡していたのでした。

「もう!なんのために泊まってるん。夜中にトイレついてってもらうためでしょうが!」

夜中一人でトイレに行かせたので、母に叱られましたが、私がちょっとやそっとじゃ起きないことは、重々承知の上ですからね。
それからも私は夜中にばあちゃんに起こされても全然起きなかったので、そのうちに、ばあちゃん自身が介助なくても一人でトイレに行けるようになってしまいました。
結果オーライだったのでしょうかねぇ…。

その後、二度目の脳梗塞になり、排泄機能が低下して紙おむつになったので、トイレ介助任務自体なくなりました。

自分としては、一生懸命、真面目にやっていたつもりですが、熱心にしっかりきちんと介護されている皆さんからしたら、私はばあちゃんと喧嘩するし、起こされても起きないし、かなりマヌケな介護する人だったなぁ…としみじみ思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?