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人生を好転させる8つのステップ

10月11日のnote『自分を見ている本来の自分』の続きです。

今更ながら「私は私でいいじゃないか!」と腑に落ちた私は、結局、夫を怒らせないようにご機嫌を伺い、言動に振り回されて、「私は何もできない人間なんだ」と思っていました。30年近く。

実際、30代のころだったか、夫婦喧嘩をした時、夫に
「自分は何もできない人間だと思っとけばいいんだ!!!」
と言われました。
たぶん、私が何か知ったふうな物言いで口ごたえしたんだと思います。

そこまで言わんでも~と思います。モラハラ。今でも時々思い出す。

でも、おかしなことに私、仕事や人間関係など、社会生活で起きる苦難にはめっぽう強く、あまり思いつめず流して気分を変えたりできるのに、なぜか夫が相手だとそれができない。

夫を前にすると「私って、なんてダメな人間なんだ」と思ってしまう。
その「私」は、夫との関係で作られた、夫の価値観にフィットしていない「私・自分」だというだけであって、それが私のすべてだと思ってはいけなかったんだ!(気づくの遅!)

だれの中にも、純粋で、素直で、自由で、満ち足りた存在である「本来の自分」がいるそうです。ところが多くの人は、長年かけて「本来の自分」の周りに悩みや思い癖や、ストレス、エゴといったものを幾重にもまとっていき、そうしてできあがった「自分」が自分のすべてだと思って落ち込み、自暴自棄になり、エスカレートすれば相手や周りを恨み、怒りをぶちまけ、悩みの根っこが何だったのかもわからなくなる。

私も、結婚するまでの生き方の癖に加えて、面倒くさい夫とのやり取りの結果できあがった妙な癖が蓄積されて今に至っているわけです。
結婚するまでの生き方の癖・・・一言で言うと、いろいろ不安で心配。これは超心配性の母のせいにしている。何でも自分でやってみたいのだけれど、「危ないからやめておきなさい。」という呪文にさえぎられ、結局、大学卒業を期に爆発(教職に就かず、自分のやりたいようにした)。

面倒くさい夫と結婚してからは、母の呪縛から解放されるかと思いきや、また違った角度からの呪文に遮られ、わけが分からなくなった。
怒り、自信喪失、不安、迷い・・・この人といる時が一番心が安らぐんです、と言って結婚する人、すごい。

あなたの体の周りに幾重にもまとわりついているものは何でしょう。

体にまとわりついている怒り、自信喪失、不安、迷い・・・こういったものをいったん忘れ、頭に昇っている血を下げると(これがなかなかできないのだが)、何もない。自分がいるだけだとわかる。

この幾重にもまとったものを薄皮をはがすように一枚ずつ剥がしていくとどうなるか。

そう、純粋で素直で、自由で満ち足りた「本来の自分」が現れるんです。

ほんとうに?

●●本来の自分をみつける8つのステップ●●

「本来の自分」をみつける(知る)ことは、ヨガの大きな目的です。
そして、どうやってみつけるかを体系立ててまとめたのが八支則はっしそくという8つのステップ。4~5世紀ごろにまとめられたヨガの代表的な経典『ヨーガ・スートラ』に書かれている考え方・教えですが、誰もが実践できるものです。

昨今のヨガブームで、ヨガとはいろいろなポーズをとって体を動かすことだと思われているかもしれませんが、ポーズは大切な部分ではありますが、それがヨガのすべてではありません。そして巷のヨガ教室では、この宗教的な要素も含むヨガの考え方について積極的に教えなかったからこそ(インストラクターを目指す人は学びます)、ここまでヨガが一般の人たちの間に普及したとも言われています。

日本人は「宗教」と聞くとよくないイメージを抱きますが、ヨガが意味する「宗教的なもの」というのは、すべての人間が持ち合わせている根源的かつ普遍的な「生き方に対する思いや願い」といったことを指します。

では、八支則。

ヨガに縁のない方に知ってもらいたいので、サンスクリット語に基づくカタカナ表記は大切な部分にだけ使い、簡単な言葉で紹介します。


①ヤマ(禁戒) 
日常生活で行わないように気をつける5つのこと

非暴力:殴るとかだけでなく、言葉で相手を傷つけたり、精神的に追い詰めたりしない(聞け!宇宙人👽)。もちろん、動物も自分のことも傷つけない。
誠実:素直に、正直に。嘘をつかない。
盗まない:物を盗まないだけでなく、時間も。遅刻したら、相手の時間を盗んだことになる。
禁欲:性欲、食欲、物欲、出世欲?あらゆる欲望に溺れない。○○し過ぎない。 
不貪ふとん:むさぼらない。必要以上に物を欲しがらない。欲しがる気持ちは「執着」。過去にも、人間関係にも、いつまでも執着していると苦しくなる(私)。執着しなければ楽になる。

この5つは、ほとんどの人が子どもの頃から親に言われてきたこと。たしかに、嫌味を言って相手を傷つけ、素直でなくて、遅刻しまくって、あれもこれも手に入れたくて、他人からの一言をいつまでも根に持ってる人は、嫌われるな。でも、人間だもの。みんなどれかやっちまってる。

②ニヤマ(勧戒) 
日常生活で行った方がよい5つのこと

清潔:精神のやしろである身体を常にきれいに。精神面もピュアに。
足るを知る:自分はすでに満ち足りている存在であることに気づき、多くの物を求めない。欲張りにならない。
鍛練:精神を統一して一つのことを一生懸命行い、やり遂げる。
学ぶ:本来の自分、また世の中の真理を知るために物事を探求する。
ゆだね、手放す:こだわらず、受入れ、自然の流れを信じて任せる。

この5つもよく耳にします。人と比べれば自分に足りないものが目について「足るを知る」とはいかないし、「ゆだね、手放す」は特に難しい。
①ヤマと②ニヤマは日常生活でできることで、次からはさらに実践的になっていきます。③は体を動かし、④⑤⑥⑦は呼吸と感覚をコントロールし、その先に⑧の境地が待っている。

③アーサナ(坐法)  
ヨガのポーズをする

これが巷のヨガ教室などでしていることですね。
もともとヨガは、座禅を組んで瞑想することでしたが、行者でない人にとってはただ座っているように見えるポーズでも結構難しくて、それに慣れるために体をほぐすさまざまなアーサナが考え出されたと言われています。

一人でもできる修行ですから教室に行かなくてもよいのですが、体操の要素が多くなっていますから、怪我をしないように基本を教えてもらうことは大切です。教室でやり方がわかってきたら、家でも自分一人ででも、ご飯を食べるように、日常生活の一部となるように、たとえ10分でもいいからやり続けます。

④プラーナーヤーマ(調気法)  
呼吸を整え、エネルギーを巡らせる

プラーナ=体を動かすエネルギー。
③のアーサナでは体の動きと呼吸を連動させることを重視し、呼吸を鎮め、エネルギーの流れを整えます。

ほとんどの人は日常生活で自分の呼吸なんて、気にしていません。ヨガを始めて何年もの間、私も呼吸の大切さがあまりわかっていませんでしたが、④だけでもとても奥が深いです。

心身が不安定な時は呼吸が乱れ、逆に④を心がけることで心身を落ち着かせることができます。アーサナをしていなくても、呼吸を整えることを意識すると、新しい発見があります。

⑤プラッティヤハーラ(感覚制御) 
心や感覚をコントロールする

④を続けていると、自分がどんな時に心が乱れるかがわかってきます。自分の癖を知って、外部からの刺激に影響されないよう、感覚をコントロールできるようにします。

⑥ダーラナー(集中) 
一点に集中する

瞑想のはじまり。
ここ数年、流行のように「瞑想」が取り上げられますが、それだけ心がざわつく人が増えているのでしょう。
瞑想教室では「何も考えないで~」と言われますが、まず、無理でしょう。仕事のこと、やり残した家事のこと、次々と思い浮かびますが、流して流して。「流す」ことは執着しない練習でもあります。そのうち日常とは違う新たな感覚がやって来るのもおもしろいものです。
自分の好きなことや趣味に没頭している時も一種のダーラナーの状態です。

⑦ディヤーナ(瞑想) 
集中が心地よく深まり、一定時間持続する状態

⑥が深まると、自分と外界の境目がなくなったような不思議な境地に。日々慌ただしい生活の中でわずか10分でも「瞑想」の時間をもつことは、体や気分がすっきりしたり、仕事がはかどるようになったりと、私たちによい影響をもたらしてくれます。

⑧サマーディ(三昧) 
瞑想が深まり、自然と一つになった状態

⑦がさらに深まれば、「宇宙と一体となった」などと表現される境地に。読書三昧、仕事三昧の「三昧」の語源です。しかし、ヒマラヤ秘境で修行するヨガ行者のような本物の瞑想状態=三昧にはそう簡単には到達できません。

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①と②は日常生活で心がける。③は教室に行ったり、今の時代はネット動画もあります。④から⑧は難しそうですが、独学も不可能ではありません。日本人が書いた古典の良書もたくさんありますし、最近はヨガ関連の雑誌も出ています。ネット動画の講座で学ぶこともできます。

私がヨガを始めた40年前に比べたら本当に恵まれた環境。
しっかりとした本や動画に出会えれば、それもまたマスター(師)だと思います。①から⑧まで基本を学んだら、全部がしっかりできなくてもとにかく続ける。やっているうちにいろいろなことがわかる、というか、感じられるようになります。

でも、人間なので、また心がざわざわします。ざわざわしたら、①から⑧を思い出し、どれもしっかりとはできないかもしれないけど、時間をみつけてやり続けます。出家しなくても毎日が修行です。

「ヨガとは日常そのものである」と言われます。ヨガの流派によって、アーサナか、哲学か、力を入れるポイントは異なりますが、決して難しくはなく、だれもができることであり、根底にはこの八支則があります。

目標は、意識しなくても①から⑧が自然にできるようになること。
でも私はたぶん、死ぬまでざわざわしたり、腑に落ちたり、行きつ戻りつで少しずつ薄皮をはがしていくのでしょう。そして最後の最後に「本来の自分」を知ることができたら、それでいいと思っています。

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●ヨガの世界全体を見渡すならやはり雑誌ですかね~。楽天マガジンなどでも読めます。








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