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16.「青汁」で野菜摂取…になる訳ないでしょっ!

念のため、先にお伝えします。
これは青汁の悪口話ではありません。
青汁を嘘?に利用した祖母の話です。


ばあちゃんは、自宅の庭や川岸で野菜を作っている割に、自分は野菜を食べたがらない人でした。
一緒におそばやうどんを食べに行くと、必ずネギは残していましたし、定食とかセットメニューだったら、サラダはほぼ食べず、「食べていいよ」と私によこしました。

病気になってからは、周りが意識して食べさせるように心がけてはいましたが、自立を促して本人に作らせると、ほぼ野菜を使わずに料理していたようです。

「そんなだから、病気になるんだ!」

そう周囲は躍起になって、野菜を食べさせようと試行錯誤しますが、ばあちゃんの耳には馬耳東風なのがまたイラっときます。
そんなことを繰り返すうち、いつしか食卓の片隅に『青汁の粉』が置かれるようになりました。
野菜不足を補うために購入したとか…。
そこから【ばあちゃんの言い訳劇場】開演となりました。

私「ばあちゃん、野菜ちゃんと食べてる?」

祖母「食べてるよ」

私「本当?うどんとかラーメンの薬味にネギ入れてる〜ぅ?(ネギを入れてない事は裏トリ済み)」

祖母「(ばあちゃん、コンマ数秒無言のうち)あのさ、青汁の元をさ、買ってきて飲んでるんだよ。だから、野菜摂ってるよ」

私「(青汁の箱を覗きつつ)本当!青汁飲んでるの!じゃ、今飲む?」

祖母「今はいいや。はー、さんざになった」

次に会った時も、ほぼ同じ会話が繰り広げられました。
会話だけならいいですが、青汁の箱の中身もほとんど変化なしでした。
あのね、青汁は買っただけじゃ、野菜摂取したことにならないから!

結局、ばあちゃんの野菜摂取免罪符となっただけで、青汁は賞味期限切れとなり、処分しました。
晩年になっても「青汁飲むから出してくれ」という言葉は一度も出やしませんでした。
今頃、「バレてたか…」とあっちの世界で吹き出していることでしょう。
そりゃバレるよ。
だって、これでもばあちゃんの食生活には、うるさいぐらい気を使ってたんですから。
亡くなって3週間ほどですが、一生懸命言い訳する声はつい昨日のように、私の耳にまだ残っています。

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