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こう見えてセンシティブなもので、ちょっと荷が重かったです。

皆さんは、平成21年(2009年)に始まった裁判員制度を覚えていますか。
と、聞きたくなるぐらい、身の周りでは話題にならないですよね。私もほとんど忘れていたのですが、令和3年(2021年)の11月にいきなり、「あなたは令和4年の裁判員候補者名簿に記載されました」というお知らせが届いたのです。

ただ今、令和5年の6月。今年の2月を過ぎて、もう連絡がないことを確信し、一国民の感想文をここに記します!!
つまり、正式な裁判員には選ばれなかったわけです。

お知らせが届いた日から翌年の夏ぐらいまでは、いつお呼びがかかるかと落ち着かなかったわ。夏以降はほぼ忘れてたけど。

令和3年(2021年)11月 お知らせが届く
令和4年(2022年)1月~12月 この間いつ呼び出しがあるかわからない
令和5年(2023年)1月~2月 年明けにお知らせが届かなければ、終了

もし裁判員に選ばれたらどうなるのか、一応ざっと調べたことをここにメモしておきますので、さらに詳しく知りたい方は添付したサイトなどをご覧ください。(自分にお知らせが届かなかったら、さらに詳しく知りたいと思わない、多分)


令和3年(2021年)11月、お知らせが届く。

差出人は「最高裁判所」

封筒の差出人を見て、「裁判」などという非日常的なワードに心臓がドキドキ。お知らせの中身を読むと、
●現段階では、候補に選ばれただけで、正式に選ばれるまでにはこれからいくつかのステップがあるらしい。
●同封されている調査票に事情を記入して辞退することも可能。
と、とりあえず理解したこと少なすぎ。
いや、Q&A冊子を読めばもっとわかるはず。

なに?!名簿に記載されたことは家族とか職場の上司(裁判員になったら仕事を休まないといけないから)には言ってもいいけど、SNS等で公表することは法律上禁止されている!?こわい!
まだ裁判員にもなってないのに?
お役御免になったので、公表します。

では裁判員制度について、入門編です。

入門編ですので簡単に。平易な言葉で書くので、ニュアンス等、間違ってたらごめんちゃい。気になる部分は法務省のサイト等でご確認ください。

■裁判員制度とは
平成21年(2009年)にスタート。もう14年も経ってる。
それまでの刑事裁判は裁判官3名で刑を決めていたが、導入後は国民から選ばれた裁判員6名も加わって決める。広く国民に参加してもらって庶民の視点、感覚を反映し、公平な裁判を行い、司法に関心をもってもらうことが狙い。対象となる事件は、殺人、強盗致死傷、危険運転致死、放火、保護責任者遺棄致死、覚醒剤取締法違反など結構ハード。

■裁判員が選ばれるまでの流れ
①裁判員候補者名簿の作成(秋頃)
衆議院議員の選挙権を有する人の中から毎年くじで選ぶ。

②候補者への通知・調査票の送付(11月頃)
ジャンケンにはほぼ負けるし、懸賞とかもまず当たらない私に通知が届いたのは令和3年(2021年)11月。翌、令和4年の1年間の裁判が対象。
辞退したい人は調査票に記入して返送する。1年間を通じて辞退したい・特定の月は対応できないなど、記入できるが、少々のことでは辞退の理由にならない印象。原則辞退はできない、と書かれている。私は特定の月のみ対応できない旨を書いて返送。

重い病気でずっと入院しているような場合は、裁判所に行くこと自体が困難だが、親の介護・子育て・仕事が忙しいなどの理由では、「代わりに介護や子どもの面倒を頼める人がいなくて、大変なことになる」「自分が裁判中に仕事から外れると事業に大きな損失が生じる」ということを証明する書類等が必要になる。

裁判員に選ばれて裁判所に行くのはトータルで5日ぐらいだそうだが、その5日に代わりの人がいないということはないでしょう~~ということらしい。もちろん「裁判員に負担がかかり過ぎないように考慮します」ということは繰り返し説明されている。

調査票を返送したあとは、私たちは何もしなくてよいが、調査票を考慮しながら事件ごとに候補者名簿の中から再度くじで裁判員候補者が選ばれる。
事件によって異なるが、1事件につき約60名ほどが選ばれるらしい。
とにかく くじ!


③選任手続き期日のお知らせ・質問票の送付(手続き期日の6~8週間前)

候補者名簿の中から選ばれた人にお知らせが届く。
このお知らせを「呼出状」というが、単なる用語で、エラソーに呼び出すという意味ではない(と説明が書かれている)。手続きに持参する質問票には辞退の希望が記入できる。

お知らせを受け取った人は手続きのために指定された最寄りの裁判所へ行く。この時点ではまだ裁判員になったわけではなく、事件の概要や裁判の日時を聞き、対面で辞退の希望などが質問されたりしたあと、最終的に6名の裁判員が選ばれる。選ばれた裁判員は「宣誓」をして、裁判当日に臨む。
私に届いた資料によると、令和2年(2020年)に裁判員等(裁判員&補充裁判員)に選ばれた人は約7,000人。確立としては約0.01%だそうだ。

このお知らせは裁判員裁判の対象となる事件ごとに送られてくるので、該当する年の12月に発送されると年が明けてから届くため、私の場合は令和5年(2023年)の2月頃までは気が抜けない、ということになるわけだ。

私は選ばれていないので、実際の裁判がどういうものかはわかりませんが、次のサイト内にある動画で説明されています。

感想を思いつくままに書いてみる。

・事件関係者からの接触や働きかけを防ぎ、裁判員を保護するために、裁判員には守秘義務がある。裁判員になったことを家族や身近な人に話すのはOKだけど、SNSなどで公開してはいけない。刑を決める話し合いの中でだれがどんな意見を言ったかとか、資料から知った被害者などのプライバシーは話してはいけないけど、法廷で見聞きしたことや感想は話してもかまわない。なんだか境界線が微妙で、結局、後々話題にはしづらいことなんでしょうね。これがイマイチ制度が浸透しない理由の一つかな。

・「法律の専門知識は必要ありません。随時裁判官が説明します。気を楽にして参加してください。」的なことが書かれているけど、他人の人生に関わる刑を決める場に参加するんですからねえ。複雑な心境です。

・裁判官と裁判員の話し合い(評議)の場では、庶民感覚で、どんな意見を言ってもいいそうで、いろんな意見が出たほうがよい。発言を無理強いされるわけではないけど、話し合いとかが苦手な人は疲れるでしょうね。

・「疲れる」といえば、私が一番引っかかっていることなんだけど・・・公開の法廷で裁判員は裁判官と並んで座り、被告人と対面します。そして、事件に使われた証拠品や現場の写真などを見ます。模擬裁判の動画にもあったけど「これはあなたが使ったナイフですね?」と、ビニール袋に入った血の付いた現物を見せられるわけです。
『科捜研の女』でも観て、免疫つけといた方がいいかなと思った。あまりに悲惨な現場などはイラストにすることもあるし、精神的に不安を感じる人のための相談センターもあるという。

今の時代、病院へはかかっていないけど、センシティブな状態にある人は多く、そのあたりの配慮は私が見た限りでは見つけられなかった。病院に診断書をもらうほどではないから、辞退したい理由として強く主張するしかないみたい。

・経験者の声として、「貴重な経験ができ、参加してよかった。迷っている人には勧めたい。」といったことが書かれている。確かに意義あることかもしれないけど、裁判官を育成する仕組みの見直しは、されているのだろうか。司法の分野に関しては全くの素人なので的外れかもしれないけど、「庶民感覚をもった(世間を知っている)裁判官」を育てる方が先のような気がする。

*****

私自身は裁判員に選ばれなくてホッとしたような、ちょっと残念だったような。でも、少なくとも、これをきっかけに裁判員制度に関心をもつことはできた。今後この制度がどのように変遷するのか、気にはなるだろう。そして、候補者名簿は毎年くじで作られるので、一度名簿に載ったり、裁判員になったりしても、また選ばれる可能性はあるそうだ。

もし裁判員になったら、貴重な体験だろうけど、殺人事件とかは後引きそう。有罪か無罪か真剣に考え過ぎて、きっとしばらく寝つきが悪くなるわ。そんなに真剣に考えなくても~いやいや、気軽に参加しちゃいかんだろう。

現段階では私は賛成とも反対とも言えない微妙な制度。裁判員になった人は真剣に取り組み、意義を見出すということなのだが…人の人生に思いを馳せすぎて自分の人生をこじらす人が増えなければいいですが。

●裁判員制度Q&A  ここを見ておくだけでもいいと思います。


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