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ヨーロッパ企画『ギョエー!旧校舎の77不思議』

ヨーロッパ企画第39回公演
『ギョエー!旧校舎の77不思議』

作・演出:上田誠
音楽:青木慶則

@本多劇場
2019/8/15〜8/25

8/15夜公演を見た!

お見事。

去年の今頃に同じくヨーロッパ企画さんで見た『サマータイムマシン・ブルース』と『サマータイムマシン・ワンスモア』も、エアコンのリモコンを壊れていなかった過去のものと取り替えるためにすったもんだが繰り広げられてエライコッチャっていう。ものすごいちっさいところから出発してどんどんとんでもない事態が起こって、下らないことに必死な人間たちに笑わされて。頭空っぽで死ぬほど笑って、帰りは体が軽くなったような気すらしてふわふわと電車に乗ったものだけれど。

今年もそうだったー!最高!ヨーロッパ企画さんは裏切んないや!大好き。大好きすぎて、ラストシーン見てたらなんか泣けてしまったのが不思議だった笑

まず、学校が建つ前は処刑場で、その前は日本兵の兵舎で、そのの前は合戦場で、校舎にめちゃくちゃ曰くとお化けと幽霊と呪いとがつきまくっているっていう設定がはちゃめちゃなんだけど笑笑、それに対して怖い、怖いけど大真面目に対処していくしかないっていう登場人物たちの必死さが側から見ててめちゃくちゃ面白いわけで。ほんとにひたすら77不思議を数えていくだけといえばそれだけなんだけど、なのになんでこんな面白いんだ............!

てかよく77個も収まるな!2時間ちょいだよ?おかしいでしょ。アフタートークでも上田さんが話してらしたけど、口でいうだけで済ませてしまう系の消化感が雑すぎてまじでワロだった。トイレにいる3人の花子さんは3不思議にカウントとか雑すぎ。人面瘡も成長するたびにカウントされてたし。わたしは新任キョンシーがお気に入りでした....モンスターペアレントも好きだったな.......あと幽霊水泳部員も....なんであんなちょうどいいネタが思いつくんだ...........力入ってないけど何故か笑えてしまうっていうギリギリを狙ってくる..............

それでいて、怖いと思わせるところはしっかりそう思わせてくるわけで。ピアノを弾く幽霊のカナデちゃんが怒り狂うシーンなんか、声も映像もそうだし、それまでの練習してきた過程を知っているから余計に沁みてしまって。悲しくなってしまったし。「お前だーーーー!」と指さされるラストシーンも、今までずっと傍観者として呑気に油断しまくっていたとこから当事者の位置へボーンと投げ込まれちまったもんだからゾワゾワっと末恐ろしい感覚だった。

好きです。大好き。

こういう力技ありきの笑いがありつつも筋立てはしっかりしている作品を成立させるのに役者力って必要不可欠だろうと思うのだけど、安心感しかないヨーロッパ企画クオリティ。最高だった。

本多さんのほほんとした感じも、石田さんのちょっとカリカリしつつもすぐ調子乗っちゃう感じも、酒井さんの真面目かと思いきやどんどんトチ狂っていってひとり暴走する感じも、中川さんのまっすぐお馬鹿な感じもあいかわらずで。サマータイムと見比べても相変わらずぴったりハマってて素敵だった。他の方は....今作の役のアクが強すぎて.....笑

人体模型くんの肉感がすごく好みでした。

それぞれにキャラ立ってるしずっとザワザワ騒がしくしているのにしっかりストーリーが頭に入ってくるし。すげーーーーーーー、

1列目で見れて幸せだった。あの演技はかぶりつきで見たいやつ。


夏はヨーロッパ企画、毎年の恒例になっていきそうな予感。

#観劇録 #ヨーロッパ企画 #コメディ #演劇感想 #舞台感想

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