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こんにちは。Kiwi PR合同会社の植田聡子です。

観光×PRを中心とした仕事をしていますが、細々と続けているのは「キャリアコンサルタント」としての仕事です。

春になると、本当に増える「公務員の方からのキャリア相談」。
人事異動を控えて、自分の働き方を悩む季節なんですね。

守秘義務は絶対ですので、個々のご相談内容はお伝えできませんが、総じてよく見受けられるのが、「自分にはなんのスキルもないんです」という自信のなさ

競争のない非営利独占業であることは間違いないので、「セールス経験がない」「株主や投資家対応したことがない」「資金調達や金融機関との折衝をしたことがない」はわかります。でも、何年も働いていて「なんのスキルもない」っていうのはどういう意味なのでしょうか。

公務員で得られるスキル

公務員の方にも当然たくさんのスキルがあります。

  • 法令全般に関するリテラシー

  • 行政文書についての読解、文章作成(補助金申請)

  • 労務、労働法規に関する知識 

  • 税務に関する一般的な知識

  • 個人情報保護に関する知識

この辺りは、事務職の公務員の方なら最低限持ち合わせているスキルでしょう。それに加えて、各自に何らかの専門性が加わります。

  • 医療福祉行政(高齢、障害ほか)

  • 許認可業務(建築、法人設立ほか)

  • 産業振興(民間企業支援策多数)

  • 消費者行政(景品表示法ほか)

  • 教育行政(教育基本法ほか)

  • 環境行政(CO2削減ほか)

この掛け算があれば、民間企業でも十分通用するスキルになり得ます。

公務員に不足するスキルを自覚して補う

予算確保や人員確保以外では基本的に受け身になりがちなのが、公務員。

特に、「余計な仕事をしても、なんらメリットがない」ので、「仕事の部署間での押し付け合い」など、業務分掌(誰が何をする)にやたら厳格です。
要は「仕事を増やさないことに全力投球」なんです。

ルールを守ることに懸命になりすぎて、目的を見失いがちなこともあるあるです。

企業の場合、やりたい仕事をうまくやると、予算の裁量(部署内で使えるお金が増える)や年収アップなどの何らかのモチベーションがあるもの。

だからみんな頑張って、いい仕事を取り合う。

私もテレマーケティング企業にいた際は、セクションごとに競い合って、最も頑張った(=稼いだ)部署は、ハワイ旅行プレゼント、なんてのもありました。

柔軟性や企画力、行動力、ITスキルなどの姿勢は公務員にはやや欠けるスキルかもしれません。とはいえ、民間企業と一口に言ってもいろいろで、超大企業になると意思決定について「役所並み」のお堅さがある企業もあります。あまり心配せずに、何が苦手かを意識するだけでも全然違います。

一番の課題は何か

相談を受けながら一番課題だなと感じるのは、優秀な人材を「私はなんのスキルもない」と思わせてしまう職場風土ではないかと思います。

「あなたの強みはこんなところ」と本人に認識させず、3年くらいで脈絡ない人事異動でリセットさせてしまう。

その人事異動が悪いとはいいませんが、本人が自分の強み弱み、スキルを自己認識させる機会を与えず、組織としても認識しないまま、「飼い殺し」のような時間を過ごさせること。そして、自信を持たないまま「自分はよそで通用するスキルは何もない」と思わせて、組織に従属させること。

ここが一番根が深いのです。

広報界隈では2年くらいの経験の20代がガンガン活躍しています。活躍の場を与えられ、スキルも経験も足りなくても場数を踏みながら、どんどん成長していく人材を多く見ています。

一方、公務員は内部調整ばかりに多大な時間を取られ、自分の成長を実感させていない(実際は成長しているのに)。そんな組織風土こそ、一番の課題ではないかと思うのです。

ですから公務員の皆さん。客観的に自分の経験を棚卸しして、スキルを見える化しておくことは今後のご自身の働き方を考える上でプラスになりますよ。話しながら考えを整理していくお手伝い、私でお役に立てるなら、お気軽にお声がけくださいね。



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